のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

20.ポケットモンスター シャイニングパール

今回はポケモンのシャイニングパールについての記事になります。2022年3月19日にクリア、殿堂入りに掛かった時間は22時間程でした。

 

・期待と不安

昔からポケモンシリーズ大好きな私は、当然リメイク前のダイパもリアルタイムでプレイしていました。こちらは2006年9月発売とのこと。…16年も前なの……???

ダイパとマイナーチェンジ版のプラチナはそれなりにやり込んでおり、ストーリーやキャラクター等総合的に見ても過去作の中でも結構好きなシリーズのひとつだったのでリメイクが出るのをすごく楽しみにしていました。他シリーズが続々とリメイクされる中このダイパはなかなかリメイクの話題が出ていなかったので、発表があったときはすごく嬉しかったのを覚えています。

 

しかし、喜びと同時に不安要素も出来ました。それは制作がポケモンシリーズおなじみのゲーフリことゲームフリークではなかったことです。ゲーフリは今まで高クオリティなポケモン作品を生み出し続けていたので、ダイパがリメイクされる際も当然ゲーフリ制作だと思っていたら…まさかの別会社。

実際、公開されたムービーは直近に発売された剣盾と比べるとかなりデフォルメされたグラフィックやキャラクターたちであり、言ってしまえば、この3D時代にドット時代のゲーム画面を彷彿とさせるものでした。まぁこれに関してはあの頃の思い出をそのまま現代の技術で綺麗にしたという感じだし、私としては見下ろし視点のポケモンやデフォルメに対する抵抗は全くないので嫌だとは思いませんでしたが、世間は荒れそうだな…とは思いましたね。

 

・プレイしてみた感想

そして発売後、プレイしてみてまず思ったのは操作性が悪いなということでした。具体的に言うと、自転車が扱いにくいことはじめ移動に対するストレスが多かったです。というか全体的に動作がもっさりしているので、爽快感はあまり感じられなかったかな?

また、こちらは私は被害はありませんでしたが初期バグも多かったようです。結構深刻なものもあり、案の定ネットでは騒がれていましたね。

バトルではトレーナーが強い印象でした。近年のポケモンと同じように経験値が手持ち全員に入るというような緩和はありましたが、きちんのレベル上げをしないとトレーナー戦は普通に負けます。特にチャンピオンのシロナ戦はかなり苦戦しましたね…また、AIが優秀なのか、特性や道具を駆使したまるで対人戦をしていると錯覚するような作戦で苦しめられることも多々ありました。

近年のポケモンはジム戦等で苦戦することは全く無かったのでバトル難易度はオリジナルに近いものを感じ、やりごたえがありましたね!

ちなみに今回の殿堂入りメンバーはゴウカザルドサイドンムウマージマリルリトゲキッスと控えパルキアの6体でした。剣盾の記事で御三家はみずを選ぶことが多いと書きましたが今回はほのおです。というか、ゴウカザルのデザインが好きすぎてオリジナル版でもヒコザルを選んだな…あとトゲキッスはこれで3か4回目の旅パ参加なんですよね。強くて可愛くて、お気に入りのポケモンです。

余談ですが、クリア後にとあるイベントをこなすと強化版の四天王・チャンピオンと戦えるらしいです。本編内でも十分強かったのに更に強化されており、なんと歴代最強クラスだとかなんとか…レベルが高いのはもちろん努力値個体値、技構成なんかもガチ設定とのこと。気が向いたらチャレンジしてみようかな…

 

グラフィックに関してはやはり私はスッと受け入れることは出来ましたが、剣盾のようにポケモンやトレーナーたちの表情を感じられなくて少し物足りないと思う部分も確かにありました。まぁあの虚無顔デフォルメも可愛いのですが(°▽°)

追加要素や追加ストーリーはほぼなく、オリジナル版を綺麗なグラフィックに差し替えて発売したような作品なので、期待値を高く設定しすぎると少しがっかりしてしまうだろうな…という今リメイク。また、通信対戦も栄えている印象は無く、対人戦をしている人は今まで通り剣盾に戻ってバトルしているような現状です。

ただ、見下し視点での冒険やバトル難易度も含めて、昔やったダイパを懐かしんだりストーリーを思い出したりするのには良い作品でした。私も忘れかけていたストーリーを改めて楽しめたので満足しています。

また、これからアルセウスをやろうと思っているかつダイパ未プレイの方にはオススメというか、是非こちらをプレイしてからヒスイ地方に旅立って頂きたいと強く思いますね。

 

 

今回の記事でクリア済みゲームのストックが無くなったので、次回以降は更新に少し間が空くかと思います。

今後は(私がサボらない限り)クリア直後のリアルタイム更新になるかと思いますので、気が向いた時に遊びに来ていただけたら嬉しいです!

19.Pokémon LEGENDS アルセウス

今回はポケモンシリーズよりLEGENDS アルセウスについて書いていきます。2022年2月26日にクリア、合計72時間程遊びました。

 

このゲームの発売約2ヵ月前にダイパリメイクが発売され途中までプレイしていたのですが、アルセウスの内容が気になりすぎてこちらを先にクリアしていまいました(笑)全てのポケモンと出会い真エンディングを見届け、図鑑レベルも全部MAXにしてマンテンボシ団員になるところまでやり込んでます。

 

・今までのポケモンと全然違う!

今作は主人公が異世界からアルセウスの力でヒスイ地方という昔の日本を連想させる場所に飛ばされるところから始まります。Tシャツにスマホを持った現代人が謎の力で過去に行き、そこの生活に順応しながら事件を解決して行くというタイムスリップものあるあるな設定ですが、まさかポケモンのゲームで体験することになるとは…!

