今回はロマンシングサガ2です。
2024年8月18日にクリア、プレイ時間は30時間程でした。
もうじきリメイク版が発売になりますね。
・世代交代する主人公
物語はバレンヌ帝国の第二皇子【ジェラール】が、序盤で殺害されてしまった父・レオンの後を継ぎ皇帝となるところからスタートします。人類の敵とされる【七英雄】をすべて倒し、世界統一を成し遂げることがこの作品の大きな目標となります。
シナリオ自体は一見ありきたりに思えますが、この作品が他のゲームと大きく違い、そして本作最大の特徴といえる点が一つあります。それは、主人公が固定ではないことです。
固定ではないといっても、例えば主人公が5人おり各シナリオが用意されているようなものではなく、七英雄打倒と世界統一を目指す地続きの1つのストーリーを世代交代しながら進めていく、というものです。一見ジェラールが主人公のように思えますが、彼は始まりの主人公というだけで、一定期間が過ぎたら一気に100年程時間が経過してあっさりと次世代にバトンタッチとなるのです。
おまけに2代目以降の皇帝は、ジェラールのような固有キャラクターではなく汎用グラフィックのキャラクターになります。世代交代のタイミングで数あるクラス(職業や種族)からランダムに4人選ばれ、プレイヤーがそこから1人次代の皇帝を選ぶ形式です。唯一、ラスボスと戦うことになる【最終皇帝】だけは固有グラフィックかつプレイ開始時に性別と名前を決めることが出来るので、ちょっと特別感はありますが。
私はこの情報を一切知らなかった(というかBGMが素晴らしいこと以外は何も知らない状態だった)ので、最初は相当驚きましたね。主人公もパーティーメンバーも固有キャラでない上にポンポン世代交代していくから、一人ひとりのキャラクターに愛着が持てないんじゃ…?と思いながら進めていましたが、各世代で印象深いイベントをこなしながら自分だけの帝国史を作り上げてきたということもあり、それなりに愛着を持って遊ぶことが出来たので良かったです。
とはいえ、やはり他RPGのようにずっと同じキャラクターと冒険できるわけではないので、私がよくやってるお気に入りのキャラクターに重い愛を傾ける系の楽しみ方ではなく、数千年に渡る帝国の壮大な歴史を紡いで行く作品として非常に面白いゲームでした。
……と言いましたが、結局進めていくうちに敵サイドである七英雄にまんまとハマってしまいまして(笑)彼らの出自やそれぞれの性格、関係性などを知っていくうちに徐々に好きになっておりましたね…本作では彼らに関してはあまり多くは語られてはいないので、リメイク版に期待したいところです。
・斬新なシステムの数々
何代も世代交代して行く主人公の時点で斬新だなぁと感じる本作ですが、それ以外のシステムにも他に類を見ない斬新なものが多々ありました。
まずは一番重要な【伝承法】について。これは初代皇帝のレオンが物語冒頭で謎の魔女・オアイーブからから授かったもので、皇帝の力を次世代に継承できるという技です。メタ的にいうと前皇帝のパラメーターを次皇帝に引き継げるもので、これを繰り返すことで時代が進むにつれてどんどん皇帝の能力を上げていくことが出来ます。
継承を行うには当然現皇帝がいなくなる必要があり、この【皇帝継承】を行うには①パーティーが全滅するor②皇帝のLP(後述)が0になり完全に死亡するor③大きなイベントを達成したときに起こる100年前後の年代ジャンプが発生するの3パターンのみ。つまり、自由なタイミングで時代に継承することは出来ないのです。一度皇帝になったら死ぬまで自由の身にはなれない…これが皇帝の重みか…とか思っていましたが、今度発売のリメイクでは条件はあるものの、このあたりが解消される模様。
伝承法の他にも次世代に引き継げる要素は多数あります。色々ありすぎるので、特徴的なのをちょっとだけご紹介します。
・開発した武器や防具等の装備品(開発した装備は次世代の店に並ぶようになる。めっちゃお金が掛かるうえ、各時代に各装備1ランクしか上げられないので効率的に行う必要あり。)
・技(レベル上げではなく、キャラが戦闘中に【ひらめき】を起こすことで技を習得します。使用武器や敵の強さ等によってランダムかつ急にひらめくので、いつどの技を会得できるか未知数。ちなみにパーティー全滅での継承だと技の引継ぎは出来ないので注意。)
