のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

43. 天外魔境 ZIRIA

今回は天外魔境シリーズの初代、天外魔境 ZIRIAについて書いて行きます。

2023年7月17日にクリア、プレイ時間は30時間前後くらいでした。

・システムとかいろいろ

昔々【マサカド】という怪物によって滅びそうになっていた世界にどこからともなく現れたお馴染み【火の一族】。彼らによってマサカドは封印されましたが訪れた平和は束の間で、今度はマサカドの復活を目論む【大門教】が現れ世界を支配しつつありました。

火の一族の少年・ジアイアはこの危機を止めるため、各地にいる残り2人の火の勇者であるツナデ、オロチ丸を仲間にしながら旅をします。大門教の幹部13人衆はあの手この手で人々を脅し騙して入信させ、マサカドを復活させる為の魂を奪っているとのこと。マサカドに封印されていた各地の神獣の封印を解いてサポートを受けながら、大門教の野望を阻止するのが大まかな流れです。

ちなみにこの大門教の"だいもん"は"デーモン"のことらしい。2でもお世話になったホテイ丸が教えてくれました。

ptw828.hatenablog.com

 

かなり単調ではありますが、シンプルかつ王道な内容かつ分かりやすい操作方法なので懐かしい気持ちになりながらプレイ出来ました。

各地で事件を解決した後はほとんどの村人たちの台詞が「ありがとうございました」系のセリフ統一になるのが地味に怖かったポイント笑

あと、この時代のRPGにはかなり珍しくBダッシュ機能やシナリオスキップ設定が搭載されている丁寧な作りとなっておりました。

もちろん2程頻度は高くないですがボイス機能も存在しており、物語の重要な場面では結構多くのキャラが喋っていました。1980年代発売とは思えない…ハドソンの技術力、やっぱりすごい。

ゲーム全体の雰囲気は、剣豪を倒して技を伝授して貰ったり、ジライアたち火の一族に協力してくれる雲切の里が各地にあったりと、同ハドソンからファミコンで発売されている桃太郎伝説を彷彿とさせるものがありましたね。

 

注意する点としてはセーブの仕方でしょうか。実はPSP天外魔境コレクションはセーブの仕方がちょっと特殊で、宿屋で普通にセーブしただけでは保存されず、ポーズメニューから「ゲームをやめる」を選択しセーブしないとデータが保存されないようです。

いわゆる中断セーブになるんですけど、ボス前だろうが戦闘中だろうが構わずセーブ、再開できる為なんだかんだでかなり便利でした。いちいちゲームを終了しなきゃならないのはかなり手間ではありますが…。

しかしまぁ、私は以前Vitaのアーカイブスでプレイした天外魔境2のロードが特殊だったこともあってスッと対応出来ましたが、何も知らない方だと故障かと思うんじゃなかろうか。

 

あとは相変わらず楽曲が良い。本作の音楽担当はなんとあの坂本龍一氏です。2の久石譲氏の時も思いましたが、こんなビッグネームに依頼するなんて気合の入れっぷりが凄いですよね…。天外魔境シリーズ、2も含めて特に不気味で不安になる系BGMのクオリティは天下一品だと思ってます。

 

・難易度:高

戦闘やマップの複雑さなど様々な点で、難易度はかなり高い部類なんだろうなぁと感じました。特に序盤〜中盤は顕著で、まず戦闘では仲間の誰か一人でもHP0になれば全滅扱いとなります。鬼畜。

お次は鬼エンカウント率&雑魚敵が強すぎる問題。次作である2でもこの点にはかなり苦戦させられたのである程度覚悟はしていたものの、やっぱり初代もすごかった(笑)レベル上げ中に全滅を繰り返すのはよくあることです。

更に、敵に負けても失うものは無かった2とは違い、今作は敗北するとしっかり所持金の半分は失われます。最初の頃は雑魚敵に負けたらリセットしてやり直していましたが、敗北頻度が高い上に先述の通りセーブ&ロードに時間が掛かるため、途中からお金のことは考えずに進む道を選びました。

しかし終盤になると一転、貰える経験値が一気に増えたり無限にお金が手に入るようになったりと色んな部分でインフレが起こり、かなり余裕がみられるように。ラスダン手前には簡単に経験値が大量に得られるバグ(なのか?)が存在しており、超難関と言われる今作のラストダンジョンである江戸城はレベルでゴリ押し出来ました…笑

 

シナリオもキャラクターもとても良かったし楽しくプレイ出来ましたが、やはりゲームバランスの調整にかなり苦戦した印象が残る本作。リアル運が絡む眠りや凍らせ系攻撃の連発でエンドレス行動不能にされてのタコ殴り敗北とかはもうどうしようも無いもんな…

それでも個人的には(中断セーブ機能の存在もあり)2よりは全然簡単だったように感じたので、天外魔境シリーズが気になっている方には是非このZIRIAからのプレイをオススメしたいですね。

42.OMORI

今回はOMORIについて書いて行きたいと思います。

2023年7月2日にクリア、プレイ時間は17時間程でした。ただ、この作品は2ルート存在しており私が今回プレイしたのは1ルートのみなので、もう一つの方もプレイするなら時間はかなり伸びるかと思います。

この作品は2020年12月25日にアメリカのインディーズゲームメーカーから発売されたホラーRPGです。私はSwitch版が配信開始したというニュースを見てはじめて知り、気になって購入しました。

調べてみると本作は様々な日本ゲームから影響を受けているそうですね。たしかに、海外製のゲームのはずが作品全体からどこか懐かしい雰囲気を感じました。

 

・システムとか

周囲を探索してアイテムを拾ったりフラグを立てながら進める分かりやすい仕様ですが、可愛らしい絵柄に反して内容はブラックな要素全開という感じです。ナイフを使って自身を刺すコマンドが存在したり、置いてあるスケッチブックには赤と黒だけで意味不明なイラストがぐちゃぐちゃに描かれていたり意味深な事を言い残してお友達が失踪したり…ふわふわとした謎の世界観と相まって割と精神崩壊しそうな内容が多いです…笑

ホラーでよくある急に怖いイラストが出てきてビックリするような要素もあるので、苦手な方は注意ですね。

 

戦闘もあり、エネミーはエンカウント式です。可愛らしい動物のようヤツもいればトラウマになるような不気味なヤツもいました。回復アイテムが尽きてうさちゃん(エネミー名)から全力で逃げたのは良い思い出。

バトルには『感情』というステータスがあるのも特徴で、にこにこ状態の時ははいらいら状態の敵に強く、いらいらはしょんぼりに強く、しょんぼりはにこにこ強いという三すくみ。お友達も敵も感情によって表情が変化するのがかわいいです。