このヒスイ地方はダイパの舞台であるシンオウ地方の昔の姿であり、ダイパでの出来事に関連するイベントがあったり登場人物の先祖と思われるキャラクターが多数登場します。アルセウス発売に合わせてリメイクを出してくれたおかげで、色んなイベントや台詞、キャラクター等が新鮮に感じられて良かったですね。

私の推しでもあるコンゴウ団の長・セキ等、一部子孫の存在が分からないオリジナルキャラクターや、逆にダイパのライバル等先祖が未登場(と思われる)キャラクターもおります。今後のシリーズ作品やアップデートで登場するのかどうか、楽しみのひとつですね。

主人公に関しても不明点が非常に多いです。メインストーリーを全部クリアしても主人公は元の世界に戻れていないどころか、どの時代のどこから来たのか等全く分かっていません。ダイパ主人公とデザインはそっくりだけど、同一人物なのだろうか?アップデートで追加された「ヒスイの夜明け」クリア時にポケモンジムやコンテストについて言及する場面がありましたが、主人公は自分のことはほぼ語りませんし…おおまかな設定はあるのでしょうけど、もしかしたら今後も詳細は公開しないのかもしれませんね。プレイヤーの想像におまかせということで。

 

設定以外も今までと違う点は沢山ありました。ゲームを始めてまず最初に驚いたのは、フィールドです。広大なフィールドを駆け回り、ポケモンがあたりを普通に歩いているゲーム画面は近年のFFやテイルズのようでした。剣盾でもワイルドエリアとかだいぶ開けたフィールドでしたが、もっと自然そのものが舞台でRPGらしさがありました。たまに集落などはあるものの、町もメイン拠点の1ヵ所しか無いのでほぼ大自然の中を冒険する感じです。

グラフィックもとても綺麗で、直前までやっていたのが昔のポケモンをリスペクトしたダイパリメイクということもあって余計にその違いを感じることが出来ました。人間はもちろん動き回るポケモンの細かい動作や表情も個性があってみてて楽しかったです。特にころころ転がるタマザラシ、あれは可愛すぎる…!

 

モンスターボールは主人公が拾われたギンガ団が作り出したものとなっており、一般の人にはまだ殆ど普及していないようです。主人公はじめギンガ団はフィールドで拾える素材からクラフトでボールを作成して使用します。普通に店で買えたりもするけど、自給自足の精神ですね。

ちなみにこのギンガ団、村を守りポケモンを調査する自警団兼ポケモン研究所のような役割の組織なのですが、ダイヤモンド・パールでは悪役として登場しています。未来での悪の組織は正義の組織となっており、未来で対立したボスキャラクターの先祖は心強い味方となり、また未来で親しくしていたチャンピオンの先祖は…という感じで、ダイパ既プレイでキャラクターにも思い入れがあった私は面白い設定だな~と思いました。

 

・普通に負けるバトル

バトルの形式自体はほぼいつも通りですが、まだポケモンを捕獲してバトルするという概念が薄い時代の為、トレーナーが少なく対戦可能なのは主要キャラクター数名とごく僅かのモブトレーナーのみでした。

そのため、バトルはほぼ野生のポケモンとすることになります。そしてその野生のポケモンとのバトルは今までのシリーズでは考えられないくらい難易度が高く、苦戦するどころか普通に負けます。群れで襲われたり、レベルが高かったり、オヤブンと呼ばれる通常個体よりも巨大かつ強力なポケモンに襲われて敗北したことも多々ありました。ポケモンをここまで怖いと感じたのは初めてだ…(笑)

まだ人類がポケモンを未知の生物として扱い、恐怖の対象であった時代という設定のため、テーマ的に大成功ではないでしょうか。バトルを回避するためには草むらにしゃがんでやり過ごしたり、きのみを投げて気を引いたりする戦法で切り抜けるのもリアルです。

 

もう一つ難しいバトル要素といえば、キング・クイーン戦ですね。ヒスイ地方の各地にはキング・クイーンと呼ばれる特別なポケモンが5体おり、主人公が出現した際に空いた時空の裂け目から落ちた落雷によって狂暴になり、荒ぶるようになってしまいます。そのポケモンを鎮めるのがギンガ団に所属した主人公に与えられた役割なのですが、そのバトルはもはやアクションゲームでしたね…

途中で通常のポケモンバトルも挟まったりはしますが、基本的には主人公がキング・クイーンの猛攻を避けながらシズメダマというアイテムをひたすらぶつけ続けて大人しくさせます。なかなかダメージゲージが減らないわ攻撃を避けるタイミングも難しいは回復が出来ないわで何回もコンティニュー画面を見ることになりました。正直二度とやりたくない。ニーアオートマタで見たことあるような攻撃パターンのキングもいましたね(笑)

 

あと、研究レベルにもよると思いますが体感色違いポケモンの出現率は過去シリーズより高く感じました。全ポケモンの研究レベルを10にした際に貰った『ひかるおまもり』のおかげで出現率は更に上がったので、今後は高難易度のトレーナー戦や色違い収集等をしようかな~と思っています。まだまだヒスイ地方を冒険するぞ~。

18.オーディンスフィア レイヴスラシル

今回は友人に勧められて始めたゲーム、オーディンスフィアについてです。2022年1月28日にクリアし、プレイ時間は23時間程でした。

 

2007年にPS2で発売し、その後2016年にシステム面を強化したHDリマスターがPS4とVitaで発売したとのこと。私はVitaでプレイしました。

このゲームはTwitter等で見かけてイラストが可愛いなぁという印象はあったものの、どんなゲームかは一切知らずにスタートしました。戦闘や移動はすべて横スクロール式で難しい操作も無く、アクションが苦手な私でもスムーズに遊べたので良かったです!

 

・ストーリー

大まかにいうと、5人の主人公の物語を順番にクリアして終焉の予言に記された災厄に立ち向かうお話です。

この5つの物語はアリスという女の子が読んでいる本の内容という設定で、まさに絵本のような幻想的な世界観と可愛らしいキャラクターがとても魅力的ですが、残酷な描写も結構ありギャップがすごいんです。魔剣使いの成れの果てや死の国に登場する敵キャラクター達なんかは夢に見るレベルに怖い(笑)

 

5つの物語はほぼ同じ時系列で構成されており、それぞれ進めていくと、あの時なぜこのキャラがこの場所にいたのか、この時点でこのキャラはこういうことを考えて行動していたのか、あのとき裏ではこんなことになってたのか…ということがだんだんと分かり、まるでパズルのピースが埋めていくようなわくわく感がありました。

 

・マルチエンディング

物語をすべて終えた後は、5体のボス(災厄)を予言のヒント通りのキャラで倒すとトゥルーエンドを迎えることができます。予言の文章、最初に読んだときは???って感じだったけど後から読むとなるほどそういうことか…と納得できました。

特にメルセデスの真名が判明する瞬間には思わずおぉ…!と声が出ましたね…よく出来てるなぁ~

 

また、予言に書かれているのとは違うけどそれぞれのボスと関わりのあるキャラで倒すと特殊な個別エンドに、どちらにも該当しないキャラで倒すとバッドエンドになりました。

ちなみにボス5体の難易度は先に進むにつれ弱くなって行く印象でした。前半3体のダーコーヴァの獣、冥府のガロン、炎の王オニキスは普通に強いのに後半2体の結晶炉コルドロンと予言の竜レヴァンタンは弱すぎないか??特に、ラスボスのレヴァンタンはどのキャラで挑んでも全く苦戦しなくて拍子抜けだったな…

