のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

48.イースⅧ

今回はイースⅧです。ずっと気になっていた作品の一つで、今回ようやくプレイすることが出来ました!

2023年11月22日にクリア、プレイ時間は34時間程。

 

イースとは

軌跡シリーズと同じ日本ファルコムから発売されており、1987年に第1作を発表してから30年以上の歴史を誇るご長寿ARPGシリーズです。アクションという点は多少不安でしたが、安定の難易度選択もあり問題なく遊べました。

キャラクター造形や台詞回し、楽曲等はやはり軌跡と似た感じだな~と感じました。しかし戦闘や諸々の仕様だったり主人公の台詞がほぼ選択肢だけというドラクエタイプだったりと、システム面では違いも多くありましたね。

 

シリーズの主人公はすべてアドル・クリスティンという冒険家であり、物語は『千数百年前にアドルが綴った冒険日誌』の内容で共通しているとのこと。そのため世界線は地続きであり、各ナンバリングによって彼の年齢はまちまちです。

ナンバリング順がそのまま時系列順ということではなく、Ⅷはアドルが21歳の時のお話だそうな。ちなみに最新作のイースⅩではアドルは17歳というかなり初期頃のお話のようです。

 

・Ⅷの特徴

物語は冒険中のアドルと相棒のドギが乗っていた船・ロンバルディア号が突如巨大生物に襲われ、無人島であるセイレン島に漂流してしまうところからスタートします。

同じく流れ着いた仲間たちと協力して漂流村を作り、そこを拠点として島の調査や地図を作成しながら他に漂流した人々がいないか探索を進め、最終的に島からの脱出を目指すのが大きな流れです。

冒険の舞台が無人島ということもあり、漂流者捜索以外にも宝探しをしたり、襲来したモンスターから村を守るために全員で迎撃戦を行ったりとやるべきことは多岐に渡っていました。特に島のマッピングは冒険具と呼ばれる様々な道具を駆使して崖を登ったり泥沼の上を歩いたりしてどんどん行動範囲を広げることが出来て楽しかったです。

 

このようにしばらくはひたすら無人島の探索をするのですが、中盤あたりで未開拓だった島の北部に渡ると、そこは古代種と呼ばれる太古の昔に滅んだモンスターが多数生息する巨大廃墟のあるエリアでした。

山頂から初めて神秘的な遺跡の広がるマップを見たときはぞわっとしましたね…!流石アドルの冒険譚というだけはあり「今、大冒険をしている!」という気持ちをすごく感じながらプレイすることが出来ました。

 

その地でのダーナとの出会いを皮切りに、アドル達は自分たちの世界に迫る危機や明かされる真実に翻弄され、終盤では種の存亡を賭けた戦いに挑むことになります。謎の無人島漂流から世界を巻き込む大きな戦いになるまでの流れは違和感なくスムーズであり、寂しくも美しいエンディングまで一貫して非常に面白い作品でした。

ちなみにエンディングは3種類あり、クエスト達成率や探索率、好感度など様々な要素で上昇する『名声値』の最終値によって決定する模様。私はノーマルエンドを見た後、必死に名声値を稼いで真エンドまで到達しました。頑張って良かった…と心から思えるエンディングでしたね…。

 

・主人公と仲間たち

イースⅧはアドルと不思議な力を持つ大樹の巫女・ダーナ、2人の主人公が同じ場所でそれぞれの生きる時を冒険する作りになっています。

アドルが現代人なのに対し、ダーナはアドルたちが発見した廃墟がまだ『王都アイギス』だった大昔の時代を生きているキャラクターです。ダーナはしばらくアドルの夢の中にしか登場しませんが、3章からようやく操作可能になります。

物語の進行で二人の操作が入れ替わり交互にプレイすることになるのですが、途中からは夢を通じて二人がリンクするようになり、過去のダーナの行動によって現在のアドル一行が先に進めるようになったりします。

5章でダーナがアドル達の冒険する現代に衝撃の登場をしてからは行動を共にすることになりますが、私は今までまさか別時代のキャラクターとは思っておらず、この作りはなかなか面白い…!!と感動しました。違う時代を生きるキャラクターが一緒に冒険するRPGっていいよね。

 

アドルやダーナ以外にもキャラクターは多く、パーティーに加わって戦闘やイベントを一緒にこなすメインキャラの他にも、村で道具屋や鍛冶屋を営む漂流者やダーナの時代の人々等、多くの魅力的なサブキャラクターが登場していました。中には物語途中で亡くなってしまうキャラもおり、シリーズ通しての登場がほぼ単発なだけにこういった部分は割とシビアなのかもな…とも思ったり。