シナリオや世界観重視の作品というイメージではありますが、戦闘にもそれなりに力が入っているように感じました。それぞれに多くのスキルが用意されていたり、一斉攻撃(しかもカットイン付き)が存在したりとなかなかの充実っぷり。本作の不思議な雰囲気をより引き立たせる良い要素になっていたと思います。

 

・世界観がすごい

ほぼ前情報を入れずにプレイ開始した本作。世界観や状況の説明が全くなく、主人公・オモリがホワイトスペースという真っ白な部屋にいる状態でスタートします。この時点で結構怖い(笑)

ホワイトスペースを出るとすごくファンシーな部屋にいるお友達のオーブリー、ケル、ヒロの3人(パーティーキャラ)と合流し、突然失踪したお友達の一人・バジルを探すために不思議な森や公園を探索しますが、その途中で急に現実世界っぽい部屋に引き戻されます。

いや現実世界って??今までのは夢の中とかそんな感じなの???とか色々考えながら進めているとまたいつの間にかホワイトスペースへ…という感じにどんどん物語が進みます。説明がとにかく全然無いせいで、理解力の低い私は訳の分からないままプレイを続けました(笑)

そんなこんなで夢と現実の世界を行き来しながら両方のステージで話を進めます。こう書くとDQ6みたいだな…。ちなみに夢の世界でパーティーキャラだったお友達たちは現実では少し成長した4年後の姿で登場。夢ではぬいぐるみが好きな可愛らしい女の子だったオーブリーは現実では不良の姿で登場し、初見時は脳がバグりました。まぁどちらでも可愛いんだけども。

 

実は主人公のオモリ(現実ではサニーという名前)は現実世界で姉のマリを誤って階段から突き落として殺してしまっており、ちょうど居合わせたバジルの提案で共にそれを自殺に見せかける隠蔽をした過去がありました。そのトラウマやみんなを騙している罪悪感からサニーはずっと引きこもり続け、現実逃避のために作り出した精神世界こそがオモリが冒険する夢世界ことヘッドスペースなんですね。

様々な真相が一気に明かされるのがかなりの終盤ということもあり、意味が分からないまま雰囲気を楽しみつつもひたすら進めている時間がかなり長かった印象です。すべてを理解した状態で2周目をプレイしたら気付く言葉の意味や伏線はきっと沢山あると思います。

 

・ルート分岐

この作品には現実世界に戻りトラウマと向き合うノーマル(サニー)ルートと、夢世界にいるまま探索を続ける引きこもり(オモリ)ルートの2通りが存在し、これは物語途中の選択肢の結果から最終的にどちらに進むかが決まるようです。私は気付いたら現実に生きるサニールートに入っており、そちらに存在するエンディング4種類を見てプレイ終了しました。

現実世界で引きこもりを続ける選択肢を選ぶとオモリルートに入れるようなのですが、かなり前まで遡らないといけないので今回のプレイでは断念。

ただ、先述したように伏線がかなり多い作品なので初めから2周するように設計されており、その結果の2ルート制なのかなぁという感じもしました。オモリルートに入らないと出会えないエネミーや探索できないマップも多数あるらしいので、次回プレイする際はオモリルートで進めたいと思います。

ちなみにオモリルートは夢世界なだけありファンタジーな世界観でやり込みや自由度も非常に高く、こちらでの冒険の方が楽しく印象に残っています。

 

かわいい絵柄でより引き立つ不気味な世界と重いストーリーが非常に魅力的ですが、フワッとした理解のまま進める期間が非常に長いので、向き不向きはあるかもしれません。自殺や鬱の描写やホラー的要素も多いしね…バッドエンドはなかなかの衝撃でした。

それでも完成度は高く、癖になる世界観に私はかなりハマりました。考察ポイントも多くあるので、再プレイ時にはその辺りにも注目して行きたいです。

41.ワイルドアームズ 2ndイグニッション

前回に引き続きWAシリーズの2について書いていきます。

2023年5月27日にクリア、プレイ時間は35時間程でした。

難易度は全体的に前作より上がったように感じました。特にダンジョンの謎解きは結構苦戦するポイントが多かったかな~と思います。いや正直攻略サイトさんにはかなりお世話になった…。

 

・前作との繋がり

物語の舞台であり主人公たちの暮らす世界の名前は前作と同じファルガイアですが、前作とは異なる世界線とのこと。

登場するキャラも町も前作とは全く関係ない別世界のお話ですが、土台であるファルガイアという名称が共通なのはシリーズとして繋がりを感じられてファンには嬉しい要素ですよね。

他にもトニーという少年と出会うところから冒険が始まったり、仲間の女の子が焼きそば(パン)を5人前平らげたり、同名のキーアイテムが多数登場したりと、前作プレイ済みの人はニヤッと出来るセルフオマージュもいろいろありました。

システム面では癖のあるダッシュやクレストグラフでの魔法作成、アームの改造、グッズでのギミックなど基本的な部分は前作とほぼ同じ部分が多かったので、操作で悩むことはありませんでしたね。

 

・前作と異なる点

逆に、前作と異なっている点も多数ありました。思いついた順に以下箇条書き。

①視点を360°回転できること。

この操作をしないと見逃す扉やスイッチがあったりと、使用する頻度はそこそこ多かったです。DQ7初プレイ時もこの操作で苦戦したのを思い出した…。

②エンカウント前に「!」マークが表示されること。

通常時は白地に「!」であり、この時はXボタンを押せれば戦闘キャンセルが可能でした。雑魚戦を回避できるのはありがたい。赤字の場合は不意打ちのため、キャンセルは不可。

③アーム技や魔法はFP(フォースポイント)を消費して使用。

RPGおなじみのMPの概念が無く、代わりに通常攻撃やダメージを受けた際に上昇するFPを消費します。戦闘毎にリセットされるためMP管理をする必要が無いのはとても楽ですが、戦闘以外の道中で回復魔法を使えないのは少し不便でしたね。

④戦闘にコンティニューがある。

1回ごとに1ギミルコインというアイテムを消費するという制限はあるものの、負けたら即ロード画面だった前作と比べたらだいぶ優しい仕様になりました。結局使わなかったけど。

⑤アーム改造回数に制限がある。

お金さえあればすべてレベルMAXまで鍛え上げられた前作と違い、今作は各アーム9回までの回数制限があります。私はこれを知らずに命中率だけをばかすか上げており、物語中盤で初めて気付きました(笑)

⑥ボスの部位が存在する。

今作のボスにはほぼすべて本体、右手、左手…みたいな部位が存在します。ラスボスとかでよくあるやつ。本体を倒せばそこで終了ですが、各部位を倒してから本体にとどめを刺すことで、経験値やアイテムをドロップすることが出来るので極力部位から攻撃するようにしていました。

