今回は界の軌跡です。2024年10月20日にクリア、プレイ時間はハイスピードモードも駆使して56時間程でした。
・歴代シリーズキャラがいっぱい!
待ちに待った軌跡シリーズ最新作で、黎の軌跡Ⅱの続編です。
主人公は変わらず裏解決屋のヴァンであり、物語も前作エンディングから数カ月後スタートの完全地続きである今作ですが、タイトルは【黎Ⅲ】ではなく【界】なんですよね。
何故なのか…?と考えた時に頭に浮かぶのは、やはり歴代シリーズの主要キャラクターが今まで以上に多く登場し、物語に深く関わってくる点でしょうか。
ヴァン達が行動する同時刻、共和国内の別の場所で活躍する軌跡シリーズおなじみのキャラクター達を操作することが出来るのが今作の大きな特徴かと思います。前作でもsideA、Bに分かれての操作パートはありましたが、それ以上にがっつり各パートの物語が独立し、かつ本筋に関わっているという点では創の軌跡と近いイメージですね。
物語はヴァンと裏解決屋メンバーを主軸に、閃シリーズのリィン率いるトールズ組、そして空シリーズから久しぶりに登場したケビン神父+ルーファス率いるピクニック隊の3つの軸で進んでいきます。
序章でいきなりリィンやケビン神父が登場し、更には個人的に一番楽しみにしていた結社のカンパネルラと今作から初登場する執行者の二人の会話があったりと、シリーズファンには嬉しすぎる展開に初っ端からテンションが上がりまくりました…!
基本軸は3つに分かれているものの、色んなところで歴代キャラと裏解決屋メンバーのやりとりを沢山見ることが出来たのは、やはりシリーズファンとしては嬉しい限りですね。ただ、私のようなシリーズ愛好家には嬉しい仕様の半面、今まで以上にプレイヤーを選ぶ作品になってしまっているのも確かです。
黎シリーズから入った人はリィンやケビン達の存在や空シリーズの頃から登場する結社の計画についてなんかは何のこっちゃ状態だと思うし、逆に空や閃シリーズから飛んで界をプレイする人は裏解決屋メンバーのことや共和国の内情を全く知らない状態だし…。
一応前作、前々作のダイジェストムービーや歴代キャラクター紹介等が用意されているので過去作をプレイしていなくても遊べなくはないですが、やはり物語の解像度を上げたりやキャラクターへの愛着を持つ意味でも、過去12作品(+できれば那由他も)すべてをプレイしてから挑んでほしい作品です。
・ストーリー
今作の舞台は黎シリーズおなじみのカルバード共和国です。導力ロケットを宇宙に打ち上げるという有史以来初の試みが発表され、全世界が共和国の動向に注目を集めている状況。この宇宙進出【スターテイカー計画】にはアニエスのパパことグラムハート大統領が掲げる導力ネットの拡大や不毛地帯となりつつある大陸東部への対策という表向きの目的の裏に、何か大きな狙いがあるようで…?
また、宇宙騒ぎの裏では全世界で行方不明事件が増加したり、怪しい仮面集団が暗躍したり、前作までは大人しかった(一部除く)結社の計画進行も本格化したりと、表の世界も裏の世界も非常に慌ただしくなります。
そんな混乱の中でヴァン、リィン、ケビンを中心とする3チームが共和国でそれぞれの目的のために色んな方面から動く群像劇的な内容です。ゲームの流れとしては、今までと同じように4SPG(サブクエ)をこなしつつ情報を集め、物語を進める感じ。
ヴァンは序章でリィンやケビン達と軽く顔合わせはしますが、それ以降は基本的にこの3つのルートは最後まで交わることはありません。
結社によって乗っ取られた黑の庭城という仮想空間では全員集合しますが、現実世界では各チームが秘密裏に重大な事柄に迫っており、またそれぞれがその事実を察してか深入りした会話も少なかったです。
群像劇RPGでよく見る「1つの最終地点に各方面からアプローチして最後には協力して悪を倒そう!」みたいな分かりやすい流れではなく、最終目的がすべて異なり、中には主要キャラ同士での対立や命のやりとりすら見られたこともあってか、3つのチーム間に少し溝を感じられるのがなんか新鮮でしたね。
各チームのシナリオ中のやりとりや黑の庭城での他愛ない会話など砕けた笑いを誘うシーンも沢山ありましたが、全体的に終始シリアスが目立つ緊張感のある雰囲気だったように思います。
・結末(以下ネタバレ)
今作ではシリーズ通しての重大な事柄からキャラクターの秘密まで、非常に多くの新情報が明らかになりました。いや本当に色々ありすぎて、いまだに頭がこんがらがってる…。
結論から言うと、スターテイカー計画には当然裏があり、真の計画名【レーヴァテイン計画】の目的は宇宙に存在する【刻の至宝】を破壊することだそう。ここでやっと今回の至宝の存在が明らかになりました。
刻の至宝はおよそ1200年周期で世界をリセットするというとんでもない代物で、グラムハート大統領はその【グランドリセット】を食い止めるためにこの計画を実行しますが結果的に失敗します。どうなるんだこれ…とドキドキしていると大統領の補佐官でありヴァン、エレインの幼馴染であるキンケイドが急に独自に動き出し、グレンデル化し、そしてヴァン達とのラストバトル。
…この怒涛の展開に啞然としすぎて正直ラストバトルの記憶がほとんど無いです(笑)
ボスの腹心が最後に裏切る(今回は裏切りではないけど)展開はよくあるし、PVに出ていた白いグレンデルも来てないな~なんて思ってもいましたが、まさかその正体かつラスボスがキンケイドとは全く予想してなかった!!!
キンケイドはヒロインであるアニエスやハミルトン博士と通じ、計画が失敗した際の"保険"として、大統領にも秘密で動いていました。この保険はアニエスを犠牲に行われるものらしいので、アニエスを守るために一人の父としてレーヴァテイン計画を進めてきた大統領にはそりゃ言えないよね。
当然アニエスも裏解決屋メンバーにこのことを秘密にしており、止める仲間達を無視して事を進めます。ヴァンが一人で問題を抱え込むことにはあんなに怒っていたのに……。
アニエスは女神のような姿になり、グランドリセットの実行と共に力を発動。人々は光に包まれ、何が何やら分からないままエンディング。
黎2作はスッキリとした終わり方だったので、軌跡名物えっここで終わり!?なエンディングはヴァンが主人公になってからは今作が初めてだったりします。そして次作がヴァンが主人公の最後のシリーズだということも明記されていました。
アニエスはどういう存在になったのか、人々に一体何をしたのか、世界はリセットされたのか、そもそも次作はどういう状態からスタートするのか…すべてが謎に包まれたまま界の軌跡は終わりました。
アニエスの力で人々は保存されていた?ような感じだけど、リセットも行われたっぽいし…?メタ的にもキャラクターは続投だからヴァン達は登場するとして、記憶は保持しているのか?同じ登場人物で、もう一度同じ歴史を辿るのか??だとすると、このタイミングで空の軌跡リメイクが来ることにも意味があるのかとかも色々考えてしまいます。
いずれにせよ、次回作が待ち遠しすぎる終わり方ですが真実を知れるのは何年先になるのやら…。とりあえず、やり込み要素が控えめだった黑の庭城と合わせて本作のアップデートに期待です。