ちなみに今作一番のお気に入りはパーティーメンバーのヒュンメルです。ビジュアルや担当声優さんが好きなので前々から注目していたキャラなのですが、実際にプレイしてみたら思っていた性格と全然違っていて…良い意味で裏切られ、更に好きになりました(笑)

 

 

イースはシリーズ通してアドルの冒険という繋がりこそあるものの、一部キャラクターや世界観を除いて物語自体は作品ごとに独立しています。

そのため、過去作未プレイでも全く問題無く楽しむことが出来ました!すべての地続きの軌跡シリーズに比べて、この点はかなりプレイしやすいなぁと感じました。

軌跡が設定やら物語やらがこってりしているのに対し、イースはあっさりしたタイプのRPGという印象です。どちらにもそれぞれの良さがあり、重厚な人間関係や物語をじっくり楽しむ軌跡、爽快な戦闘ややりこみ要素と共に壮大な冒険を楽しむイース、といった感じでしょうか。

私はどちらもすごく肌に合っており楽しめたので、今後はどちらのシリーズにも注目していきたいと思います。

47.ストリートファイター6

今回はストリートファイター6です。非常に珍しく、格ゲーについての記事ですね。

ワールドツアーは2023年10月13日にクリアしました。ストーリークリアに掛かった時間は大体34時間ほど。

 

・なぜ急に格ゲー?

一言で言ってしまうと、すんごく好みのキャラクターがいたから。以上。

ちょうどPS4が故障気味ということもあり、勢いでPS5ごと購入してしまいました。まさかプレイしたことの無いシリーズ、しかもRPG以外のジャンルでのPS5デビューになろうとは…自分でもかなりびっくりしています(笑)

結果から言うと、購入して大正解でした!想像をはるかに超えるストーリーの面白さとキャラクターの良さで、現在夢中になっています。自分の直感を信じてよかった~。

 

ストリートファイターという作品自体は有名なので勿論知っていましたが、操作が難しそうだしシナリオ重視派の私には合わないかな…という理由で私は格ゲー自体にそんなに興味が無く、今までほとんど情報に触れる機会がありませんでした。

ところが、SF6発売直前の2023年5月頃でしょうか…テレビでカプコンの特番が放送されており、何気なく見ていたその番組でSF6からの新キャラクターとして紹介されていた『ジェイミー』というキャラクターを見てこう…ビビッと来たんですよね…。

まぁその時は良いキャラだな~くらいにしか思ってなかったのですが、それが何故か数ヵ月後に急に再燃してPS5購入するまでになりました。思いたってからPS5とソフト購入まで約3日程、爆発力のあるオタクの行動力はすごい。

 

・ゲームモード

SF6には大きく3つのモードがあります。

 

①FIGHTING GROUND(ファイティング グラウンド)

リュウやケンといったおなじみのキャラクターを選択してCPUと対戦できるモード。私が想像していた格ゲーのイメージはこのモードですね。

オフラインでキャラ毎のストーリーを進めたり、オンラインでランクマッチをしたりと出来ることは様々です。キャラ毎の短いストーリーが付いているアーケードモードをプレイして、予想外にキャラクターの設定や物語がしっかりとしていることにビックリしました。格ゲー舐めてた…。

 

②BATTLE HUB(バトルハブ)

後述のアバター(エディットキャラクター)を使用して、サーバーに集まる世界各国のユーザーと対戦や交流を楽しめるオンラインモードです。

トーナメント等のイベントが開催されたり多くの人とチャットを楽しんだり、カプコンの旧作アーケードゲームをプレイできる筐体が置いてあったりと賑やかで楽しい空間で、現代的だなぁと感じさせられるモードでした。まぁオフライン専門の私はほぼ利用していませんが。

 

③WORLD TOUR(ワールドツアー)

今回私が一番驚いたのがこれ。すごく楽しかった…!

アバターを作成して自らが主人公となり、SF6のキャラクター達の暮らす世界を旅するシングルプレイ専用のオープンワールドRPGモードです。

格ゲーやっても結局RPGかい!という感じですが、シナリオもすごく面白いし、各キャラクターに弟子入りする機能も良かったですね。プレゼントを渡したり闘って鍛えて貰いながら絆を上げるのですが、絆が上がるごとに色んな話をしてくれたり技を教えてくれたりします。

キャラの意外な一面を見ることが出来るのも魅力の一つで、特に普段クールだったり真面目なキャラ達にはそのギャップに驚かされました。リュウさんからのメッセージ可愛すぎでしょ…。