 

で、それらすべてのエンディングを見ると最後に祝福エンドという真エンディングに到達します。この祝福エンドはコルネリウスと、終焉の日に彼と同じプーカの呪いに掛かってしまったベルベットの後日談ですね。

呪いのせいでプーカの姿のまま年を取らず幾千年の長い時間を生きてきた二人。「世界中に散らばるコインをすべて集めるとどんな願いも叶う」という教えのもとすべてのコインを集め終え、ついに呪いが解かれる日が訪れます。

呪われた姿でも永遠を生きた方が良いのでは…と考えたコルネリウスに限られた時の中を精一杯生きようと悟すベルベット。二人が人間の姿に戻ってハッピーエンドです。

この場面で語られるすべての言葉が胸に響きました、なんと美しいエンディングか…まさに祝福。

 

最後は真っ暗な死の国で、世界樹ユグドラシルから根が伸びた小さな花を微笑みながら見つめるイングウェイのイラストでおわり。

言わずもがなこの花はメルセデスですよね。死の国で見た青い鳥に希望を見出したオズワルドと似た演出ですが、そこから立ち直っていくのオズワルドに対し、イングウェイはやっと安らぎを得られた…という感じでしょうか。

どの展開でも終焉の犠牲になり、生きて結ばれることの無いこの2人ですが、他キャラクター達とはまた違った美しい結末だったかと思います。

 

・キャラクター

ワルキューレ』の主人公、グウェンドリン

まずデザインがめちゃくちゃ良い。戦闘服のレオタード姿もドレス姿もどちらもとても素敵です。クール系の子なのかな?と思ったら、父親である魔王に愛されたいだけの心優しい女の子でした。父を想って戦う姿はとても健気で…

後半ではオズワルドと出会い、だんだん彼に惹かれていく様子も可愛らしかったです。私は月野うさぎに人格を形成されているところがあるので、好きな人のために命を懸けて戦う女の子は最高に美しい、と彼女を見て再認識しましたね…( ˘ω˘ )

 

『呪われ王子の冒険』の主人公、コルネリウス

今度は金髪美形キャラが主人公だ!と思ったら、物語の最初に呪いで兎のような姿であるプーカにされしまいビックリ。その後はずっとこの姿で冒険をします。

性格は真面目で優しく正義感に溢れ、まさに正統派王子様キャラでした。愛するベルベットを助けるために小さなプーカの姿で走り回り、自分とは名乗らずに彼女を守ろうとする姿がとてもかっこよかったです。


『妖精の国の物語』の主人公、メルセデス

おてんば姫の冒険的なお話かと思いきや、母の死や身内の裏切りを乗り越えて、偉大な女王としての成長していく壮大な物語でした。魔王との最終決戦を前に、味方軍の先頭に立ち行った演説には感動しましたね…

また、ベルベットの双子の兄イングウェイが呪いでカエルの姿になりこの物語に登場するのは予想外でした!メルセデスには王子様はいないのかな?と思ったら、まさかの君か。

他のカップルとは違い相思相愛のやりとりが見られるわけではないのですが、離れた場所にいてもお互いが支えとなり、それぞれ自分のすべき道を進む関係性が非常に好きでした。キスでカエルの呪いが解けるというのもロマンチックでイイネ!

 

『死と暗黒の剣』の主人公、オズワルド

グウェンドリンの王子様。実の親に見捨てられ育ての裏切られ妖精たちには忌み嫌われ、更には死の女王の呪いがかけられて…とにかく気の毒で仕方がなかった序盤~中盤。ワルキューレ編のエンディングでグウェンドリンとの幸せな未来を知っていたから耐えられたけど、知らなかったら耐えられただろうか…

終盤で明かされるまさかの出自や真実、そして愛する人の心を得てエンディングを迎える頃には大きく変化した彼を見ることが出来て感無量でした。幸せになってくれ。バーサーク化して戦う姿は不気味なかっこよさがあって良かったのですが、アクション下手の私には使いこなせなかった(笑)


『運命とともに』の主人公、ベルベット

落ち着いていて大人っぽい印象の彼女ですが、強い情熱を持って戦っている女性です。第一印象はセクシーな赤ずきんちゃん。凛とした可愛らしさがあり、上品な立ち振る舞いが素敵でした。私が実際にプレイしてみて一番好きになったキャラクターです。

終盤に向かうにつれてだんだんと幸せになっていったオズワルドとは違い、亡国の王女という立場と使命感も相まって彼女は終始思い悩み、身内に振り回されていたでいたイメージでした。コルネリウスとの逢瀬の時間は数少ない心休まる時間だったのかなと思おうと泣けてきます…祝福エンド後は今まで苦労した分、目一杯幸せになってくれ(2回目)。

 

最後に、本を読んでいる少女・アリスについて。ゲーム終盤にアリスの部屋からプーカ姿のコルネリウスとベルベットがコインを持っていく描写があったことから、本の中の物語とアリスが同じ世界を生きていることが分かりました。

アリスはプレイヤー目線としておとぎ話を読んでいるストーリーテラー的なキャラクターなのかと思っていたので、そう繋がるか…!と思わず声が出てしまいましたね~

恐らくはこのコインこそが最後のコインで、アリスは終焉のずっと先の世界に生きているグウェンドリンとオズワルドの子孫なのでしょうか。

 

絵本の中に飛び込んだかのような美しく幻想的な世界、皆さんも是非プレイして体験してみてくださいね。

17.天外魔境2 卍MARU

今回は天外魔境2について書いて行こうと思います。2021年12月18日にクリア、プレイ時間は58時間でした。

※リンクはPS2のものです。

 

天外魔境2はハドソンからPCエンジン用ソフトとして1992年に発売されたゲームです。天外魔境シリーズはZEROの序盤のみ小さい頃にSFCで遊んだことがあり、本作はVitaでアーカイブを購入してプレイしました。購入自体は5~6年ほど前にしており中盤までは遊んでいたのですが、とある場面で積んでそのままになっていました…詳細は後程。

 

・圧倒的なクオリティ

プレイ前から名作だと噂は聞いておりましたが、実際にクリアしてみてその理由がよく分かりました。ストーリーは分かりやすい勧善懲悪だしそこまで目立った特徴は無いと思うのですが、本当に完成度の高い作品でした…!力強い迫力とドロドロとした不気味さが合わさったゲームの雰囲気は唯一無二だと思っています。

 

驚いたことは色々あるのですが、一番はアニメーションムービーの質と量でしょうか。本当に30年前のゲームか?と思うほどに何もかもが規格外。OPはキャラクター紹介も兼ねた壮大なムービーで一気に世界観に引き込まれ、ストーリー中では「30分に1度大きなイベントが発生する」と謳われているように何度もムービーが挟まります。しかも豪華声優によりボイス付!

