今回はアニメでおなじみクレヨンしんちゃんのゲーム、『炭の町のシロ』について書いていきます。クレしんの原作やアニメ、映画は昔から大好きでよく見ていたのですが、実はゲームをプレイするのは初めてだったり。
2025年2月9日にクリア、プレイ時間は18時間程で図鑑もコンプリートできました。
数カ月前にPVを見てからずっと気になっており、年末セールで安くなっていたので良い機会だと購入してプレイしました。
・あらすじ
しんのすけの父・ひろしの長期出張にあわせて野原一家全員で秋田県の【オオマガラナイ村】へやってきたところから物語はスタートします。
秋田県はひろしの故郷でもあり、このためしんのすけ父方の祖父母や叔父・せましも登場していました。一家が生活するのは村の古民家なのですが、ひろしがそこでリモートワークをしていて時代だな~と感じましたね…。
ちなみにSwitchでのクレしんゲームはこちらが2作目で、前作では母・みさえの故郷である熊本県でのお話となっています。お話の繋がりは無いので本作からのプレイでも問題ありません。
じいちゃんやばあちゃんに虫取りや釣り、畑仕事を教わりながら田舎での暮らしを満喫していたしんのすけですが、ある日飼い犬のシロが炭だらけになりながら帰ってきます。シロが走り出すのを追いかけていくと、そこには無人の廃駅とトロッコがあり、突然動き出すそのトロッコに乗り込んだしんのすけとシロが辿り着いた先には不思議な炭鉱の町が広がっていました。
・2つのステージ
家族の滞在するオオマガラナイ村と不思議な炭の町を自由に行き来して、それぞれの場所に暮らす人々と交流しながら物語を進めます。どちらも物語進行により探索できるエリアが広がっていき、ステージはそれなりに広く風景もとても綺麗なので、あちこち見て回るだけで楽しめます。
移動時はケツだけ星人モード(?)だとかなりスピーディに動けるので、基本こちらでの操作でした。情緒もなにも無いけど、しんちゃんらしくて良き。
時間はマップを切り替えることで経過していき、村では夜になるとその日の活動は終了となります。活動途中でもしんのすけが眠くなり古民家に強制送還されますが、特にデメリットは無いのでハーヴェステラの時とは違い気楽に探索できました(笑)
町の方は何故か常に夕方ですが、時間経過については村と同じ仕様です。
オオマガラナイ村では虫取りや釣り、山菜採りをしたり、農作物を育てて収穫したりしながら過ごします。村のおねえさんや地元の子供たちに収穫物を見せることで報酬を得ることも可能。建物が少なく自然に囲まれ、とてものどかな田舎という感じでとにかく癒されるマップでした。
炭の町はパッケージにも描かれているとおり、昭和レトロ溢れる雰囲気のマップです。こちらには食堂や商店街、銭湯、炭鉱採掘場、鉄塔など様々な建造物があり、材料を集めて料理を作って貰ったり温泉に浸かって情報収集をしたりもできます。
また、ミニゲームのトロッコレースでも遊べます。このトロッコレースは物語進行でも攻略必須な場面が数回あり、ラスボス戦もこのレースでした。コースが多数あったりトロッコをカスタマイズできたりとやりこみ要素満載です。
基本的に物語が大きく動くのは炭の町の方で、町で暮らす少女・スミに「町がおかしくなっていく、町を守ってほしい」と頼まれることもあり、町での活動はドラマチックな展開となっていました。
・まるで映画の世界観
私はクレヨンしんちゃんの映画がほぼ全作見るほどに大好きなのですが、本作はその笑いあり涙ありな映画の世界観をそのままゲームに落とし込んだような、とにかく雰囲気の良い素晴らしい作品でした!
