今回はライブアライブについて書いていきたいと思います。
2022年8月24日に真エンディングまでクリア、プレイ時間は24時間でした。
1994年9月にSFCで発売したゲームです。その後2015年にWiiU、2016年に3DSでバーチャルコンソールにて配信、そして2022年7月22日にSwitchでリメイク版が発売されました。私は以前3DSでプレイしたこともありましたが、今回の記事はSwitchでのリメイク版になります。
このリメイク版はHD-2Dという技術が使われており、懐かしい部分は残しつつ現代の技術をふんだんに使用したとてもプレイしやすい良い仕上がりでした。
ちなみにHD-2Dとは、SFC時代のゲームを彷彿とさせるドット調のようなデザインを基調に美しい3DCGを織り交ぜるスクエニならではの手法であり、この技術によって美しい背景やマップを堪能しながらも懐かしい雰囲気を味わうことのできる実に画期的なアイデアです。現在の技術でわざわざ昔の雰囲気を真似するわけです。流石スクエニ、需要を分かってるね。
更に追加点としてキャラクターボイスがあるのですが、声のイメージがどのキャラクターも本当にピッタリで。いわゆる今どきの若手声優さんでは無くSFCを遊んだ世代の方が想像するようなベテラン声優さん中心の起用という感じで、当時の思い出を大切に作られたゲームなのだとこういった部分からも受け取ることが出来ました。
ここまで完成されたリメイクってなかなか無いのでは?と感じるレベルです。
・どんなゲーム?
ライブアライブはオムニバス形式のRPGであり、時代や場所の異なる7つのシナリオをクリアすることで8つ目のシナリオが解放、それもクリアすると全主人公が集結する最終シナリオに挑むことが出来るという形になります。
最初からある7つのシナリオは完全に独立しており攻略順は自由なので、好きなシナリオからプレイ可能。それぞれのシナリオによってシステムや難易度、ストーリーのボリュームが大幅に変わるうえにキャラデザインも皆違う漫画家さんなので、すべて別ゲームのような印象さえします。
ちなみにこのキャラデザですが、名探偵コナンの青山剛昌氏やアオイホノオの島本和彦氏等いずれも有名な方々で、当時はかなり話題になったそうな。
音楽は下村陽子氏が担当。どれも本当に素晴らしいのですが、中でも各シナリオのボス戦で流れる「メガロマニア」は神曲です。ボス戦導入の演出や曲が掛かるタイミングも合わさってめちゃくちゃかっこいいんだ…
あとはメインテーマも素敵な曲で、この楽曲は最終編の通常戦闘曲にも使用されています。アツい。
では、私がクリアした順番で各シナリオを振り返ってみようと思います。
・西部編
クリア時間:1時間程
いつも最初にプレイするのはこの西部編。ボリュームは控えめで難易度も低めですが、シンプルですごく好きなシナリオです。
主人公であるクールダンディーなおじさまガンマンのサンダウン・キッドが立ち寄った町でならず者集団を懲らしめる王道ストーリー。ならず者集団ことクレイジー・バンチはこの町の人々を困らせており、キッドと共に立ち上がった町人やキッドを狙うライバルであるマッド・ドッグと協力してクレイジー・バンチが襲来するまでに罠を張って行きます。
このシナリオのメインは罠に使えそうなものを回収し、その罠を相性の良い町人に託して設置させる行動になります。戦闘はボス戦の1回のみであり、上手く張れた罠の数だけボスと共に現れる雑魚敵が減る仕様。
ちなみにボスを倒したあとはライバルのマッドと一騎打ちがあり倒すと彼は死んでしまいますが、倒さずに逃亡することも可能。その場合はエンディングでマッドとのやりとりを追加で見ることが出来、クールながらもほのぼのとした良いオチでしたね。
・現代編
クリア時間:30分程
主人公の格闘家・高原日勝が世界最強の座を目指して各地の達人達と戦う、戦闘だけのシナリオです。
RPG的な深いストーリーは無いですが、非常に短く単純明快なシナリオなので世界観を一気に把握することが可能。勢いよく駆け抜けることが出来るので非常に気持ちいいですね。
ライバルポジションである達人達のバックボーン等はほぼ語られませんが、全員キャラが濃くてとても強く印象に残ってます。