勿論メインはストリートファイトなので、シナリオ進行の為に多くのキャラクターと闘うことになります。レベル上げで雑魚狩りをしたり装備を整えたり街を巡ってクエストをこなしたりと、本当にRPG作品を遊んでいる気分でした。

 

物語の舞台はSFの世界『メトロシティ』。主人公は教官・ルークの元で強くなるために学んでいましたが、突如ライバル兼兄弟弟子のボシュが姿を消してしまいます。後を追っているうちにボシュが裏世界の厄介ごとに巻き込まれていることを知り…。

主人公はメトロシティを飛び出して世界中を旅しながら様々な人と出会い、様々な経験をして、強敵と闘い技を磨きながら「強さとは?」の答えを探します。

 

ストーリー内容は濃く刺激的で、とにかくめちゃくちゃ面白かったです。ファイト中も回復、強化アイテムが使用出来るので、難易度的にもちょうど良かったと思います。やたら強い冷蔵庫を除いて。

このモード用のオリジナルキャラクターであるボシュ君も良い子で可愛かったな…過酷な現実の中で主人公と絆を強めていく描写もすごく感動的でした。ただ結末が悲しすぎるので、DLCずっと待ってます…!!

 

ちなみに私のアバターはこちら。

力士リスペクトスタイル

 

・格ゲーって楽しいじゃん

格ゲーはコマンドを覚えたり多くのボタンを使ったりと操作が難しそうなイメージがずっとありました。実際ちゃんとプレイしようと思ったらこのイメージ通りで、プロの大会とか見てると操作テクニックがものすごいです。

ただ、私のようなド素人にもしっかりと救いの手が用意されておりました。それは【モダンタイプ】という簡易入力で操作出来るモードで、比較的簡単に技が出せるし普通に勝つことも出来、初心者プレイでもちゃんと格ゲーの形になるような作りになっていました。素人にはこういった心遣いが本当にありがたいですね…。

簡単な操作でも大きな技が繰り出せたりコンボが決まったりすると、自分のゲームテクニックが向上したように錯覚して気分が良くなります(笑)。グラフィックやエフェクトも綺麗だし、プレイしていて爽快感がすごい。

もちろん従来の操作方法である【クラシックタイプ】も用意されており、ユーザーは自身の好きな方を選択することが可能。操作はモダンタイプより複雑な代わりに使える技は多いようです。

 

 

正直、ワールドツアーだけで元を取れるくらいには楽しめた本作。

シナリオやキャラクターの大きな魅力に触れ、モダンタイプの助けもあって完全に格ゲーへのイメージを良い方向に変えることに成功しました。いや本当、食わず嫌いはよくないね…。

今回は偶然好みのキャラがいたというきっかけがあったからこうして素晴らしい作品に出合うことが出来ましたが、世の中にはまだ知らぬ名作が沢山あるんだろうなぁ…と感じさせられました。

46.ハーヴェステラ

今回の作品はハーヴェステラです。

2023年9月17日にストーリークリア、総プレイ時間は55時間程でした。

 

・美しい世界観

物語の舞台は四季を司る【シーズライト】と呼ばれる結晶体の恩恵によって人々が生活する世界。四季をテーマにしているだけあって、色彩豊かな世界観は非常に美しくとても魅力的です。

そんな謎の多い【シーズライト】の異変により季節の変わり目に訪れる【死季】は、作物を枯れさせたり人体にも影響を及ぼすため、人々はこの期間は出歩くことが出来ません。そんな【死季】のタイミングで行き倒れていた記憶喪失の主人公が人々に助けられ、世界に起きる異変に迫りながらも美しい世界でのスローライフを楽しむゲームです。

 

・ゲームの進行方法

ゲームを進行するためには大きく分けて2つのことを行う必要があります。

まず一つ目は、ダンジョンや街を探索してメインストーリーを進めること。異変を探るべく仲間と協力して様々なマップを冒険します。シナリオ自体も想像以上に壮大で、とても面白かったです。

メインストーリーで仲間が加入すると、その仲間のジョブを主人公がラーニングして使用可能に。多くのジョブを使い分けながら攻略して行きます。難易度選択はありませんが戦闘は割と単調なので、レベルゴリ押しで割と何とかなるような感じでした。

また、街の人からサブクエストを受注したりも出来ます。このサブクエの感じやMAP上の強敵の存在など、結構色んな部分でアナザーエデンっぽさを感じましたね。まぁ本作のプロデューサーがアナデン初代Pの高氏なので参考にしているのは確かでしょう。

 