アニメーションというだけでも凄いのに、フルボイスとは…何年時代先取りしてんだといいう話です( ゚д゚)テレビゲームの可能性に当時の子供たちはさぞ驚いたことでしょう。後述のとあるムービーでは台詞、演出、クオリティ全てにとても感動して思わず涙が出ました…

 

また、物語を彩る楽曲もどれも素晴らしいものでした。音楽担当はジブリ等でお馴染みの久石譲氏です。力強いOP曲やダンジョンで流れる不気味な曲、緊迫感のある戦闘曲…どれも印象に残る心地よいメロディでしたね。

中でもフィールド曲は勇ましさと爽やかさを兼ね備えた壮大な楽曲となっており、フィールドで放置してしばらく音楽を楽しむ時間もあるほどでした。

 

・印象に残るストーリー

このゲームのストーリーは主人公・卍丸たち『火の一族』と敵である『根の一族』の対立を描く物語です。千年前の火の勇者たちが残した聖剣を1本ずつ取り戻してジパング各地に咲いた『暗黒ラン』を斬り、世界征服を企む根の一族を打ち倒すストーリーはまさに王道RPGといえますが、その道中は驚きのイベントがてんこもり。トラウマになるような出来事やこれ子供に見せて大丈夫!?といったイベントの数々に圧倒されました。

例えば、ネットで有名な浜田村の話。敵に豚に姿を変えらた村人たちが隣の浜田村に助けを求めに来ましたが、元人間と知らない浜田村の人々は突然の食料に喜びそのまま食べてしまいます。卍丸たちが敵を討伐後、その事実を知った浜田村の住人達に話しかけると海に向かってひたすら嘔吐し続けておりました。その地を支配していた敵は倒したはずなのに村の雰囲気はどんよりとしており、BGMも暗いままです。本当に後味悪い話を書かせたらハドソンは天下一だな…(誉め言葉)。

 

他にも弁天様という妖艶な女性キャラが卍丸に対して「あと5年早く生まれていれば帰しはしなかったのに」と言ってきたり、意味深なことを話すNPCが多数いたり雑魚敵の名前がなんだか艶めかしかったり…制作陣が「もっと下世話に、もっと猥雑に」を本作のキーワードとして語っている通り、随所にエロティックな要素が散りばめられておりました。

根の一族である菊五郎バイセクシャルであり人質の男性にも手を出していた、ということもNPCの会話から分かることなのですが、これ子供の頃に見てもなんのこっちゃとスルーしていたんだろうなぁ(笑)子供がやるのと大人になってからやるのとでは違う印象を受けるキャラクターやイベントも多そうです。

 

・キャラクター ~火の一族~

メインパーティーは途中抜けたり再加入したりはありますが4人固定です。全員火の一族であり、とても個性的で良いキャラ達でした。これはレトロRPGあるあるなのですが、皆キャラが立っているだけにパーティー内の会話が少ない部分は少し残念でした。卍丸との会話はあっても、テイルズのスキットのように全員で会話をする場面はほぼ皆無です。

そんな中、先ほど少し触れたとあるムービーとその前後のイベントでは全員が会話をするんです!とても貴重なイベントであると同時に天外魔境2屈指の名シーンだと思っています。

 

それはパーティーの紅一点である絹が覚醒し、鬼の力を解放するシーンです。彼女はその強大な力の暴走を恐れて自身の手を純潔の鎖で繋ぎ、力を封印しておりました。そのため、ここまで彼女は戦闘で通常攻撃のコマンドが選択出来ず、技や道具使用で補助に徹していました。

旅の途中で絹の死んだはずの母親が登場し、絹はそれを追います。が、実はそれは偽物であり、正体は絹の両親を殺した張本人・根の一族の吹雪御前でした。自分を騙したこと、そして自分を追って助けに来た卍丸たち仲間を傷つけたことに怒った絹は自分の本当の名前「鬼怒(きぬ)」を名乗り、吹雪御前を殺害します。

ちなみにこの覚醒シーンのムービー、残虐すぎるという理由で先程の浜田村の悲劇や弁天様のビジュアルと共にリメイク版では規制がされました…笑

鬼の力を解放し大暴れしてしまった鬼怒。すべてに絶望し、もう生きていたくないと言い崩壊する城から卍丸達を脱出させたあとひとりその場に残ります。そんな彼女を見捨てられない他の3人がそれぞれの思いを口にして救出に向かうのですが、そこで流れるムービーでは基本話さない主人公・卍丸が長い台詞を喋ります。

「絹の背負ってる悲しみも苦しみも、全部まとめて今日から俺が背負ってやらぁ…運命なんてクソくらえだ!」

特に印象深い一文です。もうね、この一連のイベントがめちゃくちゃ良いんですよ…!本当に色々なことを乗り越えた物語終盤での出来事ということもあり、今までの冒険を思い出しながら号泣してしまいました…

そして、励まれ立ち直った絹は無事パーティーに復帰します。新たな鬼の力を得て攻撃コマンドも解禁、戦闘でも大活躍してくれます。火の勇者たちの団結力が更に深まった素晴らしいイベントでした( ;∀;)

 

サブキャラクター達も主人公一行に負けないくらい個性的でどのキャラも強く印象に残っています。冒険をサポートをしてくれる伊賀忍者の百々地三太夫や絹の飼い犬シロ、陽気な宣教師ホテイ丸ら味方キャラクター達は戦いの中で卍丸たちに先に進む道を示して犠牲になってしまうのですが、エンディングでは皆蘇ります。というか根の一族によって殺されてしまった絹の両親や千年前の火の勇者たちまで蘇ります(笑)

まさかのドラゴンボール展開にえっ全員!?良いの!?となりましたが、キャラ達が犠牲になって行くシーンはどれも本当に辛くて凹んでいたので、大団円で良かったな…と思いましたね。

 