日勝は達人達から技を受けるとそれぞれの技をラーニングすることが可能で、どんどん技を増やしてボスに挑みます。浴びせ蹴り最強。
・SF編
クリア時間:2時間30分程。
こちらは現代編と真逆で深いストーリーが特徴です。地球外生命体を輸送する宇宙船の中で心優しいエンジニア・カトゥーによって作られたロボット・キューブが主人公。
地球を目指して進む宇宙船の中で乗組員達と交流し色々なことを学んで行くキューブですが、物語が進むにつれ乗組員同士の不和が目立ちはじめ、そして遂に死人が出てしまいます。
そこから事態はどんどん悪くなり乗組員はお互いを疑い、更には輸送していた凶暴な地球外生命体であるベヒーモスも脱走してしまい…様々な危機を避けながら、無音の船内をひたすら歩き回るアドベンチャーゲームのようなシナリオです。次々に起こる展開がとにかく怖くて、美しくもスッキリとしないオチも含めて海外の映画のようなお話でした。幼少期に遊んでいたら確実にトラウマになっていたなという感じ。
…といいながら、実は全シナリオの中でも私がトップクラスに好きなシナリオだったりもします。あとカトゥーの声優さんが石田彰氏だったのは特に素晴らしい配役だなと思いました。
・近未来編
クリア時間:3時間程
こちらのシナリオはかなりRPGっぽいなという印象です。主人公のアキラは超能力を持っており、その力を使って町に平和を取り戻すストーリー。終始80年代の少年向けロボットアニメのようなお話でした。
アキラは超能力をメインに戦うので、魔法アタッカーという感じ。(近未来編のキャラデザ担当が島本先生ということもあり)物理アタッカーのようなデザインなので、最初は意外だなと思いましたね。アキラの兄貴分である無法松もとてもかっこよく良いキャラで、笑いあり涙ありの非常に楽しいシナリオでした。
また、近未来編には専用オープニングがあり歌唱はなんと影山ヒロノブ氏。ブリキ大王のアニメーションも凄かったです。気合い入ってんな〜!
・原始編
クリア時間:2時間程
とある部族の少年・ポゴが生贄にされそうになっていたところを逃げ出したライバル部族の少女・べるを助け、一度は集落を追い出されるも最終的に2つの部族が和解する…という原始版ロミオとジュリエットのようなシナリオ。こちらは生きて結ばれるハッピーエンドだけどね。
このシナリオの最大の特徴は会話が無いというところでしょうか。原始時代で言葉の概念が無いため、やりとりはジェスチャーや吹き出しに表示される喜怒哀楽アイコンで行われます。選択肢も「…」や「?」といった感じで可愛かったです。
豪華声優陣を起用しながらも台詞はワー!やウホ!といったもののみ。なんと贅沢な……
また、私はやっていませんが隠しボスやアイテム等のやり込み要素も多数ある模様。
・幕末編
クリア時間:2時間程
炎魔忍軍の忍者・おぼろ丸が密命を受けて悪の大名を倒すというお話です。ストーリーはほぼなく、謎解きや戦闘をしながらひたすら進んで城の頂上を目指します。
原始編と同じく…というか、このゲームで一番自由度、やり込み度が高いと思われるシナリオです。私が以前プレイした際に一番苦戦したのもこの幕末編だったり…笑
城に待ち受ける敵は侍やくのいち、忍者等様々ですが隠れ蓑の術を使い誰も倒さずにクリアすることも可能で、その場合は0人斬りとしてアイテムが貰えるようですね。逆に、こちらは報酬はありませんが全員倒すと100人斬りになります。
更に、頂上を目指さずに城から逃げて抜け忍となるルートもあります。炎魔忍軍の強力な追っ手をすべて倒す必要があるので難易度はかなり高め。
・功夫編
クリア時間:2時間程
私がエンディングで唯一泣いたシナリオです。それはもう大号泣でした(笑)
主人公は中国に伝わる功夫・心山拳の老師。己の寿命が近いことを悟り、継承者を探す目的で山を降りるところから物語は始まります。
やがて見つけ出した素質ある3人の若者ユン・ジョウ、レイ・クウゴ、サモ・ハッカを弟子として修行をつけるのですが、この修行回数が一番多いキャラが継承者として生き残り、他の2人は物語の中盤で戦いに巻き込まれて亡くなってしまうんですよね…泣