あと、ボスの登場時にあきらかにウルトラマンのオマージュである、黒いシルエットと赤い背景で二つ名とともに各ボスを紹介する演出が入るのですが、これが結構好きだったり…笑

システム面ではこのあたりが目立った違いかなぁという感じ?RPGでよく見かけるパーソナルスキルや、仲間キャラクター数が増えたことで新しいオリジナル技が追加されたりもしたりしてました。

 

・重厚なストーリー

主人公・アシュレーが新たに所属することになった平和維持活動部隊『ARMS』の活動が物語の主軸です。アシュレー達は指揮官であるアーヴィングの指示のもと、モンスター討伐やテロ対策などファルガイアの平和のために奔走し人々の信頼を勝ち取っていきます。徐々に規模の大きくなるテロリストの世界征服活動を阻止するため、仲間を増やしながら立ち向かって行くストーリーです。

前作のロディはDQタイプの喋らないタイプの主人公でしたが、今作のアシュレーはバリバリに会話します。パーティーキャラやサブキャラクター、敵幹部も多くなり物語に関わる人数が増えたため、前作以上に重厚感のあるシナリオとなっていました。

前作が王道かつシンプルで物語にのめり込むことが出来る作品だとしたら、今作は少し複雑にはなるものの、厚みが増した作品というイメージですかね。

 

まず、今作敵として立ち塞がるのは魔族ではなく人間ということ。主要な敵であるテロリスト『オデッサ』やアシュレーに潜む魔神の力を討とうとするカノンなどなど…敵対勢力内にも様々な思想があって、カノンは後にARMSに加入してくれたり、パーティーキャラのブラッドがオデッサのリーダーとかつて同志だったという過去があったり、オデッサ内でも仇の関係性があったりと複雑な人間関係も味があってよかったです。

さらに、このオデッサが敵として立ち塞がるのは物語中盤までであり、ARMSの活躍によりオデッサが壊滅した終盤は、異世界からの浸食を阻止する展開へと繋がる2段構えの構造でした。

ちなみに、浸食が始まるタイミングて空の色が禍々しくなり、フィールドBGMも陰鬱なものに変化します。FF6の崩壊後の世界とかもそうですが、こういう展開テンション上がるんですよね…!

 

また、この終盤に差し掛かる、物語が大きく動く場面でDISCの入れ替え指示があったんですよ。久しぶりに2枚組DISC文化に触れました。そしてなんと、入れ替え後にはオープニングが後半仕様に変化するといった充実ぶり!

前期OPは冒険の旅を意識した演出が強かったのに対し、後期OPでは新たな仲間を加えた上で全員が一丸となって戦う戦闘場面が強調されてる対比がとても良いなと感じました。

 

作品のテーマは"英雄"であり、最初こそ英雄に憧れ、求める世界が描かれているものの、物語の進行と共に主人公はじめ人々はその意味を考え直します。最終的には"英雄"という概念を否定する部分は斬新だなと感じました。
物語序盤に既にそのことを感じていた主人公の幼馴染・マリナに「英雄は世界平和の為に辛い思いをする犠牲だ」的なことを言われたときには確かになぁ、と思いました。世界を救ってくれるのは英雄なんかじゃなく私たちと同じ痛みを知る人間なんだ、と。そうだよなぁ。

 

・秀逸なテキスト

前作から感じていたことですが、このシリーズ印象に残る台詞の多いこと多いこと…。ささいな会話から敵に向かって投げかける決め台詞まで、いちいちグッとくるテキストが多いんです。上げ出すとキリがないですが、個人的に無印のセシリアやジェーン、2ndのブラッド(特に後半)あたりは名言製造機(?)な気がします。

また各キャラの口癖も、アシュレーの「わからない…わからないな…」やリルカの「へいき、へっちゃら!」のような独特でキャッチーなもので、これまた強く印象に残るんですよね。

 

そして台詞の言い回しで特にお気に入りなのが、主人公パーティーとあるキャラクターとの掛け合いです。

敵味方問わず非常に魅力的なキャラクターが多くいるWA2ですが、中でも異色を放っておりかつめちゃくちゃ印象に残るキャラクターがおりました。

それが、トカとゲーという2人組キャラクターです。オデッサの構成員である敵キャラで、コント(?)が非常~~にインパクトのある、作中何度も戦うことになるトカゲの姿をした騒がしい宇宙人です。敵ながら憎めない、前作でいうゼット様のポジションのこの2匹。

ゲーは人語を話さないのでほぼトカの一人舞台ですが、とにかくその独特の言い回しが妙に癖になるんですよね…。さらに、優しい性格のアシュレー達が容赦なく辛辣な言葉を投げかけまくるのがまたとても面白くて。冴えわたるアシュレーやリルカのツッコミには何度も爆笑してしまいました。

 

 

2作続けてプレイしてきたWAシリーズ、とても楽しかったー!想像以上にハマっちゃいました!味のある独自の雰囲気を大事にしつつも王道RPGの面白さを外していないシリーズ、という感じでしたね。

欠点があるとすれば(前にも言ったけど)やはり、現行機でプレイ出来ないということでしょうか。無印と2はVitaやPSPであればアーカイブスでプレイ可能ですが、3以降に関してはそれすらも出ていないようなので…。

私はアーカイブス勢なのでとりあえず今回のWAシリーズプレイは2作で終了になりますが、PS2をメンテナンスして機会があれば3以降も遊んでみたいなぁと思いました。

40.ワイルドアームズ

今回はワイルドアームズについて書いていきます。2023年5月2日にクリア、プレイ時間は29時間程です。

オリジナルはPSですが、私はVitaでアーカイブスを購入してプレイしました。

WAはよく話題を聞いてきたしフォロワーさんにも好きな方の多い作品ですが、幸いなことにネタバレは全く知らない状態でスタート出来ました。

 

・想定外のファンタジー

冒険の舞台は、主人公たちの暮らすファルガイアという荒廃の進んだ世界。そこの侵略を目論む魔族との闘いが本作の大筋です。かつて滅ぼされた王国の生き残りの戦士や襲撃された国の公女が仲間だったり、大昔の戦いで封印された巨人を復活させたり…と、シナリオから設定までかなりの王道ファンタジーっぷり。

作品の知識が無さすぎて、ロマン溢れる若者が夢と希望を胸に荒野を旅するハードボイルド西部劇的なゲームかな…?という勝手なイメージを抱いてプレイスタートしたので、想像以上のファンタジー色に驚きましたね。これは嬉しい誤算。

序盤でRPGお馴染みのいわゆる村(国ですが)焼きがあり、大きな事件を経てガラリと雰囲気が変わる点があるのですが、私はここで一気に引き込まれました。メインキャラクター3人がそれぞれの想いを胸に長い旅を決意するシーンが熱すぎたし、更にここでオープニングクレジットを持ってくる演出も最高に盛り上がったなぁ。

