のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

38.英雄伝説 閃の軌跡Ⅳ

今回は閃シリーズのラスト、閃の軌跡Ⅳについて書いていきます。

2023年2月19日にクリア、プレイ時間は52時間でした。

 

・主人公不在の序盤

本作の物語は空シリーズのエステル、ヨシュア、レンと零・碧シリーズのロイド、エリィ、キーアが帝国の動きを探るため、協力してクロスベルのオルキスタワーを攻略するところからスタートします。いきなり過去シリーズの主人公組のタッグは胸アツですね~!リィンやⅦ組メンバーの現状は不明なまま、ひたすらこの6人(キーアは非戦闘員なので実際は5人)を操作して進めていきます。ロイド以外はここが3Dモデルの初お披露目ですね。

暴走する帝国をリベール組やクロスベル組の視点から見ることができたり、後述のリィンのこともあり、今作はかなり群像劇の色合いが強いなぁという印象でした。

 

序章中盤からは閃メンバーの話にチェンジしますが、主人公のリィンは不在であり彼以外の新旧Ⅶ組視点で話が始まります。

リィンはというと、前作エンディングで暴走し鉄血宰相サイドに囚われている状態。鉄血宰相が目論む世界を終焉に向かわせる《巨イナル黄昏》の発動条件の一つとして、仲間のミリアムが命を落としてしまったことをきっかけに贄として暴走。皮肉なことにその暴走が黄昏の引き金を引いてしまいました。

そんなわけで、しばらくはリィンではなく新Ⅶを中心に話が進みます。閃シリーズ4作目にして初の主人公長期離脱。新Ⅶ組を中心に、エマやクロチルダの故郷である魔女の隠れ里・エリンを拠点として、転移石で各地にワープしながらリィンを探すのが第1部のお話です。

リィンに教えられた戦術や考え方を確かに受け継ぎながら、落ち込む旧Ⅶ組メンバーを再び奮い立たせようとする新Ⅶ組の生徒たち。すごく成長したなぁ…と感じさせられましたね。

 

ptw828.hatenablog.com

 

・Ⅶ組の目指す第三の道

新旧Ⅶ組の必死の行動によって無事リィンは贄としての暴走を乗り越えることが出来ましたが、彼が捉えられている間に帝国はどうなっていたかというと、黄昏による強力な呪いが蔓延している状態。呪いによる因果律制御によって人々は精神汚染され好戦的になったり反戦の動きをしても掻き消されてしまったりしており、開戦に向けてハチャメチャになってました。

この因果律制御ってのがとんでもなく、ミリアムが死亡したのもリィンが暴走したのもハーメルの悲劇も…というか終焉に向かうために必要な事象はすべてこの呪いによるものだそうな。

 

…このあたりで問題の規模が大きくなりすぎて、Ⅶ組は一体何のために戦ってるんだっけ?と頭がこんがらがり始めました(笑)

簡単にまとめると、エレボニア帝国は古から続く呪いによって在り方が歪められており、その呪いの力が強まれば強まるほど抗えない強制力のせいで人々は終焉に向けた行動を取ってしまうと。そして始まった黄昏の強い呪いによってまずはカルバード共和国への侵攻作戦を開始することになった帝国。

闘争心を強める呪いの力や帝国の元々の膨大な武力・戦力に加えて国家総動員法で一般市民からも徴兵を行った結果、帝国の無双状態になることは目に見えていました。そしてこの戦争で帝国が大国である共和国に勝利してしまうと、そこからゼムリア大陸全土を制圧し呪いが蔓延、そしてやがて世界を終わらせる…というのが鉄血宰相の目的だと。

それに対抗する作戦として、帝国以外の諸外国を巻き込んだ連合軍の《千の陽炎》が走り出すも、この作戦は莫大な犠牲者が出るとしてリィン達Ⅶ組をはじめ遊撃士協会のエステル達、特務支援課のロイド達も反対。