二つ目はスローライフを楽しむこと。自宅での畑仕事、釣り、ペットの飼育などなど…出来ることは様々です。採れた食材や釣った魚を出荷してお金を貰い、そのお金で自宅の改装や装備やアイテムを揃えることが出来ます。

自宅では探索に必要なアイテムをクラフトしたり、食材を使って回復アイテムである料理を作ったりして冒険の準備も行います。結構色んなことが出来るので、冒険そっちのけでずっと畑に向かってる日もありました。

 

この世界は春〜冬それぞれの季節30日で構成されており、朝活動開始して就寝すると1日が終わるシステムです。また、季節の変わり目の1日【死季】の期間中は主人公も行動が制限されており、この日は上記の行動が取れず、未収穫の作物があった場合はみんな枯れてしまいます。悲しい…。大人しく自宅で作業するか特定のダンジョンを探索するかの2択になります。

ちなみにメインストーリーをクリアするとこの死季は無くなるので、のびのびと畑作業に勤しむことが可能に。

 

・時間の流れ

このゲームは時間の流れがとても重要になります。朝起きて行動を開始してから就寝時間までにどれだけ効率よく作業をしたり探索をしたりするかがポイントですね。ダンジョン探索や戦闘は勿論、畑仕事をするだけでも結構スタミナと時間を取られるのでバランスが大事です。

時間帯によって町の人々の生活が変わり、店も開店時間が決まっています。時間はマップを歩くたびにも経過してしまう(しかもかなりのスピード)ので、結構焦るし慣れるまでは時間を無駄にしがちです。

まだやりたいことは沢山あるのにもう深夜…なんてこともしばしば。現実世界とまるで同じですね…。

 

夜の10時を超えると能力にデバフが掛かり、更には深夜0時を過ぎてもまだ外をうろついていると主人公は睡魔に襲われ強制的に自宅へと戻されてしまいます。戦闘不能になった場合もそうですが、こうなってしまうと治療費を取られる上に翌日は昼からの行動スタートになってしまうので、かなりのタイムロス。規則正しい生活の重要性を再認識させられました。

 

・キャラクター

主人公は中性的なデザインで男性、女性、ニュートラルの3種類から選ぶことが出来ます。髪や目の色は選択することが出来ますが、私はキャラメイクはあまりこだわらないのでほぼデフォルトのまま、名前もデフォルト名のアインでプレイしました。

 

仲間キャラクターはパーティーに加入するだけで8人おり、行動は主人公含めた3人で行います。味方の2人は自動戦闘、装備も買う必要のない固定仕様なので気楽に探索メンバーを入れ替えていました。まぁ主人公とお気に入りのブラッカはずっと固定だったので実質自由枠は1枠だったけども。

キャラクターは非プレイアブルも含めみんな可愛く個性的ですごくよかったです!キャラクターにはそれぞれ個別クエストが存在するのですが、このクエストを読むことで、よりキャラの背景や成長を知る事が出来てどんどん好きになって行きました。

また、クエストを最後まで進めて親愛度をMAXにすると、クリア後に選んだ一人を人生のパートナーとして自宅に迎えることが出来ます。同性異性関係なく、更には人外のキャラクター達も選択可能です。

 

 

難易度は標準的かつ取り逃して後悔するような要素もほぼ無く、親切設計なゲームでしたね。キャラクターの造形や掘り下げも大満足で、とても楽しむことが出来ました。

強いて不満点を挙げるのであれば、やはり時間経過でしょうか?面白いシステムですが、常に時間を気にしながらプレイしなければならないところは個人的には少しだけ窮屈に感じましたかね。

ストーリーはクリアしましたが、まだまだやり込み要素が残ってるしブラッカともパートナーになったばかりなので、もう少し遊んで行きたいと思います!

45.天外魔境 第四の黙示録

今回は天外魔境シリーズのナンバリング4作目、第四の黙示録についての記事です。

2023年8月14日にクリア、プレイ時間は24時間でした。

シリーズプレイ4作目、番外編のカブキ伝から3を飛ばして4をプレイしました。なぜ3を飛ばしたのか、それはPS2でしか発売されてないからです(泣)最近このパターン多いな…。

 

・今回の舞台

今までのシリーズはコンセプトが『西洋人から観た誤った日本観』だったのに対し、今作は『日本人から観た誤った西洋』であり、冒険の舞台もジパングではなくアメリカとなっています。それにより雰囲気も今までとは随分と変わっており、従来の天外魔境らしさを残しつつも、よりファンタジーな世界観を感じることが出来ました。

 

