のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

40.ワイルドアームズ

今回はワイルドアームズについて書いていきます。2023年5月2日にクリア、プレイ時間は29時間程です。

オリジナルはPSですが、私はVitaでアーカイブスを購入してプレイしました。

WAはよく話題を聞いてきたしフォロワーさんにも好きな方の多い作品ですが、幸いなことにネタバレは全く知らない状態でスタート出来ました。

 

・想定外のファンタジー

冒険の舞台は、主人公たちの暮らすファルガイアという荒廃の進んだ世界。そこの侵略を目論む魔族との闘いが本作の大筋です。かつて滅ぼされた王国の生き残りの戦士や襲撃された国の公女が仲間だったり、大昔の戦いで封印された巨人を復活させたり…と、シナリオから設定までかなりの王道ファンタジーっぷり。

作品の知識が無さすぎて、ロマン溢れる若者が夢と希望を胸に荒野を旅するハードボイルド西部劇的なゲームかな…?という勝手なイメージを抱いてプレイスタートしたので、想像以上のファンタジー色に驚きましたね。これは嬉しい誤算。

序盤でRPGお馴染みのいわゆる村(国ですが)焼きがあり、大きな事件を経てガラリと雰囲気が変わる点があるのですが、私はここで一気に引き込まれました。メインキャラクター3人がそれぞれの想いを胸に長い旅を決意するシーンが熱すぎたし、更にここでオープニングクレジットを持ってくる演出も最高に盛り上がったなぁ。

ストーリーのテンポも纏まりも非常に良く、今RPGをプレイしてる!!と強く感じることのできる熱い展開の連続で、始まりからエンディングまでとても私好みの作品でした。

 

・楽曲が素晴らしい

まずオープニングが良すぎる。私はゲーム音楽が好きなのでこのOP楽曲自体は知っており、始まった瞬間すぐにこの曲知ってる〜好きな曲だ!となりました。

この世界では旅人のことを渡り鳥と呼ぶのですが(この名称めちゃくちゃ好き)、ひたすら荒野を旅する渡り鳥の雰囲気をとても感じることが出来ます。歌詞も無いですし登場キャラクターも多くなく割とシンプルな作りですが、今から始まる壮大な荒野の旅を期待させる、非常にワクワクと心踊るオープニングアニメでした。あと、単純に絵柄が好み。

それと、タイトル画面で放置すると本編から数年前のそこそこ重要な(しかも結構長い)ムービーが流れます。私はこれに全く気付いておらず、教えて貰うまで完全にスルーしてました…危なかった(笑)

 

オープニング曲以外の楽曲も、最初の村から戦闘まで神曲だらけでした。特に多く聞くことになるフィールド曲は、広大な荒野をイメージさせる勇ましいながらどこか寂しいようなメロディがとても心地よくてお気に入りです。

あとは色んな場所で口笛が使われているも良いんですよね…先ほど結構ファンタジー感が強いとは言いましたが、それでもワイルドアームズという作品を象徴するであろう荒野の旅の雰囲気とその独特の世界観は忠実に守られて統一されているなぁと感じました。

 

・システムのこととか

攻略難易度は高くはなく、全体的に親切設計だなと感じました。

建物に入る時シームレスだったり、戦闘中でも装備を変更出来たり、装備を買うとき既に同じものを持っている場合は本当に買うのかを確認してくれたりと、痒いところに手の届いたような作りで非常にプレイしやすかったです。

あと、この時代の作品だからボス前にセーブポイントがあるか無いか微妙なところで、さぁどっちだ…!?と身構えてプレイしてましたが、無事にある仕様でした。優しい。

 

戦闘に関しては昔のゲームなので、今のゲームに比べるとやはり若干のテンポの悪さはありますが、まぁ許容範囲内でしょう。他に気になったのはダッシュに癖があることくらい?勢いをつけて走るタイプのダッシュなので、しばらくは慣れずに色んな所にぶつかりまくってました(笑)