共和国との戦争まで秒読みの僅かな時間の中で、協力者たちと連携しながら戦争を止める…そして原因である黄昏の呪いを何とかする方法を、軍や政府とは違う"第三の道"として探すことをⅦ組の大方針として動くことになる…ということだったと思います(あんまり自信は無い)。

 

・騎神と至宝

リィン達が行動を起こす中で鍵を握るのが、七体の騎神同士で戦い最後に残った一体がすべての騎神の力を得ることが出来る相克ことスーパーロボット大戦です。蟲毒みたいなもん。

ちなみにクロウ生存の謎は、騎神の一体であるオルディーネと繋がっていたことにより一度亡くなったはずなのに"不死者として"蘇生した…という感じでした。なんでもアリだなぁと思いつつも騎神に感謝です。推しの生存大事!

死んだはずの結社のアリアンロードや西風の旅団の団長が生存していた謎もここにありましたが、闘争で負けた不死者は消滅する定めであり、リィンに敗れた二人は相克の果てに消えてしまいます。それぞれの関係者である結社のデュバリィやフィーとの最期の会話は非常に泣けました…。

クロウについてはリィンの必死の呼びかけや中途半端な形で相克が行われたことで生存できておりましたが、すべての戦いが終わり騎神の力が失われたら消滅してしまうことは確定していました。本人もこれはボーナスステージだと理解しておりましたが、トゥルーエンドでは黄昏の呪いから解放されたアルベリヒや騎神の最後の力によって完全に蘇生、同じく犠牲となったミリアムとともに完全復活することに。ご都合主義万歳、推しの生存大事!(2回目)

 

そしてもう一つ、途中まで存在を忘れてたけど軌跡シリーズおなじみの七の至宝について。空シリーズでは空の至宝が空中都市リベル=アークを、零碧シリーズでは幻の至宝がキーアの元である神を生み出しましたが、帝国にはうち焔と大地の二つが存在しており、これらが融合してできたのがこの七体の騎神だそうな。そういえば、黎シリーズはまだ至宝については触れられてないけどゲネシスには時の至宝が関係してるんだろうな~と思ってみたり。

あとこれも書きながら思ったことだけど、Ⅶ組や七耀教会、七柱の蛇の使徒などシリーズ通して7という数字に強いこだわりを感じますね。何かあるのかな…?

 

・ラスボス・鉄血宰相の正体

空の軌跡時代から悪役としての印象を植え付けられ続けてきた鉄血宰相ことギリアス・オズボーンですが、閃のストーリーを進める中で善人だった昔の姿にも多く触れることになります。RPGボスあるあるですね。

特に息子であるリィンとの過去の場面ではとても良い父親であり、どうしてこうなった感が非常に強いキャラクターでした。まぁ想像通り鉄血宰相は体を乗っ取られているような状態であり、さんざん引っ張られたその正体はトールズの創設者であり帝国の歴史を作ったともいえるドライケルス大帝の転生体でした。

英雄と謡われていたドライケルス大帝ですが、実は黄昏の呪いそのものである黒の騎神に取り憑かれており、その時代では抑えられていた呪いはそのままオズボーンへと引き継がれてしまいます。オズボーンも当初は抑えられていましたが、呪いの影響で起こった事件で息子であるリィンが瀕死の重症を負ったとき、その命を救うために黒の騎神と契約をして自らの心臓を息子に与え、自身は不死者となり今のような鉄血宰相になったと…息子への想いが結果的に鉄血宰相という化物を生み出してしまったというのは何とも悲しいお話です。

 

・エンディング分岐

既に不死者となっていたオズボーンはリィンとの最後の相克の末に消滅し、黒の騎神の力ごと黄昏の呪いそのものを取り込んだリィン。しかし、強大すぎる呪いを抑えることが出来ないと悟ったリィンはクロウ、ミリアムとともに大気圏外へ飛んで行きます。そのまま呪いごと自身を消滅させてエンディング。

