のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

26.FINAL FANTASY X

今回はファイナルファンタジー10について書いていきます。

Switchで発売されたリマスター版をプレイしました。10と続編の10-2の2作が収録されておりますが、今回プレイしたのは10のみ。10-2はそのうちプレイしようと思っています。

2022年8月5日にクリア、やりこみ要素等はせずプレイ時間は45時間程でした。

 

8月にファイナルファンタジーのオーケストラコンサートがあるので、それに向けて未クリアのナンバリングを出来る限りプレイしよう!と思い、本作をプレイすることに。FF10は以前NHKで放送していた全ファイナルファンタジー大投票で1位だったり周囲に聞いても大体オススメされることもあり、いつか絶対にちゃんとプレイしようとセール期間中にSwitchにダウンロードしていたので、サクッとプレイを開始できましたね。

ちなみにこのFF10、実は過去にプレイしたことはあるものの、かなり昔の事かつクリアまでは至っていなかったのでほぼ初プレイのような気持ちで挑みました。

 

・あらすじ

ザナルカンドに住む主人公・ティーダブリッツボールのスター選手なのですが、試合の当日に巨大な魔物の襲来によって知らない場所に飛ばされてしまいます。発達した機械都市ザナルカンドとはまるで雰囲気の違うその世界はスピラと呼ばれており、ティーダのいたはずのザナルカンドは1000年前に滅びていると教えられます。ティーダは自分がザナルカンドから来た事を伏せて情報を集めますが、その中でスピラの人々は倒しては復活を繰り返す『シン』と呼ばれる魔物の脅威におびえて過ごしていること、自分はそのシンによってスピラに飛ばされたこと、そしてシンを倒すには召喚士の力が必要だということ等を知っていきます。

召喚士であるヒロイン・ユウナのガード(護衛みたいなもの)としてシンを倒すための冒険に同行する中で、現在のシンの正体は行方不明になっている自身の父親・ジェクトだということやジェクトもまたかつてガードとして召喚士であるユウナの父親の旅に同行していた事実を教えられ、またシンを倒すには召喚士の命を犠牲にする必要があるということにショックを受けながらも自分なりの答えを見出し進んでいくストーリーです。

 

・キャラクター達の思想の違い

ティーダは素直で良い子ですがチャラチャラした外見かつ喋り方も今どきの若者のような口調であり、これまでのFF1~9主人公には同じタイプのいないようなかなり現代的なタイプの主人公だなぁという印象でした。そのため、ファンタジー色の強いスピラの世界観や他のキャラクターの中では浮いてしまうのでは?と思っていたのですが、実際にプレイするとその現代的な雰囲気がいい意味で作用しているなぁと感じました。

中でも強く感じたのが、封鎖的な文化に真っ向から異を唱えられること。スピラは召喚士を互助するエボン教という宗教が広く深く信仰されており、スピラ在住の仲間たちも皆その教えに従って生きています。召喚士の命に代えてシンを討伐することや1000年前に栄えた機械の使用を禁じること(シンは機械に頼り驕り高ぶった人類への罰と考えているため)等、それってどうなの?と思うようなことも皆ナチュラルに受け入れており、常識として浸透しています。

 

命を落とすことになる召喚士の旅を続けるユウナに面と向かって辞めちゃえよ、と言える図太さ。そして旅は辞めないという決意を聞いた後は犠牲を出さない方法を探そうとする前向きな思想は、メタ的に言えば主人公脳という感じですが、それ以前に異世界から来てエボンという宗教に染まっていないから言えることでもあるのかなぁと。

ユウナの兄姉のような存在であるワッカとルールーはユウナの旅を最初は止めてはいたようですが、最終的には本人の意思を尊重し受け入れてガードとして同行しています。ユウナが助かる方法を探そうという考えには至っていない模様。

仲間の中で唯一ティーダと一緒になってユウナを犠牲にしない方法を考えていたのはエボンに反する一族であるアルベド族のリュックだけでした。ティーダとリュックはパーティーの中で年少かつエボンを信仰していないという共通点があり、この自由で純粋な少年少女の思想、行動が頭の固い大人たちと停滞を望む世界の常識を無理やり覆して行くのです。こういった展開はありがちではありますが、やっぱり面白いものですね。

 