物語は見習いハンターの主人公・雷神が師匠であるハンターのレッド・ベアとともにニューオリンズの町に訪れ、そこでとある事件に巻き込まれるところから始まります。ここからどう物語が動くのか…と構えていたらまさかの夢オチで、現在はその事件から6年の月日が流れておりました。

雷神の当時の記憶が曖昧ということもあり冒頭の出来事には触れられないまま物語は進みますが、序盤でレッド・ベアは敵にやられて亡くなってしまいます。彼の死に際に雷神は自身が火の紋章を持つ火の一族だと教えられ、そしてレッド・ベアの意思を継いで魔物ハンターとして人々を助けるために旅に出ます。

ジパングやロンドンでの冒険は割と同じような景色が続いていたのに対し、今作は寒冷地アラスカやインディアンのような民族の赤き民の村など様々な土地を渡り歩きます。まさに大冒険!という感じで、次の土地はどんなものかワクワクしながら進みました。

 

・今作の魅力と特徴

今作の目玉の一つといえるのがアニメーションです。会話パートではキャラクターの顔が画面いっぱいに表示され、更には表情パターンも多くあるため豪華声優陣の演技も相まってキャラ達の息吹を強く感じられました。

また、戦闘もアニメーションになっており、ボスは勿論ザコ敵もフルアニメーションで動きます。フロントビュー形式の良さを最大限に生かしており、大迫力の戦闘でした。

特に審判の十二使徒という敵幹部12人との戦闘はストーリーの盛り上がりやBGMの良さも含めてかなりアツかったですね。これもシリーズ恒例ですが、敵幹部のキャラの濃さが凄いんだよな…!

 

天外魔境シリーズの大きな魅力として表情豊かなキャラクター達と迫力あるアニメーションは欠かせないと思っているのですが、今作はとにかくムービー量が多く、かなり力が入っていたように思います。私は辻野芳輝さんの絵柄が大大大好きということもあり、ビジュアル面でもとても楽しむことが出来ましたね。

 

他にもシンボルエンカウントだったり時間経過で夜になったり魔法の仕様が特殊だったりと、今までの作品とは違っていた面も多数ありました。特にシリーズ恒例のエンカウント地獄から解放されたのは大きかった…難易度も高く無く、非常にプレイしやすかったです。

シリーズとしては珍しく仲間の入れ替わりが激しいという点も特徴ですかね。期間限定加入のキャラも沢山いましたし、仲間の一人を単独で操作するパートもありました。

 

・総評

様々なパロディからシリアスな話、トラウマ展開まで幅広く取り揃えられておりました。それぞれの街で起きている問題や事件は現代もよく話題に上がる差別問題やマスコミの報道問題から映画業界、AI化社会の闇など千差万別であり、時代を先取りしているテーマだなぁ…と感心しました。

 

ただ、良くも悪くも話がサクサク進むので、テンポは非常に良いけど若干無理矢理な流れも多かった印象です。一つひとつのストーリーが素晴らしいだけに、どんなに良い話でもさらっと終わってしまうのが勿体ない…もう少し余韻に浸りたかった…と感じる場面が多くありました。

あとは十二使徒の悪行の数々やキャラクターのインパクトが強すぎて、ラスボスのあっさり感も若干物足りなく感じたかな。

 

しかしまぁ相対的に見たら、かなり私の好きなタイプのRPGで嬉しかったです!こういった路線の作品があったら是非プレイしたいなぁ。

44.天外魔境 風雲カブキ伝

今回は、天外魔境シリーズの番外編であるカブキ伝について書いていきます。

2023年8月1日にクリア、プレイ時間は24時間程でした。

リンク先はサントラです。欲しい。

 

・あらすじ

このカブキ伝は天外魔境2の人気キャラ・カブキ団十郎を主人公としたシリーズの番外編立ち位置の作品です。

物語の開始は前作から1年後、カブキは京で花形歌舞伎役者として連日舞台に立っていました。ある日突然兄弟子のオロチ丸から手紙が届き、4年前にオロチ丸達が倒したはずの大門教が復活して何か企んでいるということを知らされます。ちなみに私は2→1→カブキ伝の順にプレイしたのでまさかの大門教2連戦。

当初カブキは興味なさげでしたが、大門教によって突然京都中の女が皆連れ去られてしまってから態度は一変、俄然やる気を出したカブキは(俺様の)女たちを連れ戻す!と再び戦いの旅に出ることになります。

大変なことが起きているのは事実だけどシリアスにはならない、なんともカブキらしい導入です。

ptw828.hatenablog.com

 

・派手で騒がしい世界観

流石のカブキ主人公というだけあって、世界観はやりたい放題とても賑やかです。シリアスな事情を背負ったボスでも皆ミュージカル風に歌って登場したりね…笑

歌舞伎舞台での登場から始まりラスボス戦は奈落(演劇用語で舞台下の意味だけど、場所も本当にカブキの立つ舞台の下だった)で戦い、エンディングも舞台上で締めて幕を閉じて終わる演出は、一貫していてとても良かったです!