・キャラクター ~根の一族~

そして、味方以上に良い味を出して物語を盛り上げてくれたのが敵である根の一族の面々です。ボスキャラは骸骨や虫、植物を模した鬼だったり人の姿に化けていたり機械化していたりと多種多様で、全員とにかく不気味なデザインです。これは雑魚敵にも言えますが、ビジュアルから恐怖を抱かせることの出来る根の一族キャラデザは本当に秀逸です。

デザインは本当に怖いのですが、意外と普通に話せたりかっこよかったり、中にはコミカルなイベントまで用意されているキャラもおり、その温度差がまた魅力の一つだと思っています。先ほども話題に出した菊五郎は仲間キャラであるカブキ団十郎とライバルであり、フルボイスムービーで低レベルな言い争いをしたり何故か変装対決をしたりします。この対決はだんだん規模が大きくなり、最終的にはジェット機になったりしてましたね(笑)時代や設定を全部無視したはちゃめちゃっぷりに笑わせてもらいました。

 

もう一人印象的なのはデューク・ペペというキャラで、ビジュアルは小柄で弱そうな中年おじさんです。妻のマダム・バーバラと共に序盤のボスとして登場し(こちらは巨大でかなり怖い)、妻のサポートのような立ち位置で戦っておりましたが卍丸たちがバーバラを討伐、その後ペペはいなくなってしまいます。

あまりの影の薄さに普通に存在を忘れて冒険をしていたら中盤でまさかの再登場。最愛の妻の仇と襲い掛かって来るのですが、同時に「卍丸、愛してるよ」と謎ヤンデレ化してボロボロになりながらも追いかけられ、何度も戦う羽目になります。戦闘曲も狂気という感じで怖かったな…。挙句、力を求めて自らの身体を改造し最終的には機械化したペペと戦って終了します。

純粋さとわけわからなさが同居して最強に不気味でしたが、何故か憎めずむしろ愛着すら湧いていました…そのインパクトの大きさからか、案の定世間的にも人気キャラのようです(笑)

 

・戦闘難易度に心が折れかけた話

敵キャラに対する恐怖は見た目だけではありません。その戦闘力はそれはそれは凄まじいものでした…ボスはもちろん道中の雑魚敵もかなり強く、おまけにエンカウント率も高く雑魚相手に普通に全滅します。頻繁に全滅する前提で作られているからか、所持金が減る等のペナルティが無いのが救いでした。

初回プレイ時に私が積んだ理由もこれです(笑)出雲大社で序盤に倒してきたボス(の霊)と連続で再戦する、いわゆるボスラッシュ場面の難易度に屈してしばらく積んでしまったわけですね…。装備や技配置を見直しレベル上げをしても勝てず、沢山作戦を練っては一つずつ試して試行錯誤を繰り返し、ようやく突破出来ました。

この出雲大社もですが、セーブポイントからボスまでの道のりが長いのもまた苦労ポイントです。ボス戦のために技値を温存しつつ、強力な雑魚敵を蹴散らしながら進みボスに挑み敗北してまたセーブポイントから進み…の繰り返し。戻し作業の時間はなかなか苦痛でしたが、ボスを攻略した時の喜びはすごかったです。時短に特化した今のゲームではなかなか味わえない達成感ですね!

…と言いながら、私はゆとり仕様に慣れきってしまったストーリーを楽しみたい派のゲーマーなので昨今のゲームではイージーモード安定ですが(笑)たまにはこういう歯ごたえのあるゲームも良いのかもしれませんね。

16.英雄伝説 黎の軌跡

今回は黎の軌跡について書いて行こうと思います。続きものとして有名な軌跡シリーズの最新作ですが、実は私はこの黎の軌跡がシリーズ初プレイ作品だったりします。

2021年12月5日にクリア、サブクエ等はすべてこなし、クリアに掛かった時間は95時間程でした。結構かかりましたね~。

 

・はじめての軌跡シリーズ

私と軌跡シリーズの出会いは約10年程前でしょうか。幼い私にゲームという世界を与えてくれた偉大な叔母がいるのですが、その叔母から空の軌跡碧の軌跡までのPSPソフト5作を譲り受けたことが始まりです。この時から興味はあり肌に合いそうだなとは思っていたのですが、その後色々あって積んでしまい…いつかやろうと思いながら10年の月日が経っておりました(笑)

積んでしまった理由の一つとして、「シリーズがほぼすべて繋がっている」という点があります。中には軌跡と名前がついていても独立している作品もあるようですが、基本的にシリーズはソフトを越えてストーリーや設定が繋がっているとのこと。

つまり、話をしっかりと追うためには初代・空の軌跡FCから順番にすべてやらなければならないということですね。正直、気軽に始められないシリーズだなと思います。

当時の私も「かなり時間が掛かりそうだし時間が出来たら一気にやろう…」と思い、結局出来ずにいたわけです。ちなみに2022年3月現在でシリーズは11作+派生1作が出ており、更にはその軌跡シリーズも『英雄伝説』シリーズの一部とのこと。最初に聞いたときは新規層を引き入れる気は無いのか!?と思っちゃいました(笑)

 

しかし、冒頭でも書いたように私は11作目の黎の軌跡がシリーズ初プレイになります。何故シリーズ途中から始められたのか。それは、今作は世界設定は今までと同じながらも冒険の舞台が新たな地方に変わり、メインキャラクターが一新したからでした。

サブキャラとして前作までのキャラクターが登場したり今まで起こった出来事が話題に出たりはするので、当然歴代シリーズをプレイしていた方がずっと楽しめるとは思いますが、ここから始めても普通に楽しむことができました。私は本作クリア後に改めて空の軌跡から順番にプレイして行っております。先は長い…

また、この黎の軌跡はシリーズ後半戦の第1作ということもあり区切りが良いように思います。PS4の美麗グラフィックやシステム面も近年のゲームらしくとてもプレイしやすいので、軌跡シリーズが気になっているけど自分に合うかわからない…という方は、私のように本作から始めてみるのもアリかもですね。

ちなみに私はふと訪れたホームページのキャラクター一覧でアーロンに一目惚れをして黎の軌跡プレイを決意しました。アーロンがいなかったら軌跡シリーズの履修が数年遅れていたと思います。彼に感謝(笑)

 

・プレイして思ったこと

良くも悪くも情報量が多く、だらだらと長い印象でした。物語が動き出せばものすごく面白いのですが、そこに到達するまでがどの章も同じような展開やサブクエ消化に時間を当てることになりその時間がとにかく長いです。納得のプレイ時間95時間。