なぜこんな辛い選択をさせるのか…と悩んだ末に私が選んだのは野党出身の少女・レイでした。口も態度も悪いレイがどう成長するのかを見届けたかったのと、あと声優さんが好きな方だったので。
物語のクライマックスで弟子たちの仇である敵陣に乗り込む二人ですが、老師はボス直前で力尽きてしまい最終戦はレイ一人で挑むことに。最後の力を振り絞る老師と心山拳継承者として覚醒したレイによる必殺技の叫びからのボス戦への導入はめちゃくちゃ感動的で、まずはここで泣きました(笑)
そしてボス撃破後、老師が死の間際に残されたレイに掛ける言葉も本当に良くて…更にずっと老師をジジイと呼び続けたレイが最期のときだけお師匠さんと泣き叫ぶシーンには鳥肌が立ちました。老師のように、いやそれ以上にと高みを目指す心山拳師範・レイの姿を映したエンディングは悲しくも非常に素晴らしいものでした。
この章をクリアすると、シナリオ選択の画面の主人公アイコンが老師から弟子へと変わります。
・中世編
クリア時間:3時間程
7つのシナリオをすべてクリアすると出現する8つ目のシナリオです。
魔王に攫われた婚約者である姫を救出する為に旅に出る若者・オルステッドが主人公で、モンスターと戦いながら街を散策したりダンジョンを攻略したりする王道RPGのようなストーリー…だったのですが、旅の途中で友人であり仲間であるストレイボウの裏切りによって国王殺しの罪を着せられてしまいます。
他の仲間を犠牲にしながら何とかストレイボウを撃ち倒しますが、助けに来た姫は既にストレイボウの味方となっており、貴方に彼の気持ちは分からないと言い放たれて自害されてしまいます。
魔王は最初から存在はせず、友に裏切られ、仲間や婚約者を失い、国王殺しの罪のため帰る場所は無くなり、安全な場所からもてはやしていた国民達からは手のひらを返したように蔑まれ…オルステッドは、自分勝手で愚かな人間たちに復讐するために自らが魔王となる選択をしてエンディングです。
そして、オルステッド改め魔王・オディオこそが、このライブアライブというゲームのラスボスとなります。とんでもない展開だなぁ……
・最終編
クリア時間:7時間半程(+SAD ENDで30分)
中世編までのシナリオをすべてクリアすると、最終編が開放されます。今まで操作してきた8人の主人公から1人を選びそのキャラを最終的な主人公とするのですが、オルステッド(オディオ)を選ぶかそれ以外の7人を選ぶかでストーリー展開が変わります。
選択しなかった主人公達も全員登場し、オルステッド以外のキャラは3人まではパーティーメンバーとして一緒に戦ってくれます。今までの主人公達がひとつの舞台に集結する、なんとも激アツ展開ですね~!
ちなみに私は西部編のサンダウンを主人公に選び、レイ、おぼろ丸、アキラのパーティーでクリアしました。
まぁ当然オルステッド以外の主人公で進むのが正規ルートで、更には主人公全員を1度は仲間にしてからオディオを撃破すると本当の最終戦に挑むことが出来ます。主人公7人全員+正気に戻ったオルステッドで戦い勝つと真エンディング。他にも全滅するとハルマゲドンエンドになり、オルステッドにとどめを刺すとBAD ENDになったりとエンディング分岐が複数ありました。
ちなみに、クリア後30分程でオルステッド主人公のSAD ENDも見てきました。今までのシナリオのボス達を蘇らせ、ボスを操作してそれぞれの主人公を撃破、最後はオルステッド一人でたたずむなんとも寂しいエンディングです。
真エンディングを見るには全主人公を強化する必要があったので、それぞれの主人公に用意された各ダンジョンを巡り、レベル上げついでに最強武器も獲得しました。
キャラによってダンジョンの特徴が異なり、大変でしたがなかなか面白かったです。敵を倒して鍵を入手して回るおぼろ丸の鍵のダンジョンは、マップが広いこともあり一番面倒だったかな。逆にキューブの知のダンジョンはエンカウントやボス戦が無い謎解きステージだったので楽でした。謎解き自体も割と簡単だったしね。
一つ一つのシナリオは短いけど、すべてクリアして最終戦を終えた時の達成感はものすごかったです…心から名作だなと感じる1本でした。