難しい操作や難解なポイントも無いので子供やゲーム初心者の方でも気軽にプレイできると思いますし、物語はしっかりとメリハリのある盛り上がりを見せてくれるので、終始非常に楽しめました。
物語終盤には人を拘束してエネルギーを吸収するバイオベースのような施設が登場したりとダークな面もありましたが、ちょっぴり切ない別れの先にある前向きな結末は、とてもクレヨンしんちゃんらしくてほっこりした気持ちになりました。ラストバトルにカスカベ防衛隊のみんなが来てくれたのは胸熱展開だったな…。
炭の町については結局現実世界なのか異世界なのか、過去なのか未来なのか等何も分からず終いでした。エンディングでの風に関する台詞から恐らく地続きの世界だと私は感じましたが、考察の余地の残された余韻のある終わり方でしたね。
村では野原一家はじめ地元の人々との生活でノスタルジックな気分に、町でのしんのすけとシロによる大冒険は感動的な体験をさせてくれるので、クレしん(特に劇場版)好きな方にはもちろん、全く知らない方にもおすすめしたい作品です。
・シロの物語
最後にしんちゃんの愛犬であり相棒、作中ほぼずっと一緒に行動することになるシロについて触れたいと思います。
タイトルに炭の町の”シロ”と付いていることもあり、私は物語全編を通してシロが奔走したり、大活躍するのだろうか?と思ってプレイを開始しました。もちろん要所要所で重要な活躍はありますが特にシロに主軸が置かれているわけではなく、当然ながら主人公はしんちゃんであり、シロ要素は思ったより控えめだなというのが最初の感想でした。
ただ、クリアしてから改めて思い返すと、これは明確にシロを"もう一人の主人公"として描いているなと感じることが出来ました。
まず、シロは炭の町への導入という重要な役割を担っています。シロはしんちゃんの知らないところで本作のヒロインであるスミちゃんと出会っており、しんちゃんを炭の町へと連れてくる約束をしています。しんちゃん及びプレイヤーの知らないシロの物語がこの時点で既にスタートしているんですよね。
スミちゃんは犬であるシロと普通に会話しており、不思議な世界だからこういうこともあるかぁ…と思ってはいましたが、実はスミちゃんの正体はラスボスであるダンシャーリがかつて隠れて飼っていた黒い犬のスミだということが判明します。犬同士だから会話できていたんですね。
ダンシャーリはスミを大切にしていましたが白い犬を信仰するダンシャーリの家がスミを黙って処分してしまい、その事件がきっかけの一つとしてダンシャーリは歪んでしまうんですよね…。既に亡くなってしまっているスミですが、暴走するかつての主人を止めるために人間の姿になりシロに助けを求め、本作のしんちゃんの冒険へと繋がります。
ラストバトルでしんちゃんと絆の深い4人が必要になるという場面では、シロはスミちゃんに自分が風間くんたちカスカベ防衛隊の4人を連れてくるという提案をします。【おしりあいの石】という不思議なアイテムを使ってしんちゃんは炭の町に来ていたのですが、シロはあと4つあるこの石をしんちゃんには黙って防衛隊の4人に渡しに向かいます。【おしりあいの石】は物語序盤に登場し、ちらっとその用途を聞かされますが、結局この世界を繋ぐ重要な石を物語上で託されたのはしんちゃんではなくシロでした。
ゲームとしてはあくまでしんちゃん目線なので、突然シロがいなくなりラストバトル直前に防衛隊を連れて戻ってくるわけなのですが、ここにも大冒険があったんだろうなぁ…。
エンディングで、かつての飼い主を正して町を守るという目的を果たしたスミは光となって消えてしまいます。しんちゃんたちももちろん悲しみますが、シロの寂しそうな姿がとても印象的で…。クレしん映画ヒロイン達との関係性を思い返してみても、若干スミちゃんとしんちゃんの関わりが薄いな…?とは思っていましたが、恐らくスミちゃんはシロの物語のヒロインとしての側面も強いんじゃないかな。
"炭の町のシロ"という作品で大好きなご主人を導く存在として、そしてその行間にのみ存在する大冒険の主人公として、シロの名前を含んだこのタイトルになったのかな、と私は感じました。