のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

18.オーディンスフィア レイヴスラシル

今回は友人に勧められて始めたゲーム、オーディンスフィアについてです。2022年1月28日にクリアし、プレイ時間は23時間程でした。

 

2007年にPS2で発売し、その後2016年にシステム面を強化したHDリマスターがPS4とVitaで発売したとのこと。私はVitaでプレイしました。

このゲームはTwitter等で見かけてイラストが可愛いなぁという印象はあったものの、どんなゲームかは一切知らずにスタートしました。戦闘や移動はすべて横スクロール式で難しい操作も無く、アクションが苦手な私でもスムーズに遊べたので良かったです!

 

・ストーリー

大まかにいうと、5人の主人公の物語を順番にクリアして終焉の予言に記された災厄に立ち向かうお話です。

この5つの物語はアリスという女の子が読んでいる本の内容という設定で、まさに絵本のような幻想的な世界観と可愛らしいキャラクターがとても魅力的ですが、残酷な描写も結構ありギャップがすごいんです。魔剣使いの成れの果てや死の国に登場する敵キャラクター達なんかは夢に見るレベルに怖い(笑)

 

5つの物語はほぼ同じ時系列で構成されており、それぞれ進めていくと、あの時なぜこのキャラがこの場所にいたのか、この時点でこのキャラはこういうことを考えて行動していたのか、あのとき裏ではこんなことになってたのか…ということがだんだんと分かり、まるでパズルのピースが埋めていくようなわくわく感がありました。

 

・マルチエンディング

物語をすべて終えた後は、5体のボス(災厄)を予言のヒント通りのキャラで倒すとトゥルーエンドを迎えることができます。予言の文章、最初に読んだときは???って感じだったけど後から読むとなるほどそういうことか…と納得できました。

特にメルセデスの真名が判明する瞬間には思わずおぉ…!と声が出ましたね…よく出来てるなぁ~

 

また、予言に書かれているのとは違うけどそれぞれのボスと関わりのあるキャラで倒すと特殊な個別エンドに、どちらにも該当しないキャラで倒すとバッドエンドになりました。

ちなみにボス5体の難易度は先に進むにつれ弱くなって行く印象でした。前半3体のダーコーヴァの獣、冥府のガロン、炎の王オニキスは普通に強いのに後半2体の結晶炉コルドロンと予言の竜レヴァンタンは弱すぎないか??特に、ラスボスのレヴァンタンはどのキャラで挑んでも全く苦戦しなくて拍子抜けだったな…

 

で、それらすべてのエンディングを見ると最後に祝福エンドという真エンディングに到達します。この祝福エンドはコルネリウスと、終焉の日に彼と同じプーカの呪いに掛かってしまったベルベットの後日談ですね。

呪いのせいでプーカの姿のまま年を取らず幾千年の長い時間を生きてきた二人。「世界中に散らばるコインをすべて集めるとどんな願いも叶う」という教えのもとすべてのコインを集め終え、ついに呪いが解かれる日が訪れます。

呪われた姿でも永遠を生きた方が良いのでは…と考えたコルネリウスに限られた時の中を精一杯生きようと悟すベルベット。二人が人間の姿に戻ってハッピーエンドです。

この場面で語られるすべての言葉が胸に響きました、なんと美しいエンディングか…まさに祝福。

 

最後は真っ暗な死の国で、世界樹ユグドラシルから根が伸びた小さな花を微笑みながら見つめるイングウェイのイラストでおわり。

言わずもがなこの花はメルセデスですよね。死の国で見た青い鳥に希望を見出したオズワルドと似た演出ですが、そこから立ち直っていくのオズワルドに対し、イングウェイはやっと安らぎを得られた…という感じでしょうか。

どの展開でも終焉の犠牲になり、生きて結ばれることの無いこの2人ですが、他キャラクター達とはまた違った美しい結末だったかと思います。

 

