のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

25.那由多の軌跡 アド・アストラ

今回は軌跡シリーズより、那由多の軌跡について書いて行こうと思います。

2022年6月29日にクリア、真エンディングまでで約20時間半くらいのプレイ時間でした。

シリーズとしては3作目のクリア作品です。以前、黎の軌跡の記事で「軌跡シリーズはすべて物語が繋がっているから順番にクリアしなければならない」という旨の説明をしましたが、この那由多に関しては物語が独立している所謂外伝的な立ち位置のため、他をすっ飛ばしてプレイが出来た訳ですね。

 

那由多の軌跡は2012年にPSPで発売されたのが最初とのこと。思ったより昔の作品なんだなぁ。その後、2021年にPS4、2022年にSwitchで移植され、私は今回Switchでプレイしました。初回特典でサントラも付いてきてお得な気分!

高画質化や音響面の強化を施しているようで、確かに綺麗でした。まぁグラフィックデザインPSP時代そのまま(だいぶカクカクしてた)で画質だけ異様に綺麗になっているので、キャラクターなんかは結構違和感はありましたね…笑

 

アクションRPG

世界観を共有していないだけでは無く、那由多はシリーズ初のアクションRPGということで、他の軌跡作品とは全然違ったものでした。マップから短いステージを選択しアクションで敵を倒しながらゴールを目指して進んでゆくゲームで、「星のカービィ」のようなイメージ。

物語が進むにつれ覚えられるギミックが多く、障害物を壊したりタイヤのようにローリングして壁を登ったりとなかなか楽しめました。

ただ、マップがごちゃごちゃしててかなり分かりにくくステージギミックも多いため、次に進む方向が分からずに同じ場所をウロウロしてることも多々ありましたね。ひび割れのある壁を壊した先に道があるけど、そのひび割れが分かりづらかったりとか…

四季をテーマにした世界・テラが冒険の主な舞台であり、物語を進めると同じステージの春夏秋冬を変更することが可能になります。変更によってステージの構造やギミック、難易度、出現する敵等が変わるシステムはなかなか面白かったです。マップは幻想的でいかにもファンタジーという感じでした。

 

攻撃は剣での打撃メインに仲間のノイによるアーツ(四季魔法)でも攻撃可能です。アーツはRPGでよくある火、水、風…という括りではなく、こちらも春夏秋冬で属性が分かれており、ステージに現れる強敵を倒したりクエストをこなすことでどんどん新たな技を習得して(正確には取り戻して)行きます。

幻想的な世界観と幼く可愛らしいキャラクターデザインなこともあり、難易度は低めなのかな?と思っていたら想像以上に難しかった笑

難易度は安定のビギナーでしたが、ステージ攻略でもボス戦でも手こずる場面が多々ありました。特にそれぞれのステージ最後にあるボス戦は新たに習得したギミックを使わないと倒せない作りになっており、初見では倒し方が分からず普通に負けたりしてました。

でも、ボスは最初の頃の方が強くて尻すぼみに攻略が簡単になって行ったような気もしないでもない…カービィのファッティホエールみたいな敵が一番手強かったです(伝わるか?)

 

・ストーリー

物語は「残され島」の少年・ナユタと記憶喪失の兄貴分・シグナがひょんなことから島の近くに"落ちてきた"遺跡の塔で妖精のような少女・ノイと出会い、ノイが奪われてしまった大切なマスターギアを取り戻す手伝いをするために異世界・テラに向かうことになる…という導入です。

残され島にはよく鉱石が空から降り注ぎ、それを特別な機械で覗くと幻想的な風景が映し出されます。通称ロストヘブンと呼ばれるその世界に憧れていたナユタは、ノイに導かれて降り立ったテラがまさに夢見たロストヘブンそのもので感動しつつ冒険しますが、途中で兄貴分のシグナが「ここから先は危険だから自分一人で進む、お前たちは帰れ」と言い残し離脱してしまいます。

ステージ攻略はナユタとノイを操作するだけなのでシグナは同行者という形でついて来ていたのですが、言ってしまうとこのまま永久離脱です。主人公の兄貴分、序盤で永久離脱しがち!!!!!(悲)

奪われたマスターギアを取り返すため、そしてシグナを追いかける中で敵であるミトスの民・ゼクストはナユタ達の住む地上の世界とそこに住む人類を滅ぼす目的で動いているという事実を知り、それを阻止するというのがおおまかな流れです。

 

ミトスの民とはテラに住む神様のような人々であり、3人しか(まぁ正確には2人なのですが)生き残っていません。1人はラスボスであるゼクスト、1人は(多分)ヒロインのクレハ、そして最後の1人がシグナなんですよね。シグナはテラで冒険するうちに記憶を取り戻し、実は自分がテラ出身のミトスの民・セラムであることを思い出してナユタ達と決別してしまいます。