 

足下兄弟やマントー等おなじみのキャラも多数登場して物語を盛り上げてくれます。前作と前々作のメインキャラクター達は序盤でいきなり登場してましたね。2の仲間たちは電子メールのみだけど。特にジライア、卍丸の主人公2人は作中あまり喋らなかったこともあり、ボイス付きで会話してくれたのでテンションが上がりましたね~。

イベントパートは勿論フルボイスであり、アニメーションも多く使用されていました。ウィンドウに表示されてないこれアドリブか…?という台詞も多数あって笑いましたね…というかゲームでアドリブってある!?スタッフさんも声優さんも自由だなぁ。

 

他のシリーズとの違いとして、今までフロントビューだった戦闘がサイドビューになりました。ドラクエ方式だった戦闘がFF方式になったイメージですね。

これに伴いキャラクターは画面にデフォルメ表示されるので、敵は過去シリーズのおどろおどろしい雰囲気から一気にポップな感じになっていました。非常に不気味で怖い敵キャラはシリーズの魅力だったので少し残念な気持ちもありましたが、カブキ伝の明るい雰囲気にはこちらの方があっているのかな?という感じもします。

 

・システムとか

冒険の舞台は前半はおなじみジパングですが、後半は大門教と連れ去られた女たちを追って異国ロンドンへ渡ることになります。

レベルは【段】から【Lv】に、通貨は【両】から【ポンド】へ変わるなど表記も一新され、更には今まで使用していた【巻物】も使用出来なくなり、代わりに現地のドルイド教から貰う【魔法書】で技を使うようなります。戦闘時に技の解説が無いでおなじみの天外魔境シリーズ、頑張っていろいろ覚えて来たのにまた覚えなおし…泣

 

シナリオは今までのシリーズのような不気味な雰囲気を踏襲しつつも賑やかで笑える場面あり、感動的な展開に泣ける場面ありで純粋に楽しめました。おふざけとシリアスの温度差で風邪ひくレベルです(笑)

仲間キャラクターも一新されましたが、どのキャラも個性的でよかったです。特に最初に仲間になる世阿弥は礼儀正しくイイやつで、しかも私の大好きな仮面キャラ。強力な固有技【仮面】により戦闘でも大活躍だったのでお気に入りです。残念ながら途中離脱するので物語後半は若干モチベが下がってしまった。

お話は基本一本道なので迷うことはありませんが、鬼エンカウント率に苦戦するのはシリーズ恒例。いや~今作のエンカウント地獄は個人的に今までで一番きつかったですね…。

 

 

カブキはシリーズの中でもトップクラスに好きなキャラなので主人公を務めてくれて嬉しい反面、彼は2番手3番手の方がより輝くような気持ちもありました。まぁ番外編なので今作での抜擢はピッタリっちゃピッタリではありますが。

お祭ゲー的雰囲気が強くボリュームも控えめなので、気楽に楽しめる作品でした。

43. 天外魔境 ZIRIA

今回は天外魔境シリーズの初代、天外魔境 ZIRIAについて書いて行きます。

2023年7月17日にクリア、プレイ時間は30時間前後くらいでした。

・システムとかいろいろ

昔々【マサカド】という怪物によって滅びそうになっていた世界にどこからともなく現れたお馴染み【火の一族】。彼らによってマサカドは封印されましたが訪れた平和は束の間で、今度はマサカドの復活を目論む【大門教】が現れ世界を支配しつつありました。

火の一族の少年・ジアイアはこの危機を止めるため、各地にいる残り2人の火の勇者であるツナデ、オロチ丸を仲間にしながら旅をします。大門教の幹部13人衆はあの手この手で人々を脅し騙して入信させ、マサカドを復活させる為の魂を奪っているとのこと。マサカドに封印されていた各地の神獣の封印を解いてサポートを受けながら、大門教の野望を阻止するのが大まかな流れです。

ちなみにこの大門教の"だいもん"は"デーモン"のことらしい。2でもお世話になったホテイ丸が教えてくれました。

ptw828.hatenablog.com

 

