前回に引き続きWAシリーズの2について書いていきます。
2023年5月27日にクリア、プレイ時間は35時間程でした。
難易度は全体的に前作より上がったように感じました。特にダンジョンの謎解きは結構苦戦するポイントが多かったかな~と思います。いや正直攻略サイトさんにはかなりお世話になった…。
・前作との繋がり
物語の舞台であり主人公たちの暮らす世界の名前は前作と同じファルガイアですが、前作とは異なる世界線とのこと。
登場するキャラも町も前作とは全く関係ない別世界のお話ですが、土台であるファルガイアという名称が共通なのはシリーズとして繋がりを感じられてファンには嬉しい要素ですよね。
他にもトニーという少年と出会うところから冒険が始まったり、仲間の女の子が焼きそば(パン)を5人前平らげたり、同名のキーアイテムが多数登場したりと、前作プレイ済みの人はニヤッと出来るセルフオマージュもいろいろありました。
システム面では癖のあるダッシュやクレストグラフでの魔法作成、アームの改造、グッズでのギミックなど基本的な部分は前作とほぼ同じ部分が多かったので、操作で悩むことはありませんでしたね。
・前作と異なる点
逆に、前作と異なっている点も多数ありました。思いついた順に以下箇条書き。
①視点を360°回転できること。
この操作をしないと見逃す扉やスイッチがあったりと、使用する頻度はそこそこ多かったです。DQ7初プレイ時もこの操作で苦戦したのを思い出した…。
②エンカウント前に「!」マークが表示されること。
通常時は白地に「!」であり、この時はXボタンを押せれば戦闘キャンセルが可能でした。雑魚戦を回避できるのはありがたい。赤字の場合は不意打ちのため、キャンセルは不可。
③アーム技や魔法はFP(フォースポイント)を消費して使用。
RPGおなじみのMPの概念が無く、代わりに通常攻撃やダメージを受けた際に上昇するFPを消費します。戦闘毎にリセットされるためMP管理をする必要が無いのはとても楽ですが、戦闘以外の道中で回復魔法を使えないのは少し不便でしたね。
④戦闘にコンティニューがある。
1回ごとに1ギミルコインというアイテムを消費するという制限はあるものの、負けたら即ロード画面だった前作と比べたらだいぶ優しい仕様になりました。結局使わなかったけど。
⑤アーム改造回数に制限がある。
お金さえあればすべてレベルMAXまで鍛え上げられた前作と違い、今作は各アーム9回までの回数制限があります。私はこれを知らずに命中率だけをばかすか上げており、物語中盤で初めて気付きました(笑)
⑥ボスの部位が存在する。
今作のボスにはほぼすべて本体、右手、左手…みたいな部位が存在します。ラスボスとかでよくあるやつ。本体を倒せばそこで終了ですが、各部位を倒してから本体にとどめを刺すことで、経験値やアイテムをドロップすることが出来るので極力部位から攻撃するようにしていました。
あと、ボスの登場時にあきらかにウルトラマンのオマージュである、黒いシルエットと赤い背景で二つ名とともに各ボスを紹介する演出が入るのですが、これが結構好きだったり…笑
システム面ではこのあたりが目立った違いかなぁという感じ?RPGでよく見かけるパーソナルスキルや、仲間キャラクター数が増えたことで新しいオリジナル技が追加されたりもしたりしてました。
・重厚なストーリー
主人公・アシュレーが新たに所属することになった平和維持活動部隊『ARMS』の活動が物語の主軸です。アシュレー達は指揮官であるアーヴィングの指示のもと、モンスター討伐やテロ対策などファルガイアの平和のために奔走し人々の信頼を勝ち取っていきます。徐々に規模の大きくなるテロリストの世界征服活動を阻止するため、仲間を増やしながら立ち向かって行くストーリーです。
前作のロディはDQタイプの喋らないタイプの主人公でしたが、今作のアシュレーはバリバリに会話します。パーティーキャラやサブキャラクター、敵幹部も多くなり物語に関わる人数が増えたため、前作以上に重厚感のあるシナリオとなっていました。
前作が王道かつシンプルで物語にのめり込むことが出来る作品だとしたら、今作は少し複雑にはなるものの、厚みが増した作品というイメージですかね。
まず、今作敵として立ち塞がるのは魔族ではなく人間ということ。主要な敵であるテロリスト『オデッサ』やアシュレーに潜む魔神の力を討とうとするカノンなどなど…敵対勢力内にも様々な思想があって、カノンは後にARMSに加入してくれたり、パーティーキャラのブラッドがオデッサのリーダーとかつて同志だったという過去があったり、オデッサ内でも仇の関係性があったりと複雑な人間関係も味があってよかったです。
さらに、このオデッサが敵として立ち塞がるのは物語中盤までであり、ARMSの活躍によりオデッサが壊滅した終盤は、異世界からの浸食を阻止する展開へと繋がる2段構えの構造でした。
ちなみに、浸食が始まるタイミングて空の色が禍々しくなり、フィールドBGMも陰鬱なものに変化します。FF6の崩壊後の世界とかもそうですが、こういう展開テンション上がるんですよね…!