でもまぁ生まれてからずっとシンという未知の脅威を目前に生きる人々が唯一の救いとされている召喚士とその宗教であるエボンにすがるのはすごく分かるし、実際の歴史でもこんな感じだったんだろうなぁと考えさせられます。(エボンによる抑圧のせいで)大した文明も持ってないし、そりゃ怖いよね。

キャラクターの飾り気の無い会話や口調など些細な部分もそうですが、このゲームは妙にリアルだなぁと感じる部分がやたらと多いです。FF10、人間を表現するのがうまい。

 

あと、個人的にユウナの喋り方が好きでした。
声優初挑戦という青木まゆこ氏の純朴な演技がユウナの素直で飾り気のない可愛らしさにマッチしていてとても良かったです。

 

・攻略難易度

ストーリーは基本一本道で、終盤までは後戻り出来る場所が限られていたりと自由度は低いように感じます。最初期から目的のある先を急ぐ旅だからかサブクエストもほとんど無く、全体的に暗く重いシリアスな世界観でした。

育成面について。FF10は他のRPGでよく目にするレベルの概念がありません。なので、各キャラの能力値は敵を倒したら貰えるポイント(AP)でスフィア盤と呼ばれるボードを進めてマスを解放し、HPや防御力等のステータスを上げたり新たな技を習得していく…という感じになります。スフィア盤のマスをどういうルートで進めるのかはプレイヤー次第。ストーリーとは違い育成は自由度の高いものでした。私はよくわからなかったので適当に解放してたけど。

また、装備品も能力の優劣が無く、武器に攻撃力、防具に防御力…といった概念が存在しません。装備品は加工することによって、攻撃時に敵を睡眠状態にしたり石化を防止したりと様々な効果を付加することが可能です。

 

戦闘面について。バトル中でも自由に仲間を入れ替えることが可能なので、色んな戦術を試すことが出来ました。ユウナの固有コマンドである『召喚』では、後述の寺院での試練をこなすことで入手した召喚獣を戦闘に呼び戦わせることが出来ます。召喚獣のステータスはユウナの成長と比例して上がっていきますが、道具で技を覚えさせたり能力値を上げることも可能。ポケモンみたいな感じですね。

召喚シーンはド迫力かつデザインもカッコよく、そしてかなり強いので頻繁に使ってました。なので長めな召喚演出を短縮できる機能はありがたかった(笑)

 

スフィア盤解放を適当にやっていたからか、ボスはもちろん雑魚敵も結構強くて苦戦する場面が多かったかな。中でも印象に残っているのは強敵ボス・エフレイエからの鉄騎63型による回し蹴りです。

エフレイエ戦は飛空艇上でのバトルということで、場所を活かしたギミックで飛空艇ごと敵に近づいたり離れたりしながら戦うのですが、これがなかなかしんどくて…!

何回もやり直して時間を掛けてやっと倒して先に進みましたがそこにセーブポイントはありません。次に待ち受ける雑魚敵5連戦、雑魚にしては攻撃力高いわ全体攻撃はあるわだけどまぁ冷静に対処すれば大丈夫かな…と思っていたら鉄騎63型の回し蹴りを喰らい戦闘から強制退場→全滅コース。またあの忌まわしいエフレイエからやり直し。ここが一番の心折れポイントでした(笑)

よく見ると敵の解説文に「最後の一匹になると回し蹴りを放ってくる」的なことは書かれていましたが、戦闘強制退場とかそんな凶悪技とは思わないじゃん…同じ罠に引っかかった人、結構いると思います。

ラスボスであるブラスカの究極召喚ことティーダの父親・ジェクトにも結構苦戦しましたね。戦闘前にかなり感動的な親子の再会ムービーが入るのですが、何回も見るハメになり最終的に感動がだいぶ薄れてしまったのは勿体なかった…笑

 

そして、FF10個人的な一番の苦戦ポイント・寺院について。

召喚士はスピラ各地にある寺院を巡り、シンに挑むために力を付けます。それが先程書いた召喚獣の獲得なのですが、召喚獣の待つ祈り子の間に行くまでに突破しなければならない試練の間がものすご〜〜〜く面倒くさくて……

雑魚敵は出現せずボス戦もほぼ無いのですが、パズルのような仕掛け(これが結構難しい)を解きながら同じ場所を行ったり来たりする作業はなかなかの苦行でした。

 

いくつか苦戦ポイントはあるものの、基本的には難しすぎるということは無いので是非色々な方にFF10の不気味で美しい世界観、そして寂しくも感動的なストーリーに触れて欲しいなと思います。