ストーリーのテンポも纏まりも非常に良く、今RPGをプレイしてる!!と強く感じることのできる熱い展開の連続で、始まりからエンディングまでとても私好みの作品でした。

 

・楽曲が素晴らしい

まずオープニングが良すぎる。私はゲーム音楽が好きなのでこのOP楽曲自体は知っており、始まった瞬間すぐにこの曲知ってる〜好きな曲だ!となりました。

この世界では旅人のことを渡り鳥と呼ぶのですが(この名称めちゃくちゃ好き)、ひたすら荒野を旅する渡り鳥の雰囲気をとても感じることが出来ます。歌詞も無いですし登場キャラクターも多くなく割とシンプルな作りですが、今から始まる壮大な荒野の旅を期待させる、非常にワクワクと心踊るオープニングアニメでした。あと、単純に絵柄が好み。

それと、タイトル画面で放置すると本編から数年前のそこそこ重要な(しかも結構長い)ムービーが流れます。私はこれに全く気付いておらず、教えて貰うまで完全にスルーしてました…危なかった(笑)

 

オープニング曲以外の楽曲も、最初の村から戦闘まで神曲だらけでした。特に多く聞くことになるフィールド曲は、広大な荒野をイメージさせる勇ましいながらどこか寂しいようなメロディがとても心地よくてお気に入りです。

あとは色んな場所で口笛が使われているも良いんですよね…先ほど結構ファンタジー感が強いとは言いましたが、それでもワイルドアームズという作品を象徴するであろう荒野の旅の雰囲気とその独特の世界観は忠実に守られて統一されているなぁと感じました。

 

・システムのこととか

攻略難易度は高くはなく、全体的に親切設計だなと感じました。

建物に入る時シームレスだったり、戦闘中でも装備を変更出来たり、装備を買うとき既に同じものを持っている場合は本当に買うのかを確認してくれたりと、痒いところに手の届いたような作りで非常にプレイしやすかったです。

あと、この時代の作品だからボス前にセーブポイントがあるか無いか微妙なところで、さぁどっちだ…!?と身構えてプレイしてましたが、無事にある仕様でした。優しい。

 

戦闘に関しては昔のゲームなので、今のゲームに比べるとやはり若干のテンポの悪さはありますが、まぁ許容範囲内でしょう。他に気になったのはダッシュに癖があることくらい?勢いをつけて走るタイプのダッシュなので、しばらくは慣れずに色んな所にぶつかりまくってました(笑)

 

独特な要素としては、メインキャラクター3人が持つグッズによる固有ギミックでしょうか。グッズはそれぞれ何個かずつ持っており、使用したいグッズを持つキャラを先頭してそのグッズを選択することで使用が可能です。

バクダンでダンジョン攻略時に障害物を爆破したり、動物と会話できるようになるマジックスタッフで街の動物から情報収集をしたりと用途は様々ですが、これが結構面白い。3人がバラバラのルートを各ギミックを使って謎解きをしながら進むダンジョンもありました。

 

・キャラクターについて

メインパーティーは天涯孤独の渡り鳥の少年・ロディ、絶対たる力を求めて旅する渡り鳥・ザック、アーデルハイド公国の公女でありガーディアンの巫女・セシリアの3人で、冒険はそれぞれ違う場所から始まります。立場も生い立ちも異なるキャラ達ですが、ひょんなことから行動を共にすることになり、そのまま序盤で3人パーティーが完成します。

ロディはドラクエパターンの主人公なので台詞はありませんが、ザックとセシリア、そしてザックの相棒のネズミ・ハンペンは冒険中よく会話してくれるので、キャラクターは掴みやすかったです。

また、メインが3人だけということもあり、それぞれ乗り越えるべき過去や葛藤、冒険を経ての成長等がとても良く描かれていたし、しっかりと全員が冒険に関われていたなと思いました。私はパーティーキャラが多い方が嬉しいタイプなのですが、30時間前後の長さのRPGで一人ひとりにフォーカスするという意味ではこのくらいがベストなのかもしれませんね。

 

攻撃にも個性が出ており、三者三様といった感じ。

ロディは剣とアームと呼ばれる銃器を使用して戦います。特にアームが強力で、道中の雑魚戦は通常攻撃、ボス戦ではアームをバンバン使う戦法でした。

アームは街の工房で強化が出来るので、割と優先してやってましたね。攻撃力や命中率を上げたり、弾のストック数を上げたりとお金は掛かりますが、カスタマイズが楽しかったです。

ザックは『早撃ち』というスキルを使用します。調べたら、居合いのような剣術っぽいですね。冒険中のハプニングや色んな出来事から新たな技のヒントを得て、どんどん習得していきます。MPを消費する早撃ちはもちろん通常攻撃も非常に強力な戦士タイプなので、パーティーの中で一番使いやすい印象でした。

セシリアは典型的な魔法使いタイプですね。他2人が魔法を使えない分、攻撃も補助も回復もすべての魔法を使いこなします。攻撃力を倍にするハイパーをかけたザックが早撃ちを使うとカンストダメージも結構叩き出せるので、よく使ってました。

ちなみに本作では魔法はレベルアップで覚えるのではなく、街やダンジョンで拾えるクレストグラフというアイテムをギルドに持っていって、好きな効果をここに書き込んでもらい使用出来るようになります。使わない魔法は別の魔法に書き換えたり、名前を自由につけられたりと自由度は高め。最終的に存在するすべての魔法分のクレストグラフが手に入るようにはなっているようです。私は取り逃しまくって全然足りなかったけど。

 

サブキャラクター達も数は多くはありませんが非常に魅力的で、そして濃かった(笑)

特に冒険中に何度も会うことになる賞金稼ぎの少女・ジェーン、敵ながら憎めない魔族のゼットやライバル的な立ち位置であるブーメランあたりはとても良いキャラクターで、登場するたびにテンションが上がったものです。

彼らについてはゲーム中での掘り下げが少なかったので、別媒体とかで何かあるのなら見てみたいなぁと思いました。

 

終始とても楽しくプレイ出来た作品なのでとてもオススメなのですが、現行機では遊べないというのが惜しいところです。

Switchでリマスターが出てくれることを祈りながら、このまま続編をプレイして行きたいと思います。

39.英雄伝説 創の軌跡

遂に軌跡シリーズ前半戦もラスト!今回は創の軌跡について書いていきます。

2023年3月26日にクリア、やり込み等も含めて42時間程プレイしました。

英雄伝説 創の軌跡

英雄伝説 創の軌跡

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・ゲーム内容

今作は空~閃Ⅳまでの総仕上げということで、これまでのシリーズキャラ大集合といった感じでした。軌跡シリーズらしい賑やかさで良いですね~。

ゲームシステムは従来通りではありますが、今作は3つのルートから構成される【クロスストーリーシステム】が採用されており、同時系列をそれぞれの主人公の視点で進みます。ひたすら1つのルートだけを進めることは出来ず、ある程度まで進行したらロックが掛かり、他ルートを指定場所まで進めなければ先を見れない仕様です。各ルートをバランス良くプレイする必要があるわけです、十三機兵防衛圏もこんな感じでしたね。

