のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

7.星をみるひと

今回は2020年10月28日にクリアした、星をみるひとというゲームについて書いていきたいと思います。

FC版は昔のゲームということもあり致命的なバグや積みポイントも多く、また難易度もかなり(というか理不尽なレベルに)高いということで、対策としてSwitch版では移動速度が上がる「さいこうぉーく」や巻き戻し機能「さいこりばーす」、クイックセーブ&ロードの「さいこめもりー」等の新機能が実装されておりました。この機能のおかげでかなり快適にプレイ出来ましたね!

というかこの機能が無かったらクリアどころかスタート10分で積んでたと思う(笑)

 

・時代を先取りした設定とストーリー

このゲームは人類を管理するコンピューターと、それに反抗するサイキッカー達の戦いを描いたSF作品です。人々は心までも機械に管理され、普通の人間はマインドコントロールを受けてしまいますが特別な力を持ったサイキッカーには効きません。そこでコンピューターは、自分たちにとって都合の悪い超能力者たちをサイキッカー狩りによって攻撃、連行している…というディストピア全開な世界観です。

今でこそよく見かける題材ですが、当時はかなり珍しかったようですね。

以前ニーアオートマタの記事でポストアポカリプスの世界観が大好きという話はしたのですが、実はディストピアも好きなんですよね…!

崩壊した世界も必要以上に統制された機械的な世界も、どちらの未来も絶望感があって魅力的です。実際にそうなったら嫌すぎるけど。

 

ただ、せっかくこれだけ魅力的な世界観なのにとにかく情報が少ない!

作中で解明されない謎や設定が非常に多いのです。ゲーム外でも世界観に触れるのは付属の説明書くらい。現代だったら絶対に分厚い設定資料集とか出るだろうに…

キャラクター設定に関しても、メインパーティーや雑魚敵までもが壮絶な過去や背景を連想させる作りなのに説明はほぼゼロ。

ファミコンの容量を考えたら仕方ないとはいえ、本当に勿体ないです。自由に想像して楽しむことにしましょう…

 

お助け機能のおかげで戦闘には苦戦しなかったものの、バグでよくわからない空間に閉じ込められたり強制ワープに引っかかったり、(ノーヒントなので)道に迷いまくったりと、システム面でめちゃくちゃ苦戦しましたね…これ当時FCでクリアした方は猛者中の猛者だと思う。

 

・イルカと迎えるエンディング

ストーリー終盤というかほぼエンディング直前に突如登場するキャラクター・イルカ。

水族館とかで見るあのイルカです。ただ、このゲームに登場するイルカたちは知能が異様に発達しており人類よりも賢いため、旧人類(普通の人間)を残して自分たちと近い能力を持つサイキック達だけで新たな惑星・あくあに移住しようと考えます。

主人公一行はイルカと共にあくあへ移住するか人類と今のコロニーに残るかの選択を委ねられ、その返答次第でエンディングが分岐します。

イルカと戦う選択肢も存在しますが、戦闘に入ることなくそのままエンディング。結局イルカたちに負けたという文章が表示されるバッドエンド。なんという後味の悪さか…

他ルートでもラスボス戦は無く、文章だけのなんとも味気ないエンディング画面です。スタッフロールもありませんでした。

 

すべてのエンディングを見た感じ、一応あくあに移住するルートが正規っぽいのかなぁと思いました。サイキッカー以外の人類を見捨ててしまうわけですが…ちなみに人類と残る道を選んでもサイキッカーは迫害され、人類同士の戦いを匂わせる終わり方をします。このゲーム、マルチエンディングだけどハッピーエンド無くない?

 

・キャラクター

主人公の少年・みなみと仲間のしば・みさ・あいねは全員サイキッカーです。

それぞれ特殊能力を持っており、それらを駆使してストーリーを進めていきます。障害物を飛び越えたり、町人の心の声を聞いてヒントを得るギミックが個性が出ていて面白かったですね。まぁ能力を全く使わずにクリアしたキャラもいたけど。

また、道中登場する敵キャラも普通のRPGで見かけるようなモンスターに加えて、人型の超能力者だったり無機質な機械だったり、ディストピア要素満点な不気味なデザインが魅力的です。

 

・音楽

メインテーマはじめ、良い曲が多いですね~やはり8bitは落ち着きます。

フィールドBGMはそうでもないのに、街のテーマがめちゃくちゃ不穏なのも特徴ですかね。普通逆では?逆に設定してしまったのか??と思うレベル。

しかし、自由が失われた管理社会の雰囲気を出す為にあえて不穏なテーマを街に設定したのだと言われても全然納得出来るんですよね。そしてこちらもかなり耳に残るメロディで結構好きです。

 

FC版だと通常クリアがやりこみと評されるこの作品。ゲームバランスはめちゃくちゃだけど、癖になる魅力があるかと思います。Switch版は手軽にプレイできるので、ぜひ多くの方にこの世界を味わってみて欲しいです。