のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

42.OMORI

今回はOMORIについて書いて行きたいと思います。

2023年7月2日にクリア、プレイ時間は17時間程でした。ただ、この作品は2ルート存在しており私が今回プレイしたのは1ルートのみなので、もう一つの方もプレイするなら時間はかなり伸びるかと思います。

この作品は2020年12月25日にアメリカのインディーズゲームメーカーから発売されたホラーRPGです。私はSwitch版が配信開始したというニュースを見てはじめて知り、気になって購入しました。

調べてみると本作は様々な日本ゲームから影響を受けているそうですね。たしかに、海外製のゲームのはずが作品全体からどこか懐かしい雰囲気を感じました。

 

・システムとか

周囲を探索してアイテムを拾ったりフラグを立てながら進める分かりやすい仕様ですが、可愛らしい絵柄に反して内容はブラックな要素全開という感じです。ナイフを使って自身を刺すコマンドが存在したり、置いてあるスケッチブックには赤と黒だけで意味不明なイラストがぐちゃぐちゃに描かれていたり意味深な事を言い残してお友達が失踪したり…ふわふわとした謎の世界観と相まって割と精神崩壊しそうな内容が多いです…笑

ホラーでよくある急に怖いイラストが出てきてビックリするような要素もあるので、苦手な方は注意ですね。

 

戦闘もあり、エネミーはエンカウント式です。可愛らしい動物のようヤツもいればトラウマになるような不気味なヤツもいました。回復アイテムが尽きてうさちゃん(エネミー名)から全力で逃げたのは良い思い出。

バトルには『感情』というステータスがあるのも特徴で、にこにこ状態の時ははいらいら状態の敵に強く、いらいらはしょんぼりに強く、しょんぼりはにこにこ強いという三すくみ。お友達も敵も感情によって表情が変化するのがかわいいです。

シナリオや世界観重視の作品というイメージではありますが、戦闘にもそれなりに力が入っているように感じました。それぞれに多くのスキルが用意されていたり、一斉攻撃(しかもカットイン付き)が存在したりとなかなかの充実っぷり。本作の不思議な雰囲気をより引き立たせる良い要素になっていたと思います。

 

・世界観がすごい

ほぼ前情報を入れずにプレイ開始した本作。世界観や状況の説明が全くなく、主人公・オモリがホワイトスペースという真っ白な部屋にいる状態でスタートします。この時点で結構怖い(笑)

ホワイトスペースを出るとすごくファンシーな部屋にいるお友達のオーブリー、ケル、ヒロの3人(パーティーキャラ)と合流し、突然失踪したお友達の一人・バジルを探すために不思議な森や公園を探索しますが、その途中で急に現実世界っぽい部屋に引き戻されます。

いや現実世界って??今までのは夢の中とかそんな感じなの???とか色々考えながら進めているとまたいつの間にかホワイトスペースへ…という感じにどんどん物語が進みます。説明がとにかく全然無いせいで、理解力の低い私は訳の分からないままプレイを続けました(笑)

そんなこんなで夢と現実の世界を行き来しながら両方のステージで話を進めます。こう書くとDQ6みたいだな…。ちなみに夢の世界でパーティーキャラだったお友達たちは現実では少し成長した4年後の姿で登場。夢ではぬいぐるみが好きな可愛らしい女の子だったオーブリーは現実では不良の姿で登場し、初見時は脳がバグりました。まぁどちらでも可愛いんだけども。

 

実は主人公のオモリ(現実ではサニーという名前)は現実世界で姉のマリを誤って階段から突き落として殺してしまっており、ちょうど居合わせたバジルの提案で共にそれを自殺に見せかける隠蔽をした過去がありました。そのトラウマやみんなを騙している罪悪感からサニーはずっと引きこもり続け、現実逃避のために作り出した精神世界こそがオモリが冒険する夢世界ことヘッドスペースなんですね。

様々な真相が一気に明かされるのがかなりの終盤ということもあり、意味が分からないまま雰囲気を楽しみつつもひたすら進めている時間がかなり長かった印象です。すべてを理解した状態で2周目をプレイしたら気付く言葉の意味や伏線はきっと沢山あると思います。

 

・ルート分岐

この作品には現実世界に戻りトラウマと向き合うノーマル(サニー)ルートと、夢世界にいるまま探索を続ける引きこもり(オモリ)ルートの2通りが存在し、これは物語途中の選択肢の結果から最終的にどちらに進むかが決まるようです。私は気付いたら現実に生きるサニールートに入っており、そちらに存在するエンディング4種類を見てプレイ終了しました。

現実世界で引きこもりを続ける選択肢を選ぶとオモリルートに入れるようなのですが、かなり前まで遡らないといけないので今回のプレイでは断念。

ただ、先述したように伏線がかなり多い作品なので初めから2周するように設計されており、その結果の2ルート制なのかなぁという感じもしました。オモリルートに入らないと出会えないエネミーや探索できないマップも多数あるらしいので、次回プレイする際はオモリルートで進めたいと思います。

ちなみにオモリルートは夢世界なだけありファンタジーな世界観でやり込みや自由度も非常に高く、こちらでの冒険の方が楽しく印象に残っています。

 

かわいい絵柄でより引き立つ不気味な世界と重いストーリーが非常に魅力的ですが、フワッとした理解のまま進める期間が非常に長いので、向き不向きはあるかもしれません。自殺や鬱の描写やホラー的要素も多いしね…バッドエンドはなかなかの衝撃でした。

それでも完成度は高く、癖になる世界観に私はかなりハマりました。考察ポイントも多くあるので、再プレイ時にはその辺りにも注目して行きたいです。