いやいやバットエンドすぎでは!?と思ったのですが1周目は問答無用でこのノーマルエンドになるようで、トゥルーエンドを迎えるには聖獣関係のサブクエをこなしたうえでもう1度エンディングを見ないといけません。実は私はこの期間限定サブクエをスルーしてたのですが…ちゃんと救済措置があり、無事聖獣の力を得てトゥルーエンドを見ることが出来ました。

取り込んだ呪いの切り離しに成功し、黒の思念体と対峙することになったラストバトルでは、新旧Ⅶ組以外にもエステルやロイド達を含めた総勢39人から3パーティーを編成して挑むという超・総力戦でした。こんなにもパーティー編成に悩んだのは幻水シリーズ以来です…笑

 

真のラスボスを打ち倒すと、晴れてトゥルーエンド。オリビエとシェラ姐の結婚式に皆で参加するという何とも幸せなエンドロールでした。

その後の帝国や関わった人々の様子はリィンのナレーションで語られるのですが、気になる点が結構ありましたね。特に今作敵として立ちはだかり、最終的に結社に加入するという衝撃の進路を選択したセドリック皇太子は今後のシリーズ作品で執行者として登場するのか、楽しみな要素が増えました。それにしても幸せ絶頂の兄のオリビエとはすごい差だなぁ…がんばれセドリック。

 

・閃(エレボニア帝国編)の総括

4作の合計プレイ時間は約170時間でした。長かった…!!

閃シリーズは、奇数:『学院での活動を中心にキャラクター紹介も兼ねた(比較的)平和パート』、偶数:『不穏に終わった前作エンディングの続きから大きな争いに立ち向かっていくⅦ組の物語』を描いていくという流れの4作という感じでした。

今までも空FCのような寂しい空気でエンディングを迎えることも多々ありましたが、閃はシリーズ通して不穏具合が群を抜いていましたね…。物語ラストで重大な事件が起きたりメインキャラクターが死亡したり、えっここで終わり!?となるような、かなり中途半端な終わり方をしたこともありました。

私は一気にプレイしたから良かったものの、リアルタイムプレイ勢は次作発売までかなりモヤモヤとした日々を過ごしたことと思います。今になって思えば黎シリーズは2作ともすっきりと完結して終わってますが、この結末が不評だったのかな?

 

リベール事変、クロスベル事変でも壮大な話だと思いましたが、今回は更に規模が大きい!というのも思いましたね。歴史的な出来事は勿論、戦闘は1日だけとはいえ実際に世界を巻き込んだ戦争が起こっていることもあり、流石4作続いたシリーズなだけはあるなぁという印象です。

登場キャラクターの多さも壮大さを感じさせる大きな要因のひとつだと思いました。新キャラクターはもちろん旧シリーズのキャラ達も多数参戦してくれたのがファン的には嬉しかったですね!ティータやランディなんかは学院関係者として活躍してくれたのも意外性があって良かったです。

今作でオリビエとシェラ姉が結婚したり、シャーリィやセドリックが結社の執行者になっていたりと立ち位置が変わったキャラも多く、しっかりと時間が流れているんだなぁと今まで以上に感じました。現実の技術的にも閃シリーズから3Dになったことで、よりキャラクター達をリアルに感じることが出来たのも良かったですね。

ただ、ギャルゲー要素が強すぎる点は個人的には少し合わないなと感じました。対象を数人に絞るとか、零碧くらいの絆システムとかならまだ良いものの、温泉イベント等も含めてあまりにも露骨なハーレム状態でちょっと胸やけしちゃいました。

 

さて、次はいよいよシリーズ前半戦のラストである創の軌跡です。Ⅳの隠しイベントでもチラッと登場した結社の盟主が遂に出てくるようなので、結社関係の情報にも期待してプレイしたいと思います。