かなり単調ではありますが、シンプルかつ王道な内容かつ分かりやすい操作方法なので懐かしい気持ちになりながらプレイ出来ました。

各地で事件を解決した後はほとんどの村人たちの台詞が「ありがとうございました」系のセリフ統一になるのが地味に怖かったポイント笑

あと、この時代のRPGにはかなり珍しくBダッシュ機能やシナリオスキップ設定が搭載されている丁寧な作りとなっておりました。

もちろん2程頻度は高くないですがボイス機能も存在しており、物語の重要な場面では結構多くのキャラが喋っていました。1980年代発売とは思えない…ハドソンの技術力、やっぱりすごい。

ゲーム全体の雰囲気は、剣豪を倒して技を伝授して貰ったり、ジライアたち火の一族に協力してくれる雲切の里が各地にあったりと、同ハドソンからファミコンで発売されている桃太郎伝説を彷彿とさせるものがありましたね。

 

注意する点としてはセーブの仕方でしょうか。実はPSP天外魔境コレクションはセーブの仕方がちょっと特殊で、宿屋で普通にセーブしただけでは保存されず、ポーズメニューから「ゲームをやめる」を選択しセーブしないとデータが保存されないようです。

いわゆる中断セーブになるんですけど、ボス前だろうが戦闘中だろうが構わずセーブ、再開できる為なんだかんだでかなり便利でした。いちいちゲームを終了しなきゃならないのはかなり手間ではありますが…。

しかしまぁ、私は以前Vitaのアーカイブスでプレイした天外魔境2のロードが特殊だったこともあってスッと対応出来ましたが、何も知らない方だと故障かと思うんじゃなかろうか。

 

あとは相変わらず楽曲が良い。本作の音楽担当はなんとあの坂本龍一氏です。2の久石譲氏の時も思いましたが、こんなビッグネームに依頼するなんて気合の入れっぷりが凄いですよね…。天外魔境シリーズ、2も含めて特に不気味で不安になる系BGMのクオリティは天下一品だと思ってます。

 

・難易度:高

戦闘やマップの複雑さなど様々な点で、難易度はかなり高い部類なんだろうなぁと感じました。特に序盤〜中盤は顕著で、まず戦闘では仲間の誰か一人でもHP0になれば全滅扱いとなります。鬼畜。

お次は鬼エンカウント率&雑魚敵が強すぎる問題。次作である2でもこの点にはかなり苦戦させられたのである程度覚悟はしていたものの、やっぱり初代もすごかった(笑)レベル上げ中に全滅を繰り返すのはよくあることです。

更に、敵に負けても失うものは無かった2とは違い、今作は敗北するとしっかり所持金の半分は失われます。最初の頃は雑魚敵に負けたらリセットしてやり直していましたが、敗北頻度が高い上に先述の通りセーブ&ロードに時間が掛かるため、途中からお金のことは考えずに進む道を選びました。

しかし終盤になると一転、貰える経験値が一気に増えたり無限にお金が手に入るようになったりと色んな部分でインフレが起こり、かなり余裕がみられるように。ラスダン手前には簡単に経験値が大量に得られるバグ(なのか?)が存在しており、超難関と言われる今作のラストダンジョンである江戸城はレベルでゴリ押し出来ました…笑

 

シナリオもキャラクターもとても良かったし楽しくプレイ出来ましたが、やはりゲームバランスの調整にかなり苦戦した印象が残る本作。リアル運が絡む眠りや凍らせ系攻撃の連発でエンドレス行動不能にされてのタコ殴り敗北とかはもうどうしようも無いもんな…

それでも個人的には(中断セーブ機能の存在もあり)2よりは全然簡単だったように感じたので、天外魔境シリーズが気になっている方には是非このZIRIAからのプレイをオススメしたいですね。

42.OMORI

今回はOMORIについて書いて行きたいと思います。

2023年7月2日にクリア、プレイ時間は17時間程でした。ただ、この作品は2ルート存在しており私が今回プレイしたのは1ルートのみなので、もう一つの方もプレイするなら時間はかなり伸びるかと思います。

この作品は2020年12月25日にアメリカのインディーズゲームメーカーから発売されたホラーRPGです。私はSwitch版が配信開始したというニュースを見てはじめて知り、気になって購入しました。

調べてみると本作は様々な日本ゲームから影響を受けているそうですね。たしかに、海外製のゲームのはずが作品全体からどこか懐かしい雰囲気を感じました。

 

・システムとか

周囲を探索してアイテムを拾ったりフラグを立てながら進める分かりやすい仕様ですが、可愛らしい絵柄に反して内容はブラックな要素全開という感じです。ナイフを使って自身を刺すコマンドが存在したり、置いてあるスケッチブックには赤と黒だけで意味不明なイラストがぐちゃぐちゃに描かれていたり意味深な事を言い残してお友達が失踪したり…ふわふわとした謎の世界観と相まって割と精神崩壊しそうな内容が多いです…笑