 

また、物語途中で『夢幻回廊』と呼ばれる空間に移動するのですが、こちらが今作のやりこみコンテンツになります。ストーリー攻略中にいつでも移動可能で、ランダムに生成されるマップを攻略したり高難易度ボスに挑戦したり、ミニゲームや短いエピソードを鑑賞したりとやれること盛りだくさん。空3rdの『影の国』と黎Ⅱの『お伽の庭城』を混ぜたようなシステムですね。

今作は寄り道が極端に少なくかなりの1本道なので、レベル上げや装備を整えるのにも利用できます。ここでの記憶は現実に持ち帰らないご都合仕様で、本編では仲間にならないキャラでもこの夢幻回廊では使用出来たりもしました。

ここで読むことのできるエピソードはキャラ達の直近の日常メインに様々なものでしたが、どれも面白く、キャラクター愛を感じる内容だったので非常に良かったです。空3rdでも思ったけど、軌跡シリーズはサブエピソードのクオリティ高いよなぁ。

 

・ロイドルート概要

プロローグはロイドルートに収録されているので、ここからスタートします。

ストーリーは閃Ⅳラストでラスボスを倒してから5ヶ月後、オリビエとシェラザードの結婚式直前のクロスベルから始まります。黄昏の呪いを消滅させたことで世界大戦は1日で終了しましたが、クロスベルでは帝国軍が不法占拠を続けていました。ロイドたち特務支援課と協力者たちは協力してこれらを逮捕に追い込み、無事クロスベルの解放を成し遂げる、というプロローグでした。

ロイド達は閃シリーズに出演していたとはいえ、やはり主人公として特務支援課がクロスベルの地で活躍する姿は良いですね。占拠されたビルのガラスを突き破り強制突入するムービーは物凄くカッコよかったので、何度も繰り返して見ちゃいました(笑)

また、今作では閃に未登場だった零碧メンバーも沢山参加しており、彼らは3Dモデル初登場になるのでまた新鮮な気持ちで楽しむことが出来ました。3Dモデルのワジ・ヘミスフィアの破壊力たるや…。

 

そして迎えたクロスベルの再独立調印式の日、突如(前作までで色々やらかして)逮捕されたはずのルーファスが乱入、再びクロスベルの地を武力によって制圧してしまいました。この地は何回この展開を繰り返すのか…!?流石に気の毒になってきた(笑)

特務支援課一行は協力者と共に再びクロスベル解放を目指して立ち上がりますが、ルートの中盤で市民に絶望されて折れそうになるシーンもありました。

それを立ち直らせたのが純粋なクロスベル人じゃなく、しかも支援課途中参加のキーアとワジの言葉だったんですよね。ロイド達が再び特務支援課の当初の目的を思い出して、再始動するこのシーンがめちゃくちゃ好きでした…!

 

・リィンルート概要

新Ⅶ組の生徒と共に、故郷のユミルを訪れていたリィン。まったりと過ごしていましたが急にクレア少佐によって呼び出され、指定された場所に向かうとクレア少佐、そしてクルトの父親であるマテウス・ヴァンダールがいきなり襲撃してきます。ここでクルトのパパがまさかの初登場でした、この作品における父親キャラは最強クラスの達人ばかりだな。

まぁこの襲撃は予想通りリィンと新Ⅶ組の力量を測るテストのようなものであり、合格点を貰えた一行はオリヴァルト皇子夫妻が新婚旅行中に行方不明になったと、そしてその捜索に加わって欲しいと依頼されて物語は始まります。

 

オリビエも前シリーズから災難続きですね…。更にはロイドルートで起こったクロスベルの再支配のニュースも飛び込んで来て、慌てるリィン達の元に新生帝国解放戦線の《C》と名乗る怪しすぎる仮面の男から、オリビエ達の行方を匂わせたメッセージが入ります。

《C》といえば我らがクロウ先輩ですが、まぁ今回のは恐らく別人だろうと踏んだリィン達は次に彼らが向かうと書かれた場所・帝都ヘイムダルに向かい、《C》を捉えること、そしてオリビエ達の救出を目指します。この辺りで《C》ルートと行動範囲が同じになるので、今どっち目線でプレイしてたっけ?とこんがらがることも多々ありましたね…笑

 

・《C》ルート概要

ここでようやくスウィンとナーディア初登場!私は黎Ⅱを先にやってしまったので初めましてではありませんか、順番通りにプレイした方は完全なる新規キャラ達の冒険にワクワクしたのではないでしょうか。

『《C》という人物にトランクを渡して欲しい』という依頼を受けていた二人は、帝国に入り《C》を探して旅を続けておりました。ちなみにこの依頼をしたのはヨルグ・ローゼンベルクという老人であり、零や碧でお世話になった偏屈だけどもの凄い腕前の人形師のおじいさんですね。

偶然か必然か、二人の目の前に現れてトランクを受け取る《C》。みんなで中身を確認すると、中からとても可愛らしい人形の少女が現れました。この子も黎Ⅱで登場したラピスですね。とは言ってもそちらでは姿が変わっていたので、このビジュアルで実際に動いて喋ってる姿はほぼ初めてです、昔のレンみたいなおしゃまで可愛い女の子という感じ。本当にかわいい。

 

当初は《C》の正体も目的も分からない状態でのスタートですが、徐々に真相が明らかになって行きます。その正体は…まぁこれも知ってしまってはいたのですが、現在クロスベルを再支配真っ最中なルーファス・アルバレアご本人でした。

じゃあ今クロスベルを再占領しているルーファスは?となるのですが、そちらは偽物であり、改めて《C》に雇われたすーなーとラピスを引き連れた《C》が主人公として偽物の正体と目的を暴き、真相を知るということがこの《C》ルートの目的となります。

 

・物語の結末

3つのストーリーが集結して、今回の騒動は先の大戦の末に偶然生まれた機械知能≪エリュシオン≫のせいであり、その管理者として造られた人格がラピスだということが判明。このあたりは黎Ⅱで見たはずなのですが、相変わらず記憶にはほとんど残ってませんでしたね(笑)