また、この終盤に差し掛かる、物語が大きく動く場面でDISCの入れ替え指示があったんですよ。久しぶりに2枚組DISC文化に触れました。そしてなんと、入れ替え後にはオープニングが後半仕様に変化するといった充実ぶり!
前期OPは冒険の旅を意識した演出が強かったのに対し、後期OPでは新たな仲間を加えた上で全員が一丸となって戦う戦闘場面が強調されてる対比がとても良いなと感じました。
作品のテーマは"英雄"であり、最初こそ英雄に憧れ、求める世界が描かれているものの、物語の進行と共に主人公はじめ人々はその意味を考え直します。最終的には"英雄"という概念を否定する部分は斬新だなと感じました。
物語序盤に既にそのことを感じていた主人公の幼馴染・マリナに「英雄は世界平和の為に辛い思いをする犠牲だ」的なことを言われたときには確かになぁ、と思いました。世界を救ってくれるのは英雄なんかじゃなく私たちと同じ痛みを知る人間なんだ、と。そうだよなぁ。
・秀逸なテキスト
前作から感じていたことですが、このシリーズ印象に残る台詞の多いこと多いこと…。ささいな会話から敵に向かって投げかける決め台詞まで、いちいちグッとくるテキストが多いんです。上げ出すとキリがないですが、個人的に無印のセシリアやジェーン、2ndのブラッド(特に後半)あたりは名言製造機(?)な気がします。
また各キャラの口癖も、アシュレーの「わからない…わからないな…」やリルカの「へいき、へっちゃら!」のような独特でキャッチーなもので、これまた強く印象に残るんですよね。
そして台詞の言い回しで特にお気に入りなのが、主人公パーティーとあるキャラクターとの掛け合いです。
敵味方問わず非常に魅力的なキャラクターが多くいるWA2ですが、中でも異色を放っておりかつめちゃくちゃ印象に残るキャラクターがおりました。
それが、トカとゲーという2人組キャラクターです。オデッサの構成員である敵キャラで、コント(?)が非常~~にインパクトのある、作中何度も戦うことになるトカゲの姿をした騒がしい宇宙人です。敵ながら憎めない、前作でいうゼット様のポジションのこの2匹。
ゲーは人語を話さないのでほぼトカの一人舞台ですが、とにかくその独特の言い回しが妙に癖になるんですよね…。さらに、優しい性格のアシュレー達が容赦なく辛辣な言葉を投げかけまくるのがまたとても面白くて。冴えわたるアシュレーやリルカのツッコミには何度も爆笑してしまいました。
2作続けてプレイしてきたWAシリーズ、とても楽しかったー!想像以上にハマっちゃいました!味のある独自の雰囲気を大事にしつつも王道RPGの面白さを外していないシリーズ、という感じでしたね。
欠点があるとすれば(前にも言ったけど)やはり、現行機でプレイ出来ないということでしょうか。無印と2はVitaやPSPであればアーカイブスでプレイ可能ですが、3以降に関してはそれすらも出ていないようなので…。
私はアーカイブス勢なのでとりあえず今回のWAシリーズプレイは2作で終了になりますが、PS2をメンテナンスして機会があれば3以降も遊んでみたいなぁと思いました。