特にラスダン直前あたりは操作キャラクターを変えながら街に散らばる同じ敵を何度も倒し、バラバラになった仲間を一人ずつ助け出し…とかなりの長丁場で、すごく疲れましたね。メインパーティー以外のキャラクター達も一丸となって戦っている総力戦という感じだったので、演出的にはアツくて良かったっちゃあ良かったのですが。

 

物語は裏解決屋を営む主人公・ヴァンのところにヒロイン・アニエスが依頼をしに訪れるところから始まります。アニエスが持ち込んだ依頼を巡り、色々な勢力やキャラクターを巻き込んでどんどん大きな出来事に発展していくストーリーはとても面白く、夢中になって進めてしまいました。

ヴァンは裏解決屋という立場からも分かるように、正義漢というよりダークな雰囲気も持つ、頭の切れる落ち着いた男性です。年齢も24歳とRPG主人公にしては大人であり、彼を中心に展開するストーリーは結構暗い内容ながらも王道を感じさせるものでした。

 

・主人公・ヴァンのこと

先ほど主人公のヴァンは落ち着いた大人の男性だ~とは書きましたが、まぁ当然それだけじゃないんですよね。基本的にはパーティーの保護者であり頼れるリーダーですが、大の甘党で甘いものの前では大はしゃぎ。作中何回もスイーツを楽しんだり、甘いものに釣られて大変な依頼を受けてしまったりもしていました。かわいい。また、車やサウナ等も好きで、それらに関することだと生き生きとし出します。普段とのギャップ萌えも彼の良さの一つですね。

 

ヴァンは過去に色々あり、自身に強大な力を宿しています。そのこともあり、人を巻き込まないように他人を一定以上に近づけず、自分一人ですべてを抱え込もうとする典型的な自己犠牲タイプの性格です。彼の真相に近づこうとしてものらりくらりとかわされ、キャラクター達も私もやきもきしてました(笑)

そんな彼に、ヴァンさん大好き!な仲間達がぐいぐいと自分たちをもっと頼れと歩み寄っていく関係性がとても良かったですね。ラスボス戦直前にも、力に飲み込まれたヴァンを救うべく仲間たちが無謀な戦いを挑む展開があり感動しました…

メインパーティーキャラはみんなヴァンに救われ、彼を慕って仲間になります。純粋に好意を示すキャラも揶揄いながら接するキャラも様々ですが、みんな本当にヴァンを信頼しているんだなぁと感じられます。特にアーロンは普段は生意気な態度ばっかり取っていますが、終盤ヴァンが彼を助けに来た際に一瞬安心した表情になるのを見て心がぎゅんぎゅんとしました^^

アーロンといえば、仲間キャラのことを「オッサン」「小娘」等のあだ名で呼んでいたのですが、物語が進み信頼関係が築かれていくにつれてそれぞれ名前呼びになっていくのが良いなぁと感じました。しかもこれテキストだけじゃなくて戦闘ボイスも変わるんですよ!こだわり凄くない??

 

・サブキャラクター

このゲームの特徴として、とにかく登場キャラクターが多いことが挙げられます。メインパーティーの時点で8人と大所帯ですが、実はそれ以外にも戦闘に参加してくれるキャラが複数いるんですよね。期間限定ですが各モーションや掛け合いボイスまで用意されています。操作可能キャラも自動戦闘キャラもそれぞれ5~6人くらいだったかな?それ以外にも戦闘には参加しないキャラクターや敵サイドも含め、いわゆるモブじゃないキャラクターは今作だけで総勢50人程。ここには歴代シリーズキャラも含まれますが、それにしても多いです…!

 

終盤には主人公一行が別組織の面々と共闘する場面もありました。それまでのサブクエ達成状況や選択肢によってLAW、GRAY、CHAOSのグラフがそれぞれ伸び、その伸び率によって共闘可能な組織が変わってきます。私はGRAYとCHAOSの伸び率が高く逆にLAWが低かったため、正義の組織であるギルドだけ選択肢がありませんでした。ストーリー的にはここと組むのが一番正規ルートなんだろうなぁという感じ。

結局どこを選んだのかというと、一番悪役寄りの結社という組織にしました。キャラクターが良かったし、どう協力してくれるのかな?というのが気になったもので…結論、選んで良かったと思えたし大満足の共闘戦となりました!

選択可能な組織は4つありしかも物語終盤での出来事なので、組みたい組織が決まっている人はそれまでの章でグラフを調整しておかなければなりません。何気に取り返しのつかない要素だったりします。

 

顔グラの無いNPC達にも時間が流れている、というのも本作の特徴かと思います。モブキャラそれぞれにも名前や関係性があり、話しかけるタイミングで会話の内容が変わってくるんです。大きな事件が起こればそれに対して言及するNPCというのはよくありますが、このゲームは普通の時間経過でも会話が変わり、しかもその変化回数が多いんです。このNPCにも人生を感じらるというのは軌跡シリーズあるあるだそうですね。

主人公一行に依頼をくれるNPC達も街中で普通に生活しています。中には序盤にサブクエをこなしたキャラ達の日常の会話から悩みや関係が変化していくのを感じ、終盤にもう一度そのキャラ達の関係性を修復するサブクエが発生するという面白いものもありました。依頼者の男性と親友姉弟の複雑な三角関係が展開される様子は単なるNPCとは思えないほど設定が作りこまれており、3人の様子が気になってしょっちゅう話しかけに行っていました(笑)

 

・そして次作へ…

ゲームをクリアしてまず思ったのが、残された謎がとにかく多い!ということ。

主人公であるヴァンのこともあれだけ一緒に過ごした仲間のことも黒幕のことも、その過去や秘密はまだ一部しか解明されておらず、アニエスの持ち込んだ依頼も未達成のままです。がっつり続編を意識している感じ。なるほど、これが軌跡シリーズか……

続きはいつになるのかな~と思っていたら、早くも2022年秋に黎の軌跡Ⅱが発売予定との発表がありました。次作ではエレインあたりはプレイアブルキャラクターになるのかな?諸々楽しみですね~。そして私は発売までに何作軌跡シリーズをクリアできるのでしょうか…(笑)

15.くまのレストラン

今回はインディーズゲーム、くまのレストランについて書いて行きます。クリア時間は3時間程だったかと思います。

このゲームはiOS/Android向けにアプリとしてリリースされた作品です。2021年6月17日にSwitchで完全版として配信開始され、私はこちらをプレイしました。完全版からの新要素として、後日談エピソードや楽曲の追加があるようです。