元々は人類には干渉せず、あくまで観測と演算で人々をサポートをするだけの安全なシステムでしたが、その圧倒的な未来予測の能力ゆえに辿り着いた”一つの未来の可能性”から今作の黒幕が生まれ、それがラピスを追い出しエリュシオンを乗っ取って暴走してしまいます。

それは、前作『閃の軌跡Ⅳ』1周目のエンディングで黒の思念体≪イシュメルガ≫と融合してしまったリィン自身でした。前作では特定の条件を揃えることで2周目はリィンが犠牲にならずにトゥルーエンドを迎えますが、今作はこのトゥルーエンドの先の物語であり、"1周目の結末になってしまった場合の未来のリィンが顕現した姿"が今作の黒幕ということですね。構成上1周目のエンディングは必ず見ることになるので、閃Ⅳプレイ済の人はあの悲しいエンディングを思い出すように出来ていると…メタ的な意味でもよく考えられてるなぁと感じました。

 

戦いの末リィンはイシュメルガ・リィンを乗り越え、人類にはまだ早すぎたとしてラピスの手でエリュシオンを削除して物語は終結します。

こう書くとリィンだけ目立ちすぎでは!?って感じですが、実際は最終局面で自分を犠牲に世界を救おうとするルーファスだったり、誰よりも早く真実にたどり着き事件解決に導いたロイドだったりと、主人公3人にバランス良く見せ場と活躍が与えられていたのでよかったですね。

 

軌跡シリーズ前半戦・西ゼムリア大陸編はここで一旦完結となり、次作である黎の軌跡から後半戦・東ゼムリア大陸編へと移ることになります。

私は大きな区切りであるこの黎の軌跡からプレイを始めましたが、今やり直したら解像度が爆上がりするんだろうなぁ。共和国のグラムハート大統領が実は結社と繋がってるという事実も今作をプレイして初めて知ったし…。

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・ついに・・・

創をクリアしたことで、現在発売されている軌跡シリーズ13作を制覇することが出来ました~!ついに最新まで追いついた!!黎の軌跡が発売した2021年10月頃にプレイをスタートして約1年半、総プレイ時間約570時間をひたすら駆け抜けてきました。

次回作である黎の軌跡Ⅲからは完全体(過去作の知識的な意味)で楽しめるので、とても楽しみです!

38.英雄伝説 閃の軌跡Ⅳ

今回は閃シリーズのラスト、閃の軌跡Ⅳについて書いていきます。

2023年2月19日にクリア、プレイ時間は52時間でした。

 

・主人公不在の序盤

本作の物語は空シリーズのエステル、ヨシュア、レンと零・碧シリーズのロイド、エリィ、キーアが帝国の動きを探るため、協力してクロスベルのオルキスタワーを攻略するところからスタートします。いきなり過去シリーズの主人公組のタッグは胸アツですね~!リィンやⅦ組メンバーの現状は不明なまま、ひたすらこの6人(キーアは非戦闘員なので実際は5人)を操作して進めていきます。ロイド以外はここが3Dモデルの初お披露目ですね。

暴走する帝国をリベール組やクロスベル組の視点から見ることができたり、後述のリィンのこともあり、今作はかなり群像劇の色合いが強いなぁという印象でした。

 

序章中盤からは閃メンバーの話にチェンジしますが、主人公のリィンは不在であり彼以外の新旧Ⅶ組視点で話が始まります。

リィンはというと、前作エンディングで暴走し鉄血宰相サイドに囚われている状態。鉄血宰相が目論む世界を終焉に向かわせる《巨イナル黄昏》の発動条件の一つとして、仲間のミリアムが命を落としてしまったことをきっかけに贄として暴走。皮肉なことにその暴走が黄昏の引き金を引いてしまいました。

そんなわけで、しばらくはリィンではなく新Ⅶを中心に話が進みます。閃シリーズ4作目にして初の主人公長期離脱。新Ⅶ組を中心に、エマやクロチルダの故郷である魔女の隠れ里・エリンを拠点として、転移石で各地にワープしながらリィンを探すのが第1部のお話です。

リィンに教えられた戦術や考え方を確かに受け継ぎながら、落ち込む旧Ⅶ組メンバーを再び奮い立たせようとする新Ⅶ組の生徒たち。すごく成長したなぁ…と感じさせられましたね。

 

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・Ⅶ組の目指す第三の道

新旧Ⅶ組の必死の行動によって無事リィンは贄としての暴走を乗り越えることが出来ましたが、彼が捉えられている間に帝国はどうなっていたかというと、黄昏による強力な呪いが蔓延している状態。呪いによる因果律制御によって人々は精神汚染され好戦的になったり反戦の動きをしても掻き消されてしまったりしており、開戦に向けてハチャメチャになってました。

この因果律制御ってのがとんでもなく、ミリアムが死亡したのもリィンが暴走したのもハーメルの悲劇も…というか終焉に向かうために必要な事象はすべてこの呪いによるものだそうな。

 

…このあたりで問題の規模が大きくなりすぎて、Ⅶ組は一体何のために戦ってるんだっけ?と頭がこんがらがり始めました(笑)

簡単にまとめると、エレボニア帝国は古から続く呪いによって在り方が歪められており、その呪いの力が強まれば強まるほど抗えない強制力のせいで人々は終焉に向けた行動を取ってしまうと。そして始まった黄昏の強い呪いによってまずはカルバード共和国への侵攻作戦を開始することになった帝国。

闘争心を強める呪いの力や帝国の元々の膨大な武力・戦力に加えて国家総動員法で一般市民からも徴兵を行った結果、帝国の無双状態になることは目に見えていました。そしてこの戦争で帝国が大国である共和国に勝利してしまうと、そこからゼムリア大陸全土を制圧し呪いが蔓延、そしてやがて世界を終わらせる…というのが鉄血宰相の目的だと。

それに対抗する作戦として、帝国以外の諸外国を巻き込んだ連合軍の《千の陽炎》が走り出すも、この作戦は莫大な犠牲者が出るとしてリィン達Ⅶ組をはじめ遊撃士協会のエステル達、特務支援課のロイド達も反対。

共和国との戦争まで秒読みの僅かな時間の中で、協力者たちと連携しながら戦争を止める…そして原因である黄昏の呪いを何とかする方法を、軍や政府とは違う"第三の道"として探すことをⅦ組の大方針として動くことになる…ということだったと思います(あんまり自信は無い)。

 

・騎神と至宝

リィン達が行動を起こす中で鍵を握るのが、七体の騎神同士で戦い最後に残った一体がすべての騎神の力を得ることが出来る相克ことスーパーロボット大戦です。蟲毒みたいなもん。

ちなみにクロウ生存の謎は、騎神の一体であるオルディーネと繋がっていたことにより一度亡くなったはずなのに"不死者として"蘇生した…という感じでした。なんでもアリだなぁと思いつつも騎神に感謝です。推しの生存大事!