クレハも当初は記憶を失っており、ナユタやノイ、残され島の人々と交流して優しい普通の女の子として生活していましたが途中で記憶を取り戻し、ミトスの民として敵側へ着いてしまいます。シグナとクレハは兄妹でゼクストは2人の父親という関係性。

大昔にミトスの民の高すぎる技術を戦争や自然破壊に使い、自分達をも攻撃した人類への報復とその戦争で絶望的なダメージを負って破滅に向かう地上を浄化し再創生するのがミトスの民の目的でした。人類とミトスの民との確執があるとはいえ、シグナやクレハが人類を滅ぼそうとする側に回ってしまったのは悲しかったですね…

ちなみに、テラの管理者としてノイを作ったのもミトスの民であるクレハとシグナだったりします。

 

・キャラクター

このゲームはナユタとノイの2人だけで無人のテラを冒険するという性質上、登場人物はあまり多くありません。既に紹介した以外の主要キャラは残され島にいるナユタの姉・アーサや幼馴染のライラ、シグナの育ての親でありナユタ達の剣の師匠・オルバス、あとはノイ以外のテラの管理者4人くらいでしょうか。

ライラはナユタに好意を寄せているが全然気付いて貰えず、かといって物語中にクレハといい感じになるでもなく…無理矢理に恋愛に持って行かない作りは良いなと感じました。

むしろこのWヒロインを思わせる2人よりも、ナユタの幼馴染とミトスの民両方の顔を持つシグナや、相棒としてずっと一緒に冒険するノイの方が目立っていました。

主人公の兄貴分というだけであまり出番は無いかと思ってたシグナは予想外にかなり重要なポジションで嬉しかったですね。後半はクレハとシグナはほぼセットでの登場でした。ナユタだけはセラムという正体が判明した終盤でも一貫してシグナと名前を呼んでいたのにはジーンと来ましたね…

そして、ノイは序盤に出会ってから最後までずっと一緒です。途中、すれ違いからナユタとギスギスしてしまうシーンもありましたが和解、最後まで相棒として一緒に冒険をします。そんなノイは実はテラの中でもかなり重要な立ち位置であり、エンディングでは地上を救うために管理者としての力を使い自らの意思で消滅してしまうのですが…

 

・後日談

地上の回復のため消滅してしまったノイ、ナユタ達は悲しみながらもノイの意志を尊重しました。ナユタは救われた地上に戻りますが、シグナとクレハはテラの管理の為、そしてノイを復活させられないか試みるためテラに残る決意をします。地上とテラは惑星のように宇宙を漂っているため、次に近づく周期は数年後か数十年後かも分からない…だけどまた会える日を信じてお別れするというエンディングは悲しくも美しくてとても感動しました。

 

そして、タイトル画面に残ると後日談が出現しています。簡単に言うとエンディングの1年後、再び異変が起こったテラにナユタが向かい真のボスを倒す短いストーリーでした。

今までのステージに高難易度の新たな四季が加わったり、追加のサブクエもありましたね。ストーリー的には真ボスを倒すだけなのですが、推奨レベルが高いので追加要素を利用してレベリングしたり装備を整えたりします。

そして、テラの異変を知らせに来たのは消滅したはずのノイでした。再会に喜びますが、そのノイは今までと違う人格であり、消滅後とある理由から生まれたばかりの新たなノイだったため、別人状態。一応四季魔法は引き継がれますが、ボイスの雰囲気は変わってました。細かいな〜。

シグナとクレハは真ボスによって精神が隔離されたまま眠り続けた状態になっており、新ノイもナユタを転送する作業で同行不可なため真ボスとはナユタ一人で戦うことに。そこそこ強かったですが、ゴリ押ししたら勝てました!笑

 

テラの異変はというと、"決意したはずなのに、皆と過ごした時間を思い出してつい消えたくないと思ってしまった以前のノイ"が原因であり、精神世界で再会した以前のノイはそのことについて後悔して謝り続けます、つらい(´;ω;`)

真ボスを倒すことで異変は止まりますが、今度こそ以前のノイとはお別れ…かと思いきや、正常に戻った本編でのラスボス・星座球(本編では異常状態のこいつがゼクストの姿をして暴れ回っていた)が消えかかっていたノイの精神を保護し、新旧で統合されて新しい記憶を保持したまま以前通りのノイとして助け出してくれたのでした。新しい方の人格はどこへ…?と思ったりもしましたが、新ノイは皆と一緒にいたいという想いがより強い以前の彼女を優先してくれたのでしょう(ご都合主義とも言う)。

正常になったテラの管理も必要無くなり、星座球はシグナ、クレハ、ノイに今後は自由に生きろという道を示してくれます。3人はナユタと共に地上で暮らすことを決意、テラに別れを告げて真エンディングです。

 

後日談までクリアすると、純粋なハッピーエンドで良かったですね。ファンタジー色が強く全体的にスッキリとした美しいお話で、久しぶりに純朴なRPGを浴びたな…!と感じさせられるゲームでした。