のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

22.十三機兵防衛圏

今回は十三機兵防衛圏について書いていきたいと思います。2022年5月7日にクリア、時間は28時間程でした。

 

この作品は2019年11月28日にPS4で、2022年4月14日にSwitchで発売されています。私はSwitch版をプレイしました。Switch版にはDLC特典としてアートブックや設定資料集がついてくる他、ミニゲームや映像をみることが出来る「鞍部の部屋」も収録されていました。かなりお得です。

また、ゲーム内では英語音声に対応したり、戦闘で使用する兵装の追加等もあるようでした。

 

・ゲームシステム

このゲームにはアドベンチャーパートである追憶編、シュミレーションバトルモードである崩壊編アーカイブパートである究明編の3つのモードがあります。

追憶編はいわゆるストーリーモードであり、13人の主人公の物語を読むことができます。ストーリー解放の条件に指定の戦闘クリアはありますが、話を読んでいる途中に戦闘が挟まることは無いので途切れることなく物語に集中することが出来るのが良いですね。

崩壊編は出陣前後に少し会話が挟まるくらいで基本的に戦闘のみのパートです。巨大ロボットである機兵に乗った13人のキャラクターのうちMAX6人を選んで出撃、街に降り立った怪獣を撃破していきます。この機兵、巨大ロボットなのですがガン〇ムというよりエ〇ァやファ〇ナーに近いイメージですね。脳に影響与えたりするし結構怖い…

1対1で戦うわけではなく、無数居る怪獣をミサイル等で一気に殲滅するイメージの戦闘です。広範囲ミサイルで一網打尽にしたときの爽快感がすごいです。

怪獣はマップ上に赤や青のマークで表示され、ターミナルと呼ばれる施設を目指して侵攻してくるのでそれを阻止し、ターミナルを防衛しきるのが戦闘の目的です。このターミナルは何ぞや?とか怪獣ってどんなの?ということが追憶編で描かれているので、両方バランスよく同時進行でゲームを進めて行くとより楽しめるかと思います。後半の方はストーリーと同時系列だしね。

究明編はアーカイブモードなので、情報を閲覧するだけの機能です。崩壊編で貰えるアンロックポイントを使ってファイルをどんどん解放し、完成を目指す辞典みたいな感じ。登場人物のことやアイテム、用語、起こった出来事などを閲覧できるので、ストーリーでこれなんだっけ?ということがあったら見るようにしていました。

 

・ストーリーと真相

大正〜昭和の時代に暮らす少年少女がタイムトラベルと機兵を駆使し、突如現れた怪獣倒す話…なんですが、実はそれも過去の人々によって作られた設定という。主人公達が今まで生活してきた街並みは仮想現実で、家族も友人も15人以外はすべてAIなんですね。そしてその過去の人々というのが旧人類で生き残った15人であり、人類存続のためこの15人の遺伝子によって作られたのが主人公である少年少女です(メインの13人+NPC2人)。この辺難しすぎて合ってるかわからん…笑

実はタイムトラベルではなく管理されたセクター間を移動しているだけだったり、ずっと未来の出来事だと思われた映像も実際は過去に起こったことだったりと、常に常識が覆り続けるので終盤に明かされる怒涛の真実にはいちいち驚かされました。世界設定的にはNieRシリーズに近いかなぁ。

ほぼ同時系列とはいえメインキャラクターが13人いるので13通りのストーリーがあり、物語がとにかく複雑!徐々に明かされて行く真実や人々の関係性の奥深さや張り巡らされた複線の数がすごく、1個謎が解けると5個謎が増えるのをひたすら繰り返すイメージ。頭の良いゲームだなぁと思いました(頭の悪い感想)。

 

この作品のゲームクリアはただエンディングまで到達し『結末』を見届けることではなく、シナリオすべてを制覇し過去含めた物語の『過程』の中で真相やキャラクター達の想いを理解するところにあると私は思います。とても充実度も質も高いシナリオでした。

この複雑で膨大な情報を見事に操り、矛盾も破綻も無い壮大なシナリオを作り上げた神谷盛治氏には脱帽です…

 

ヴァニラウェア開発の作品

以前クリアした「オーディンスフィア」と同じヴァニラウェアが開発ということで、キャラクターの関係性や群像劇で描かれるストーリー等はとても似ているなぁと感じました。戦闘は全然違うけど。

簡単に言ってしまうとオーディンスフィアの登場人物を増やして、複雑にして、自由度をかなり高くしたという感じ。キャラクター一人一人にストーリーが用意されており、同じ時系列をそれぞれのキャラ視点で進めることでだんだん謎が解明されてゆく…という作りはほぼ同じですが、あちらはキャラの攻略順は固定だったのに対し本作は比較的自由に進めることが可能です。まぁ解放条件があるので、全員満遍なくプレイしていかないとクリアは出来ないけども。

 

あと、これはオーディンスフィアの時も感じましたがグラフィックが綺麗。特に光の描写がものすごく綺麗。空のグラデーションや眩しい風景の背景を見ているだけで涙が出てくるほどに美しいんですよね。

主要キャラクターは大正~昭和の学生(の設定)はじめ各時代の高校生のため、皆学生服を着用しています。時代通りのいかにも古風なビジュアルな子から近代的な雰囲気の子まで幅広いデザインであり、皆シンプルながらも可愛らしいです。それでいて動きや表情に良い意味での生々しさがあるのもヴァニラウェア作品キャラクターの良い点ですね~。機兵に乗り込む際に行う起動マーカーのスライドモーションは皆カッコいいので必見。

 

可愛らしいキャラ達を退廃的な世界で絶望的な戦いへと向かわせる作りはお得意なのでしょうか。バニラウェア作品の絵本のような可愛い見た目からは想像できないブラックな雰囲気やリアルとファンタジーの狭間のような独特な世界観はとても魅力的ですね。

13人の主人公は仲間同士でくっつき、最終的には全員カップルになるところはオーディンスフィアと同じです。ヴァニラウェアは全員円満カップルエンドが好きなんだな〜と感じますね。奇数ですが心配ご無用、ちゃんとイングヴェイ(NPC)枠もおります。違うところは、今回は男性同士のカップルもあるところでしょうか。ちなみに私のお気に入りキャラは比治山くんです。ピュア真面目カワイイ日本男児。沖野との関係性もたまらんね…

 

非常に満足度の高いプレイ内容でしたが、とにかく複雑なのできっと見逃しも多いはず。全て把握した上でいつかまた遊ぼうと思います。焼きそばパンを片手に。