死んだはずの結社のアリアンロードや西風の旅団の団長が生存していた謎もここにありましたが、闘争で負けた不死者は消滅する定めであり、リィンに敗れた二人は相克の果てに消えてしまいます。それぞれの関係者である結社のデュバリィやフィーとの最期の会話は非常に泣けました…。

クロウについてはリィンの必死の呼びかけや中途半端な形で相克が行われたことで生存できておりましたが、すべての戦いが終わり騎神の力が失われたら消滅してしまうことは確定していました。本人もこれはボーナスステージだと理解しておりましたが、トゥルーエンドでは黄昏の呪いから解放されたアルベリヒや騎神の最後の力によって完全に蘇生、同じく犠牲となったミリアムとともに完全復活することに。ご都合主義万歳、推しの生存大事!(2回目)

 

そしてもう一つ、途中まで存在を忘れてたけど軌跡シリーズおなじみの七の至宝について。空シリーズでは空の至宝が空中都市リベル=アークを、零碧シリーズでは幻の至宝がキーアの元である神を生み出しましたが、帝国にはうち焔と大地の二つが存在しており、これらが融合してできたのがこの七体の騎神だそうな。そういえば、黎シリーズはまだ至宝については触れられてないけどゲネシスには時の至宝が関係してるんだろうな~と思ってみたり。

あとこれも書きながら思ったことだけど、Ⅶ組や七耀教会、七柱の蛇の使徒などシリーズ通して7という数字に強いこだわりを感じますね。何かあるのかな…?

 

・ラスボス・鉄血宰相の正体

空の軌跡時代から悪役としての印象を植え付けられ続けてきた鉄血宰相ことギリアス・オズボーンですが、閃のストーリーを進める中で善人だった昔の姿にも多く触れることになります。RPGボスあるあるですね。

特に息子であるリィンとの過去の場面ではとても良い父親であり、どうしてこうなった感が非常に強いキャラクターでした。まぁ想像通り鉄血宰相は体を乗っ取られているような状態であり、さんざん引っ張られたその正体はトールズの創設者であり帝国の歴史を作ったともいえるドライケルス大帝の転生体でした。

英雄と謡われていたドライケルス大帝ですが、実は黄昏の呪いそのものである黒の騎神に取り憑かれており、その時代では抑えられていた呪いはそのままオズボーンへと引き継がれてしまいます。オズボーンも当初は抑えられていましたが、呪いの影響で起こった事件で息子であるリィンが瀕死の重症を負ったとき、その命を救うために黒の騎神と契約をして自らの心臓を息子に与え、自身は不死者となり今のような鉄血宰相になったと…息子への想いが結果的に鉄血宰相という化物を生み出してしまったというのは何とも悲しいお話です。

 

・エンディング分岐

既に不死者となっていたオズボーンはリィンとの最後の相克の末に消滅し、黒の騎神の力ごと黄昏の呪いそのものを取り込んだリィン。しかし、強大すぎる呪いを抑えることが出来ないと悟ったリィンはクロウ、ミリアムとともに大気圏外へ飛んで行きます。そのまま呪いごと自身を消滅させてエンディング。

いやいやバットエンドすぎでは!?と思ったのですが1周目は問答無用でこのノーマルエンドになるようで、トゥルーエンドを迎えるには聖獣関係のサブクエをこなしたうえでもう1度エンディングを見ないといけません。実は私はこの期間限定サブクエをスルーしてたのですが…ちゃんと救済措置があり、無事聖獣の力を得てトゥルーエンドを見ることが出来ました。

取り込んだ呪いの切り離しに成功し、黒の思念体と対峙することになったラストバトルでは、新旧Ⅶ組以外にもエステルやロイド達を含めた総勢39人から3パーティーを編成して挑むという超・総力戦でした。こんなにもパーティー編成に悩んだのは幻水シリーズ以来です…笑

 

真のラスボスを打ち倒すと、晴れてトゥルーエンド。オリビエとシェラ姐の結婚式に皆で参加するという何とも幸せなエンドロールでした。

その後の帝国や関わった人々の様子はリィンのナレーションで語られるのですが、気になる点が結構ありましたね。特に今作敵として立ちはだかり、最終的に結社に加入するという衝撃の進路を選択したセドリック皇太子は今後のシリーズ作品で執行者として登場するのか、楽しみな要素が増えました。それにしても幸せ絶頂の兄のオリビエとはすごい差だなぁ…がんばれセドリック。

 

・閃(エレボニア帝国編)の総括

4作の合計プレイ時間は約170時間でした。長かった…!!

閃シリーズは、奇数:『学院での活動を中心にキャラクター紹介も兼ねた(比較的)平和パート』、偶数:『不穏に終わった前作エンディングの続きから大きな争いに立ち向かっていくⅦ組の物語』を描いていくという流れの4作という感じでした。

今までも空FCのような寂しい空気でエンディングを迎えることも多々ありましたが、閃はシリーズ通して不穏具合が群を抜いていましたね…。物語ラストで重大な事件が起きたりメインキャラクターが死亡したり、えっここで終わり!?となるような、かなり中途半端な終わり方をしたこともありました。

私は一気にプレイしたから良かったものの、リアルタイムプレイ勢は次作発売までかなりモヤモヤとした日々を過ごしたことと思います。今になって思えば黎シリーズは2作ともすっきりと完結して終わってますが、この結末が不評だったのかな?

 

リベール事変、クロスベル事変でも壮大な話だと思いましたが、今回は更に規模が大きい!というのも思いましたね。歴史的な出来事は勿論、戦闘は1日だけとはいえ実際に世界を巻き込んだ戦争が起こっていることもあり、流石4作続いたシリーズなだけはあるなぁという印象です。

登場キャラクターの多さも壮大さを感じさせる大きな要因のひとつだと思いました。新キャラクターはもちろん旧シリーズのキャラ達も多数参戦してくれたのがファン的には嬉しかったですね!ティータやランディなんかは学院関係者として活躍してくれたのも意外性があって良かったです。

今作でオリビエとシェラ姉が結婚したり、シャーリィやセドリックが結社の執行者になっていたりと立ち位置が変わったキャラも多く、しっかりと時間が流れているんだなぁと今まで以上に感じました。現実の技術的にも閃シリーズから3Dになったことで、よりキャラクター達をリアルに感じることが出来たのも良かったですね。

ただ、ギャルゲー要素が強すぎる点は個人的には少し合わないなと感じました。対象を数人に絞るとか、零碧くらいの絆システムとかならまだ良いものの、温泉イベント等も含めてあまりにも露骨なハーレム状態でちょっと胸やけしちゃいました。

 