・キャラクター

ワルキューレ』の主人公、グウェンドリン

まずデザインがめちゃくちゃ良い。戦闘服のレオタード姿もドレス姿もどちらもとても素敵です。クール系の子なのかな?と思ったら、父親である魔王に愛されたいだけの心優しい女の子でした。父を想って戦う姿はとても健気で…

後半ではオズワルドと出会い、だんだん彼に惹かれていく様子も可愛らしかったです。私は月野うさぎに人格を形成されているところがあるので、好きな人のために命を懸けて戦う女の子は最高に美しい、と彼女を見て再認識しましたね…( ˘ω˘ )

 

『呪われ王子の冒険』の主人公、コルネリウス

今度は金髪美形キャラが主人公だ!と思ったら、物語の最初に呪いで兎のような姿であるプーカにされしまいビックリ。その後はずっとこの姿で冒険をします。

性格は真面目で優しく正義感に溢れ、まさに正統派王子様キャラでした。愛するベルベットを助けるために小さなプーカの姿で走り回り、自分とは名乗らずに彼女を守ろうとする姿がとてもかっこよかったです。


『妖精の国の物語』の主人公、メルセデス

おてんば姫の冒険的なお話かと思いきや、母の死や身内の裏切りを乗り越えて、偉大な女王としての成長していく壮大な物語でした。魔王との最終決戦を前に、味方軍の先頭に立ち行った演説には感動しましたね…

また、ベルベットの双子の兄イングウェイが呪いでカエルの姿になりこの物語に登場するのは予想外でした!メルセデスには王子様はいないのかな?と思ったら、まさかの君か。

他のカップルとは違い相思相愛のやりとりが見られるわけではないのですが、離れた場所にいてもお互いが支えとなり、それぞれ自分のすべき道を進む関係性が非常に好きでした。キスでカエルの呪いが解けるというのもロマンチックでイイネ!

 

『死と暗黒の剣』の主人公、オズワルド

グウェンドリンの王子様。実の親に見捨てられ育ての裏切られ妖精たちには忌み嫌われ、更には死の女王の呪いがかけられて…とにかく気の毒で仕方がなかった序盤~中盤。ワルキューレ編のエンディングでグウェンドリンとの幸せな未来を知っていたから耐えられたけど、知らなかったら耐えられただろうか…

終盤で明かされるまさかの出自や真実、そして愛する人の心を得てエンディングを迎える頃には大きく変化した彼を見ることが出来て感無量でした。幸せになってくれ。バーサーク化して戦う姿は不気味なかっこよさがあって良かったのですが、アクション下手の私には使いこなせなかった(笑)


『運命とともに』の主人公、ベルベット

落ち着いていて大人っぽい印象の彼女ですが、強い情熱を持って戦っている女性です。第一印象はセクシーな赤ずきんちゃん。凛とした可愛らしさがあり、上品な立ち振る舞いが素敵でした。私が実際にプレイしてみて一番好きになったキャラクターです。

終盤に向かうにつれてだんだんと幸せになっていったオズワルドとは違い、亡国の王女という立場と使命感も相まって彼女は終始思い悩み、身内に振り回されていたでいたイメージでした。コルネリウスとの逢瀬の時間は数少ない心休まる時間だったのかなと思おうと泣けてきます…祝福エンド後は今まで苦労した分、目一杯幸せになってくれ(2回目)。

 

最後に、本を読んでいる少女・アリスについて。ゲーム終盤にアリスの部屋からプーカ姿のコルネリウスとベルベットがコインを持っていく描写があったことから、本の中の物語とアリスが同じ世界を生きていることが分かりました。

アリスはプレイヤー目線としておとぎ話を読んでいるストーリーテラー的なキャラクターなのかと思っていたので、そう繋がるか…!と思わず声が出てしまいましたね~

恐らくはこのコインこそが最後のコインで、アリスは終焉のずっと先の世界に生きているグウェンドリンとオズワルドの子孫なのでしょうか。

 

絵本の中に飛び込んだかのような美しく幻想的な世界、皆さんも是非プレイして体験してみてくださいね。