ホラーでよくある急に怖いイラストが出てきてビックリするような要素もあるので、苦手な方は注意ですね。

 

戦闘もあり、エネミーはエンカウント式です。可愛らしい動物のようヤツもいればトラウマになるような不気味なヤツもいました。回復アイテムが尽きてうさちゃん(エネミー名)から全力で逃げたのは良い思い出。

バトルには『感情』というステータスがあるのも特徴で、にこにこ状態の時ははいらいら状態の敵に強く、いらいらはしょんぼりに強く、しょんぼりはにこにこ強いという三すくみ。お友達も敵も感情によって表情が変化するのがかわいいです。

シナリオや世界観重視の作品というイメージではありますが、戦闘にもそれなりに力が入っているように感じました。それぞれに多くのスキルが用意されていたり、一斉攻撃(しかもカットイン付き)が存在したりとなかなかの充実っぷり。本作の不思議な雰囲気をより引き立たせる良い要素になっていたと思います。

 

・世界観がすごい

ほぼ前情報を入れずにプレイ開始した本作。世界観や状況の説明が全くなく、主人公・オモリがホワイトスペースという真っ白な部屋にいる状態でスタートします。この時点で結構怖い(笑)

ホワイトスペースを出るとすごくファンシーな部屋にいるお友達のオーブリー、ケル、ヒロの3人(パーティーキャラ)と合流し、突然失踪したお友達の一人・バジルを探すために不思議な森や公園を探索しますが、その途中で急に現実世界っぽい部屋に引き戻されます。

いや現実世界って??今までのは夢の中とかそんな感じなの???とか色々考えながら進めているとまたいつの間にかホワイトスペースへ…という感じにどんどん物語が進みます。説明がとにかく全然無いせいで、理解力の低い私は訳の分からないままプレイを続けました(笑)

そんなこんなで夢と現実の世界を行き来しながら両方のステージで話を進めます。こう書くとDQ6みたいだな…。ちなみに夢の世界でパーティーキャラだったお友達たちは現実では少し成長した4年後の姿で登場。夢ではぬいぐるみが好きな可愛らしい女の子だったオーブリーは現実では不良の姿で登場し、初見時は脳がバグりました。まぁどちらでも可愛いんだけども。

 

実は主人公のオモリ(現実ではサニーという名前)は現実世界で姉のマリを誤って階段から突き落として殺してしまっており、ちょうど居合わせたバジルの提案で共にそれを自殺に見せかける隠蔽をした過去がありました。そのトラウマやみんなを騙している罪悪感からサニーはずっと引きこもり続け、現実逃避のために作り出した精神世界こそがオモリが冒険する夢世界ことヘッドスペースなんですね。

様々な真相が一気に明かされるのがかなりの終盤ということもあり、意味が分からないまま雰囲気を楽しみつつもひたすら進めている時間がかなり長かった印象です。すべてを理解した状態で2周目をプレイしたら気付く言葉の意味や伏線はきっと沢山あると思います。

 

・ルート分岐

この作品には現実世界に戻りトラウマと向き合うノーマル(サニー)ルートと、夢世界にいるまま探索を続ける引きこもり(オモリ)ルートの2通りが存在し、これは物語途中の選択肢の結果から最終的にどちらに進むかが決まるようです。私は気付いたら現実に生きるサニールートに入っており、そちらに存在するエンディング4種類を見てプレイ終了しました。

現実世界で引きこもりを続ける選択肢を選ぶとオモリルートに入れるようなのですが、かなり前まで遡らないといけないので今回のプレイでは断念。

ただ、先述したように伏線がかなり多い作品なので初めから2周するように設計されており、その結果の2ルート制なのかなぁという感じもしました。オモリルートに入らないと出会えないエネミーや探索できないマップも多数あるらしいので、次回プレイする際はオモリルートで進めたいと思います。

ちなみにオモリルートは夢世界なだけありファンタジーな世界観でやり込みや自由度も非常に高く、こちらでの冒険の方が楽しく印象に残っています。

 

かわいい絵柄でより引き立つ不気味な世界と重いストーリーが非常に魅力的ですが、フワッとした理解のまま進める期間が非常に長いので、向き不向きはあるかもしれません。自殺や鬱の描写やホラー的要素も多いしね…バッドエンドはなかなかの衝撃でした。

それでも完成度は高く、癖になる世界観に私はかなりハマりました。考察ポイントも多くあるので、再プレイ時にはその辺りにも注目して行きたいです。