私はこの作品を全く知らなかったのですが、Switch版リリースにあたって組まれた特集記事を見て興味を持ち、そのまま予約購入しました。懐かしいドット調のゲーム画面と可愛らしいキャラクター達による優しい世界観の作品なのかと思いきや、どうやら内容はかなりダークかつ感動的なものということで…

 

・まさかすぎる世界観~前半・天国編~

くまのレストランにはコックのくまと記憶喪失のねこがおり、プレイヤーはねこを操作してレストランのお手伝いをします。実はこのレストランがあるのは天国と地獄の境目であり、ここを訪れる客は既に死亡しています。この設定には初っ端から度肝を抜かれました(笑)

メニューの無いこの店では、やって来る客に対してリクエストされたものを何でも振る舞います。客が生前好きだったものや思い出の料理を出すのですが、中にはくまが分からない料理を注文してくる客もいます。そこで登場するのがねこの「ダイブ」という能力で、客の記憶から生前…というか死の直前の光景をのぞき見、客の求める料理の詳細を知ることが出来ます。ほのぼのしたタイトルからこの設定は想像出来ないでしょ…

 

客の死因は事故死や病死、自殺まで様々です。短い回想ですが、それぞれの辿ってきた人生や想いを知ることが出来、そして最期の瞬間を見届けることになります。序盤で既に泣けてしまい、すごいゲームだな…となりました。

この作業を繰り返していると、正体不明だったコックのくまについての話が少しずつ展開されるようになります。くまは生前、最愛の娘の気持ちに気付けず自殺させてしまった過去があり…この父娘を巡る物語がこのゲームの大筋なのですが、この時点ではこれ以上のことは語られずに前半パートのボスである悪魔と対峙する話へと移ります。

 

前半パートは、料理を振る舞ってきた客たちが天国行の電車のホームに集まる場面でエンディングです。天国行の電車があるということは、当然地獄行もあるということ。アプリ版では前半の天国編は無料ですが、ここから先の後半・地獄編は有料だそうです。続きがすごく気になる終わり方なので、これは絶対に買ってしまうわ…上手い商売だなぁ。Switchの完全版には前後編両方が最初から入っているのでそのまま続行しました。

 

・怖すぎる世界観~後半・地獄編~

悪魔との闘いに勝利したくまとねこですが、突然ねこが姿を消してしまいます。消えたねこを取り戻すため、後半パートでは今度はくまを操作します。お気づきの方もいるかもしれませんが、実はねこの正体は生前のくまの娘で、前半で不明のままだった二人の話が紐解かれていきます。

地獄行のホームに向かい、電車に乗ると前半では姿を見なかった人々が登場。この人たちは地獄へ向かう死者なのですが、詐欺師や犯罪者、独裁者といういかにも…という人から子供、看護師といった何故こちらに?という人まで様々なタイプがおりました。ホームで出会った女の子・ドロシーに言われるがまま今度はくまが地獄へ行く人々の記憶にダイブします。

地獄行の電車に乗るだけあって、やはり天国編よりも壮絶なものが多かったです。生前スリだった子供の死因は撲殺、患者に望まれた安楽死を与えるため殺しを続けた看護師は死刑でこの世界に来たとのこと。な、なんという……

 

一通り話を聞き終えると電車から何人かいなくなっています。電車の上に登ってみると、ドロシーが消えた人々を銃で撃っていました。このドロシーは地獄行の人々の魂の選別をし、反省の色を見せない救えない魂を排除する役目を持っているのだそうで。

ここで撃たれた人は地獄へは向かえず、先ほどの子供や看護師など改善の余地ありとの判断された何人かはそのまま地獄へ向かいました。地獄へ向かえた魂は転生が可能ですが、そうでない魂は虚無へと堕ちそのまま消滅してしまうとのこと。いや~~~本当に可愛らしいゲームビジュアルからは想像できないダークな世界観ですよね…

そして、ここである男を撃つか撃たないかの判断がくまに委ねられます。実はこの男、子供の頃にくまの娘をいじめていた張本人でした。大人になっても悪いことを続けていたようで…子供時代の男はくまの娘を学校の屋上に締め出し、そこからの脱出を試みた娘が誤って転落してしまうのが娘の死の真相でした。自殺したわけではなかったんだね。私は結局撃たずに甘いね、と言われドロシーが撃ち終了。

 

地獄に到着しドロシーとも別れ、虚無にいるというねこの元へ向かうため今度はカロンの河を渡ります。船守のカロンさんは明るく陽気な癒しキャラでした(笑)そして虚無を散策し遂にねこを発見するも、消滅しかけていました。

ねこと仲良くなったナイティという名の悪魔が言うには、ねこを助けるにはドロシーから受け取った希望の灯を使い、ねこにダイブをしなくてはなりません。しかし、これを使ってしまうともう元の場所には帰れなくなり、そのまま消滅するしかなくなると…くまはこれは使用しねこの記憶にダイブ、幸せそうな記憶を辿った後徐々に画面は暗くなり二人は共に消滅してエンディングを迎えます。

…まさかのバッドエンド?ということはなく、つづきからを選択するとナイティが登場、話をしていると自分がいなくなっても忘れないでくれるか?と聞いてきます。それに答えると覚悟を決めたと言い笑って消滅し…スタッフロールに突入、そこではくまが以前通りにレストランを営む光景が。ナイティが自分を犠牲にしてくまとねこを助けてくれたのでしょうか、これが真エンドです。

 

短い作品なので描写不足や無理やり感のある点(特にナイティ周り)も多々あり気になったりはしましたが、細かいことを抜きにすると素朴ながらも圧倒的な雰囲気の世界観を楽しむことが出来ました。戦闘や難しい謎解きは無く、小説…というより絵本を読んでいるような感覚で気軽に遊ぶことができ、心が浄化されたような達成感を得られてよかったです。

14.テイルズ オブ アライズ

今回はテイルズオブアライズについて書いて行きたいと思います。このブロブでは2作目のテイルズ記事ですね。2021年9月26日にクリア、プレイ時間は58時間程でした。

 

当時積ゲーも多く発売日に購入するつもりは無かったのですが、公式Twitterの告知やムービーを見て興味を持ち体験版をプレイ、そのまま発売直前に予約してしまった作品です。宣伝上手いよなぁ…

 