 

独特な要素としては、メインキャラクター3人が持つグッズによる固有ギミックでしょうか。グッズはそれぞれ何個かずつ持っており、使用したいグッズを持つキャラを先頭してそのグッズを選択することで使用が可能です。

バクダンでダンジョン攻略時に障害物を爆破したり、動物と会話できるようになるマジックスタッフで街の動物から情報収集をしたりと用途は様々ですが、これが結構面白い。3人がバラバラのルートを各ギミックを使って謎解きをしながら進むダンジョンもありました。

 

・キャラクターについて

メインパーティーは天涯孤独の渡り鳥の少年・ロディ、絶対たる力を求めて旅する渡り鳥・ザック、アーデルハイド公国の公女でありガーディアンの巫女・セシリアの3人で、冒険はそれぞれ違う場所から始まります。立場も生い立ちも異なるキャラ達ですが、ひょんなことから行動を共にすることになり、そのまま序盤で3人パーティーが完成します。

ロディはドラクエパターンの主人公なので台詞はありませんが、ザックとセシリア、そしてザックの相棒のネズミ・ハンペンは冒険中よく会話してくれるので、キャラクターは掴みやすかったです。

また、メインが3人だけということもあり、それぞれ乗り越えるべき過去や葛藤、冒険を経ての成長等がとても良く描かれていたし、しっかりと全員が冒険に関われていたなと思いました。私はパーティーキャラが多い方が嬉しいタイプなのですが、30時間前後の長さのRPGで一人ひとりにフォーカスするという意味ではこのくらいがベストなのかもしれませんね。

 

攻撃にも個性が出ており、三者三様といった感じ。

ロディは剣とアームと呼ばれる銃器を使用して戦います。特にアームが強力で、道中の雑魚戦は通常攻撃、ボス戦ではアームをバンバン使う戦法でした。

アームは街の工房で強化が出来るので、割と優先してやってましたね。攻撃力や命中率を上げたり、弾のストック数を上げたりとお金は掛かりますが、カスタマイズが楽しかったです。

ザックは『早撃ち』というスキルを使用します。調べたら、居合いのような剣術っぽいですね。冒険中のハプニングや色んな出来事から新たな技のヒントを得て、どんどん習得していきます。MPを消費する早撃ちはもちろん通常攻撃も非常に強力な戦士タイプなので、パーティーの中で一番使いやすい印象でした。

セシリアは典型的な魔法使いタイプですね。他2人が魔法を使えない分、攻撃も補助も回復もすべての魔法を使いこなします。攻撃力を倍にするハイパーをかけたザックが早撃ちを使うとカンストダメージも結構叩き出せるので、よく使ってました。

ちなみに本作では魔法はレベルアップで覚えるのではなく、街やダンジョンで拾えるクレストグラフというアイテムをギルドに持っていって、好きな効果をここに書き込んでもらい使用出来るようになります。使わない魔法は別の魔法に書き換えたり、名前を自由につけられたりと自由度は高め。最終的に存在するすべての魔法分のクレストグラフが手に入るようにはなっているようです。私は取り逃しまくって全然足りなかったけど。

 

サブキャラクター達も数は多くはありませんが非常に魅力的で、そして濃かった(笑)

特に冒険中に何度も会うことになる賞金稼ぎの少女・ジェーン、敵ながら憎めない魔族のゼットやライバル的な立ち位置であるブーメランあたりはとても良いキャラクターで、登場するたびにテンションが上がったものです。

彼らについてはゲーム中での掘り下げが少なかったので、別媒体とかで何かあるのなら見てみたいなぁと思いました。

 

終始とても楽しくプレイ出来た作品なのでとてもオススメなのですが、現行機では遊べないというのが惜しいところです。

Switchでリマスターが出てくれることを祈りながら、このまま続編をプレイして行きたいと思います。