さて、次はいよいよシリーズ前半戦のラストである創の軌跡です。Ⅳの隠しイベントでもチラッと登場した結社の盟主が遂に出てくるようなので、結社関係の情報にも期待してプレイしたいと思います。

37.英雄伝説 閃の軌跡Ⅲ

早いものでプレイした軌跡シリーズも11作目、今回は閃シリーズ3作目の閃の軌跡Ⅲの記事です。

2023年1月14日にクリア、プレイ時間は55時間程でした。

Ⅰ、Ⅱからはステータス画面や戦闘の画面、ボタン操作等も若干変更になっていました。最初ハイスピードモードが見つからなくてかなり焦った…ボタンが変わっただけでちゃんと存在してて本当に良かったです。ゆっくりすぎて(特に戦闘)もう通常モードでは遊べなくなってるな…。

今回からはレベルもリセット。前作までで140レベルまで育てたのに、また1から鍛え直しです(笑)色んな意味で心機一転という感じがしますね。

 

・物語の舞台

Ⅶ組メンバーはそれぞれの理由で一足先に卒業し、ひとり学院に残り進級するリィン。今度こそ2年生編か…!?と思いきや、今作でのリィンの立ち位置はまさかの『教官』でした。

今作は前作エンディングから1年後、リィンはトールズ士官学院を卒業し、新たな就職先から物語はスタートします。年齢を重ね、また様々なことを経験してきたこともあってリィンは最初に比べ少し暗く、そして大人になったような印象でした。

 

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リィンの就職先は勿論トールズ士官学院…ではなく、今年から新設されたその分校である『トールズ士官学院・第Ⅱ分校』です。様々な思惑から新設された第Ⅱですが、生徒たちは主要キャラだけでなくサブキャラ達も本校に負けないくらい個性的でした。

リィンはこちらのⅦ組の担当教官として活動することになります。メンバーはクロスベル出身のユウナ、おなじみヴァンダール家のクルト、前作で敵として戦ったアルティナの3名であり、『新Ⅶ組』として活躍します。

途中で他クラスのミュゼとアッシュも合流しますが、旧Ⅶ組と比べて人数が少ない分、一人ひとりの話を丁寧に描かれていて良かったですね。特に演習でクロスベルを訪れた際のユウナの葛藤と成長のお話はかなり感動的でした。

 

第Ⅱは新設校のため当初は人員や設備も不十分であり、物語の進行と共に徐々に充実していく感じでした。演習として各地でサブクエをこなしたり自由活動日(サブクエしたり絆イベントを見る日)があったりと、話の流れは閃Ⅰと似たようなイメージです。

また、旧校舎の代わりにアインヘル小要塞と呼ばれる施設があり、徐々に難易度を上げつつこちらを攻略するイベントもありました。

 

・過去作のキャラクター

リィンの他には学生時代にお世話になったトワ会長や前作でチラッと登場したオーレリア将軍等が教官、校長として出てきました。更に零、碧シリーズのメインパーティーキャラであるランディも教官として登場。過去作キャラが主要キャラとして新たに参加してくるとやっぱりワクワクしますね!

本作は、今まで以上に過去のシリーズで活躍したキャラクターが多く登場したように思いました。

 

空の軌跡シリーズからはティータが留学生として参加しており、ティータの保護者兼遊撃士の活動としてアガットも帝国に来ておりました。オリヴァルト皇子は今回は演奏家オリビエとして戦闘にも参加していましたね。あの格好のオリビエを見るの、久しぶりだなぁ。

久しぶりといえば、ジョゼットもいましたね。初登場は任意サブクエだったのでビックリしたよ…スルーしなくてよかった。没落貴族であるジョゼット達カプア一家の元領土がトールズ第Ⅱの建てられた街・リーヴスになったという設定も聞くことが出来ました。なるほど、そう繋がるのか〜という感じでしたね。

 

第2章のクロスベルではランディと同じく零、碧シリーズのメインキャラクターであるティオが登場、戦闘にも参加してくれました!やっぱりティオすけ好きだな…。更にラストでは拘束されていたロイド、キーア、アリオスもイラストで登場しリィンやユウナにガッツポーズを向けて見送ってくれました。これは嬉しいサプライズ。

 

また、敵として結社キャラクターも多数登場しました。まず道化師カンパネルラの閃シリーズ初登場!初3Dモデルです。いつも余裕ぶっこいてるので怒ったり驚いたりする姿を沢山見れたのも良かったな〜。例の宣言も聞けたし、個人的に今作で一番嬉しかったポイントでした(^。^)

前作で活躍したクロチルダ、マクバーン、デュバリィは引き続き登場。デュバリィ以外の鉄機隊メンバーのアイネス、エンネアも専用グラフィックが付いて出てきました。みんなデザイン可愛いなぁ〜。

ランディの従姉妹であるシャーリィも今作では執行者として登場しました。マリアベルについて行った後、ナンバー持ちの執行者になったのか…流石の才能ですね。

 

旧Ⅶ組メンバーはゲストキャラとして各地(各章)で力を貸してくれます。1年ちょっとしか経ってないのに、性格も外見もみんなかなり大人っぽくなっていました。

中でもガイウスは聖杯騎士団の守護騎士になったことで一気にツワモノ感が増した気がします。旧Ⅶ組の中でも最後に登場し守護騎士入りを打ち明けるのもエンディング間近まで引っ張っていたので、彼の聖痕を初めて見たときは(ネタバレで知ってたけど)おぉ…と感動しました。黎の軌跡でパーティーメンバーの一人だったベルガルド師匠の話はこう繋がるわけね…!

 

そして、旧Ⅶ組の一人であり前作ラストで死亡してしまったはずのクロウもまさかの仮面の男として登場。ますますガンダムみが増したな。

クロウの他にも故人である結社のアリアンロードやフィーの親代わりである猟兵王・ルトガーも生きた姿で登場していますし、こちらも亡くなったはずのアリサの父親こと『黒のアルベリヒ』が黒幕である黒の工房の長として登場したりと謎は増える一方です。まぁいつものことだけど。

リィン達の頼れる先輩だったジョルジュが実は黒の工房の一員として暗躍していたことも驚きでした。良い人の正体が実は…のパターンは軌跡シリーズ通して何回も経験しているのに、今回も普通に騙されました(笑)というかシリーズ通して一体何人に騙された?もう誰も信じられん…。

すべての事情を知っているであろう鉄血宰相は今作で良い人ムーヴをしたかな?という感じだったけどやはりまだボスに君臨するようで。まだまだ底が見えませんね…。

 

次作で遂に閃シリーズも完結です。黒の工房も結社の計画も謎が多いままカルバード共和国との戦争が始まりそうですし、正直しっちゃかめっちゃかですが、一体どう収拾するのやら…楽しみです。