・まさかの王道ストーリー

いつも通り事前情報は軽く把握した状態でプレイを始めたのですが、世界観にしてもキャラクターにしても王道とは程遠い印象を持っていました。

アライズも昨今のテイルズに多いクールなダークヒーローによるビターエンド系なのかな~と考えておりましたが、結論から言うと真逆のテイルズ屈指の王道ストーリー、そしてハッピーエンドでしたね。

エンディングでは主人公とヒロインの結婚式のイラストが描かれ、みんな幸せそうに笑っているといういかにもRPGらしい純粋なハッピーエンドでした。

私個人の趣味としてはここ数年のテイルズのようなビターエンドが好きではあるのですが、たまにはこういったすっきりとしたハッピーエンドも良いなぁと感じました。

 

・主人公とヒロインについて

先程も少し書きましたが、キャラクタービジュアルを見てまず思ったのは「アライズもベルセリアと近いダークヒーロー系なのかな?」ということ。というのも、事前情報で主人公のアルフェンは黒い鎧に落ち着いた雰囲気、ヒロインのシオンはクールそうな表情でツンツンした印象を受けており、物語序盤までは二人ともそのイメージとあまり変わらなかったからです。ボーイミーツガールな始まりではあるものの、この二人で王道展開は無いだろう…と思っていました。

そんなアルフェンとシオンですが、プレイ前後で一番イメージが変わったのはこの二人でした。特にシオンのイメージは良い方向にかなり変わりましたね…!圧倒的なヒロイン力でした。冒険が進むにつれて後述の二人の関係や意外な可愛らしい一面を知ることが出来たので、どんどん好きになっていきました。ちなみに他4人のパーティーメンバーについてはおおむねイメージ通りの良いキャラでしたね。

 

二人の物語での関係を簡単に説明しますと、生まれた時からの呪いで人と触れ合うことが出来ないシオンと記憶と痛覚の無いアルフェン。シオンの呪いは人に触れると相手にダメージを与えるもののため、出会いたての頃はアルフェンだけは普通にシオンに触れることが出来ました。

しかし、二人の心が通い合った頃にアルフェンの記憶と痛覚が戻り、簡単には触れ合えなくなってしまいます。微妙な距離感のまま物語は進み、実はアルフェンは300年前の人物であることが判明。そしてシオンの呪いには300年前にアルフェンとシオンの先祖が引き起こした出来事が大きく関わっており…と、この二人の周りだけでだいぶ壮大な物語が展開されています。

 

最初のころのシオンは呪いのこともありとにかくクールでツンとしていて誰にも心を開いていませんでしたが、冒険で様々なことを経験し、仲間との関わりの中でどんどん本来の心優しい素直な性格を取り戻して行きます。ベルセリアのベルベットと近いものを感じますね。

そしてアルフェンとはお互い触れ合えなくなっても強く惹かれあい、物語後半にはテイルズ1、2位を争う程のラブラブっぷりを見せつけてくれました。ラスボスを倒すと無事に呪いが溶けて喜んだ2人は抱き合ってキスをし、そして結婚と…こんな展開誰が想像出来ただろうか…?

それぞれ辛い生い立ちだしとにかく幸せになって欲しいと思ってはいましたが、最終的に私の理想の遥か上を行くハッピーエンドで安心しました(笑)

 

また、このゲームは2部構成の物語なのですが、この2部の途中で重要なイベントを経てアルフェンとシオンは衣装が変わります。ちなみに2部からはOPも変わる徹底っぷり。プレイヤーはここで初めて新衣装の二人を目にします。曲も昔からよく知る名曲、Hello,Againのカバーでこの演出には感動しました…。

アルフェンは仮面が取れ、白い騎士のような鎧になり一気に正統派主人公の風格が…!FF4のセシルが暗黒騎士から聖騎士になったイベントを思い出しましたね。シオンもより以前より可愛らしい感じの衣装になり、雰囲気も明るくなりました。

 

・キャラクターについて思うこと

アルフェンとシオンについては壮大なラブストーリーが用意されておりました。では他のパーティーキャラ4人についてはどうかというと、それぞれメインのイベントがありロウとリンウェル、キサラとテュオハリムのペアでそれぞれいい雰囲気に。

恋愛面で言うと正直な話、美男美女だけのパーティーで全員が綺麗にカップルになるのはあまり好きでは無いんです。ブレセカの記事でも似たようなことを書きましたが、片思いだったりNPCに恋人がいたり、そういう話とは無縁のキャラもいたり…といった多様性が好きなので…

ただ、ペアとしてはどこも魅力的でスキット等が充実していることもあり、楽しく冒険することが出来ました。支配する側される側の人種混合パーティーの為ギスギスしていた時期(特にリンウェルのシオンやテュオハリムに対しての態度)は結構きつかったですが、信頼関係が深まりだした中盤以降には面白いスキットも沢山ありましたね。

 

特にテュオハリムがめちゃくちゃいい味出してたな~と思います。物語ではシリアスな面や威厳あるかっこいい姿を見せてくれたテュオ様ですが、それを上回るボケっぷりで私の中での最終的なイメージはマイペースおじいちゃん(笑)テイルズおなじみ温泉イベントでも大活躍で、彼にはかなり笑わせてもらいました。

テイフェス2021で発表された歴代キャラクター人気投票ではなんと1位に輝き、実際プレイしてテュオ様にやられた人たちが沢山いるのだなぁと感じました。私もアライズではテュオ様が一番好きだったので、結果をみて驚きながらも大喜びしたなぁ。ちなみに私が投票したのはハーツのヒスイです。

 

ここからは個人的に残念だなと思ったことです。色々書いてきた通りメイン6人についてはとても充実しているのですが、敵はじめサブキャラクターの登場回数や情報があまりにも少ない、ということがアライズで一番気になった点でした。というか、そもそもサブキャラクター数が極端に少ないんです…目立った活躍をする味方サブキャラはロウの父ジルファとキサラの兄ミキゥダくらい?

敵も、メインキャラそれぞれと関係のある幹部キャラ達はとにかく影が薄いし(正直名前も思い出せない)、ボスのヴォルラーンは悲しい過去やアルフェンとの因縁があったのにも関わらずそのあたりをあまり描かれずに終わるし、真の黒幕のことも終盤に一気に判明する感じで…敵側のドラマがほぼ描かれません(´;ω;`)

今作は主人公一行にスポットライトを当てていたのはよく分かりますが、直近にプレイしたベルセリアや他テイルズは敵やサブキャラが非常に魅力的で好きになることが多かったので少し寂しかったです。特にヴォルラーンはかなり好みのキャラをしているので、今後の過去掘り下げに期待。