・陣形(様々な効果があり戦闘するうえで重要になってくるのですが、固有クラスの皇帝でないと会得出来ない等集めるのはそれなりに大変。)
・仲間にしたクラス(元々帝国軍に所属していた初期クラス以外は、物語上で解放したり助けたりすることで帝国に協力するようになる。)
・お金(皇帝なので店で売られる装備品は基本的にタダで手に入るが、皇帝なので装備や公共事業の開発にものすごいお金を取られます。)
自身やパーティーメンバーだけでなく、皇帝として国を強化したり新しい装備を開発していくのは面白く画期的だなぁと思いました。また、前時代のキャラクターはいなくなったとしても、生きた証として様々なものを残すことが出来るのは幾世代もの歴史を舞台にしている本作ならではの良さだなぁと感じます。
・こまめなセーブは基本
本作の総合難易度はかなり高いです。ただ単に敵が強いという難しさだけでなく、システムを理解せずぼーっと進めてるとあらゆる部分で詰みそうになります。
まず戦闘に関して。敵と1回エンカウントするごとに敵が少しずつ強化されます(驚愕)。エンカウントした時点で1戦闘なので、こちらが逃げても上がります。なので、逃げるを選択し続けると敵のレベルのみ上げり続けて詰みます。
シンボルエンカウントではありますが、シンボルが多く動きもトリッキーだったり早かったりするので、避けられずに戦闘突入…ということが非常によくありました。
更にLPシステムについて。生命力を表すLP(ライフポイント)は各キャラに定められており、戦闘不能になると1ずつマイナスされます。LP初期値は10前後でキャラによって様々ですが、魔術師系は若干少ないので特に扱いには気を付けましたね。元ネタは有名なあの偉人である"ソウジ"というキャラクターは、LP初期値は1だけど能力値はめちゃくちゃ高い、という元ネタに基づいた面白い設定でした。
LPが0になるとそのキャラクターは死んでしまい永久に使用できなくなるので、(一応、戦闘終了後にHPが全回復する救済措置はありますが)一回一回の戦闘にも気合いが入ります。
LPが尽きたキャラクターは何の演出もなくメニュー画面から消えてしまい、皇帝ですら割とサクッと次代皇帝の選択画面になります。SFCの容量上細かい演出が無いのは仕方ないとはいえ、彼らは長く果てしなく帝国史のほんの一部分に過ぎなかったのか…という何とも切ない気持ちになりました(T_T)
ちなみに仲間キャラも皇帝と同じく一度パーティーに入れたらLPが尽きるまでは外せない仕様なので、メンバーを変えたい時にはわざと戦闘不能にしてLPを削り、空き枠を作るという作業をする場合も。心が痛む……。
シナリオの自由度は非常に高く、序盤から多くの場所に行くことが出来てしまうのでかなり迷いやすいです。一応本拠地の城に情報をくれる人物もおりますが、どの地方から攻略するかはプレイヤーによって様々かと思います。
また、数世代後にならないと先に進まないイベントや皇帝のクラスや性別によっては発生しないイベントも多数あるので、このあたりも迷いやすいポイントなのかなと思います。
物語の要である七英雄を倒す順番も一部を除いて自由ですが、5人討伐した時点で最終皇帝に強制年代ジャンプしてしまうため、ここまでにある程度は育成や陣形会得、装備開発を済ませる必要があります(最終皇帝の時代はもう次世代が無いため、能力が弱いまま、取り漏らしがあるまま進めてしまうと詰む恐れがある)。
とんでもなく自由度が高い上に複雑で独特なシステムが多く、極めつけには取り返しのつかない要素や時限イベントが多数あるという本作。どこでもセーブが出来るので、4つのスロットをフルに利用してのプレイをおすすめします。
色々書いては来ましたが、実は私自身ややこしいシステムに関しては最終盤までふわっとした理解で、「このやり方で合ってるのか…?」と不安になりながらの緊張感溢れるプレイだったので、無事クリア出来て大満足です(笑)聞けばラスボス直前にも詰みポイントがあるようで…引っかからなくて本当に良かった。
キャラ愛が強かったり一本道系RPGを好んでいる私には相性悪いか…?と考えながらスタートしましたが、蓋を開けてみたら画期的なシステムの数々にかなりハマってしまいました。
まぁ今以上に飽きっぽく単純だった小さい頃の私がプレイしても確実に途中で投げ出していたと思うので、今このタイミングでプレイすることが出来て良かったのかな〜と思います。