のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

54.マール王国の人形姫

今回はマール王国の人形姫についてです。

2024年6月23日にクリア、プレイ時間は11時間程でした。

8月末頃に25周年アニバーサリーコレクションが発売されるので、それに向けて既に購入していた1を今回初プレイしました。以前Switchのセール中に偶然見かけ、可愛らしい世界観とミュージカル風演出が気になって買ったんだったなぁ…。

 

・ファンシー系と思いきや…?

本作は、オレンジ村という小さな村に住む主人公・コルネットが一目惚れをした王子様を悪い魔女から救い出すというよくある少女漫画風のお話です。

コルネットは人形と話すことが出来る不思議な能力を持っています。この力を使って各地にいる人形たちと友達になり、パーティーに加えて一緒に戦っていきます。

仲間になる人形は強制加入を含め15体くらいはいるみたいで、ビジュアルも性能も個性豊かでした。また、ドラクエ5のように、倒したモンスターが起き上がり仲間になってくれることもあります。

 

絵本のようなファンタジーな世界観や柔らかい絵柄が魅力の本作ですが、悲しい出来事や鬱イベントも多数あったのでかなりビックリしました…!本筋の内容は基本的に優しい雰囲気なので、残酷な部分がスパイスとなっており良い意味で裏切られた気分でしたね。

王子救出の過程でやむを得ず犠牲にしてしまった街や人々(中には結果的に命を落とす人物も…)の存在を考え、物語最終盤で「自分だけ幸せになっても良いのか」と思い悩むコルネットには胸が痛みました。

なにかと心に引っかかっていたイベントも多かったので、そういった薄暗い部分からも目を逸らさずに、しっかり向き合ってくれていてよかったです。また、その悩みに対する王子の「罪を一緒に背負っていこう」というアンサーも感動的でした。

 

逆にコミカルなシーンもかなり多く、細かい書類を見て生命保険の契約書か!とツッコんだりハリセンで殴ったりと、こちらもファンタジーな世界観に反して俗っぽいというか、切れ味の鋭いギャグセンスで良かったです(笑)

 

・攻略難易度

戦闘システムはポポロクロイスシリーズのようなマス移動型のコマンド式。かなり簡単な部類なのでラスボス含め戦闘で苦戦することはありませんでした。

ただ、エンカウント率はかなり高めです。ひどい時だと1歩歩くたびに戦闘ということも…。鬼エンカは天外魔境で慣れたもんだと思っていましたが、本作はマス移動型戦闘なので一戦一戦がそれなりに時間が掛かるということもあり、ストレスに感じる部分もありました。

 

ダンジョン数は多くはないので、同じ場所に異なる目的で複数回来たりもします。ダンジョン内の構造はシンプルですが、シンプルすぎるがゆえに各フロアの特徴が少なく迷いやすいという欠点も。特に終盤のダンジョンでは結構迷子になりました。ここで鬼エンカが効いてくるんですよね…笑

次に進むべき場所や攻略のヒントはNPCの話から得られることが殆どなので、NPCとの会話が攻略の上で非常に重要になってきます。荒いプレイスタイルの私はヒントの少なさに積みかけたりもしましたが、話が進むとNPCの話すことが変わっていたりする細かい変化が楽しかったです。

 

・心に響く楽曲とミュージカル

本作はテキストや戦闘時にボイスはありませんが、主要キャラクターにはすべて声優が付いています。ではどこで声を聴くの?という話ですが、この作品は重要イベント時にミュージカルのようにキャラクター達が歌って踊る演出が入ることがあり、そこで声を聴くことが出来ます。

楽曲はその時のキャラクターの心情や決意を歌ったものが多く、歌詞もメロディも心地よい暖かさがあってどれも本当に素晴らしいんですよね…!コルネットの母・シェリーの子守歌やコルネットと幼馴染兼ライバルであるエトワールのデュエット等、見どころたくさんです。

ドットのキャラクター達がくるくると踊ったり笑ったりするところも非常にかわいらしかったです。中でも敵であるマージョリー一家のアホっぽいミュージカルシーンなんかは悪役なのに憎めない系のキャラクター性を強く表しており、とても表情豊かでお気に入りの楽曲です!

 

 

夢見る少女と王子様の出会いから始まり、辛い旅や悲しい過去を乗り越えて迎えるハッピーエンドという、終始本当に美しい絵本のような物語でした。

特に終盤で明らかになる、コルネットと幼い頃からずっと一緒だった相棒の人形・クルルの正体やその目的には涙が止まりませんでしたね…。

アニバーサリーコレクションで続編をプレイ出来るのが今からとても楽しみです。