のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

34.ポケットモンスター スカーレット

今回はポケモンの最新作、スカーレットの記事です。メインシナリオは2022年12月6日にクリア、プレイ時間は寄り道や探索含めて約38時間程でした。

 

・今作の特徴

今回のポケモンは学校生活がテーマになっています。

とはいっても、校内で授業を受けるだけではなくメインは課外授業の『宝探し』。この宝というのは特定のアイテムではなく、出会いや経験等それぞれによって違います。生徒たちは各々やりたいことを自由に行い、冒険の中で自分だけの宝物を見つけよう!という趣向のもの。なかなか洒落てますよね。

自由にというだけあって従来のポケモンとは違いチュートリアル後の行動に制限はされておらず、好きなようにオープンワールドを冒険できるのが今作の特徴です。ジム巡りを優先してもよし、探索をしてもよし、悪の組織をつぶして回ってもよし…まぁジムリーダーや野生ポケモン等のレベル差はかなりあるので、結果的に(特に序盤は)回る順番は多くの人が同じようになるとは思いますが。

 

あと特徴的なのはテラスタルですかね。トレーナーの持つテラスタルオーブの力を使ってポケモンの技を強化する機能なのですが、元々のタイプではないテラスタルタイプを持っているポケモンもいます。例えばでんきタイプのテラスタルを持つピカチュウはそのままでんき技が強化されるようになるが、ひこうタイプのテラスタルを持つピカチュウはテラスタルするとひこうタイプに変化する…てな感じで。

ストーリークリアだけだとそこまで必要ないし、実際に私もあまり使用しませんでしたが対戦する方々はこれが結構重要になってくるみたいですね。

 

そして、今作で一番強く感じたのは良くも悪くもジェンダーや対象年齢を意識しすぎてしまっているということです。

宝塚の男役的なイケメンな女性キャラや美少女のような可愛らしいビジュアルの男性キャラが出てくるのはよく分かる、私も大好物です。主人公のキャラメイクでも男女差は無くなっており、どちらでも化粧が出来たり体格を変えられたり出来るようになったのはとても良いことだと思います。

また、いわゆる”女性らしい”と言われるような、家庭的で料理が得意だけどバトルは苦手な男子生徒・ペパー君やそれとは逆に生徒会長兼チャンピオンでありバリバリのバトル好きの女子生徒・ネモちゃんのキャラ設定も分かる。

しかし、そういったジェンダー平等的な考えがメインキャラクターの一部だけという訳ではなくあまりにも世界に蔓延しすぎており、逆に女性らしい女性や男性らしい男性を極端に減らしすぎでは?と感じました。モブトレーナーも体つきの逞しい女性だったり、ロングヘアーにひげ面の男性など多様性に富んだ容姿となっており、ミニスカートの女子学生ややんちゃな虫取り少年のようないわゆるテンプレルックスのキャラクターは絶滅危惧種という感じでしたね。

更に、アカデミーの学生と言いながら冒険の中で出会うモブトレーナーは学生服を着た中年~老齢のトレーナーが殆どであり、これも強烈に違和感を覚えました。いくつになっても学生として学んでよいという考えは素晴らしいですが、先ほどと同様にとにかく割合が多すぎる。どちらも今風な考え方だしとても大事なことではありますが、やりすぎ感は否めないな~という印象でした。

 

・メインシナリオ

今回のメインシナリオは『チャンピオンロード』『レジェンドルート』『スターダスト★ストリート』の3つがあり、そのすべてをクリアすると最終シナリオの『ザ・ホームウェイ』が開放されます。

 

チャンピオンロード

一つ目は従来のシリーズ作品のように各地のジムリーダーを倒し、四天王に挑んでポケモンチャンピオンランクを目指すチャンピオンロードです。先述した通りジムを回る順番が自由という点以外はシリーズおなじみなので、一番シンプルなシナリオかと。

ジムリーダーや四天王のキャラがいつも素晴らしいポケモンシリーズですが、今回も例に漏れずどのキャラも素晴らしかったですね。特に四天王のチリちゃんはこれは人気出るだろうな…と一瞬で理解できるほどに強烈なキャラでした。個人的にはようやく推しタイプのじめんに若くて正統派なイケメン女子が来てくれたことが嬉しいですね(笑)

四天王を倒した後は同じチャンピオンランクであるネモと対戦し、彼女に勝利するとクリアです。ラストバトルが同世代の友人兼ライバルというのはやっぱり爽やかで良いものですね~。ちなみにネモは想像を遥かに超えた面白いキャラで、そのバトル狂っぷりはなかなか衝撃でした(笑)

 

・レジェンドルート

二つ目は各地に存在する秘伝のスパイスを探すレジェンドルート。このお話は最終シナリオにも大きく関わっており、スパイス集めを主人公に依頼してきたペパー先輩と共に進みます。スパイスは全部で5つあり、それぞれのヌシを撃破することで獲得可能でスパイスはその場でペパーがサンドウィッチに調理してくれるのですが、これがまた美味しそうで…!

話を進めるにつれペパーはだんだん食事シーンで自分のことや何故スパイスを集めているのかを話してくれるようになるのですが、彼は大怪我をして衰弱し動けなくなってしまった相棒のマフィティフを元気にするために行動しているとのこと。5つ目のスパイスを与えると、マフィティフは無事に元気を取り戻して元通りになってくれます、本当に良かった…!最後のムービーで一瞬ダメそうな雰囲気が出てヒヤッとしたのはきっと私だけではないはず(笑)

ちなみに、このスパイスの入ったサンドウィッチは主人公のライドポケモンにも与えることになり、食べるごとに新たなライドアクションを習得してくれます。海を泳げるようになったり崖を登れたりと移動力が劇的に向上するので、最優先でクリアした人も多いのでは?

 

・スターダスト★ストリート

三つ目はアカデミーの問題児である『スター団』を壊滅させるスターダスト★ストリート。各地にある拠点にいるボス5人を倒し、最後にマジボスと呼ばれる創設者を引きずり出して撃破、解散に追い込むのが目的です。このことを主人公に通信で依頼して来た『カシオペア』の指示のもと行動します。

スター団はシリーズでいう悪の組織に相当しますが、別に世界征服とか大それたことは考えていないただの不登校集団ですね。しかし、スター団はその成り立ちが特殊で、アカデミーでいじめられていた子供たちの救いの場として結成されました。勢力を拡大していじめっ子や黙認していた教師に反撃しますが、事が大きくなりすぎて逆に目を付けられるようになって問題児扱い。

そんなスター団を解散させて団員たちを普通の学生に戻そうと『スターダスト作戦』を計画し、主人公に依頼したカシオペアの正体こそがマジボスでありアカデミー生徒のボタンでした。言っても聞かないから力づくでボス達を制圧しろというのも団員を想っての行動だったわけですね~。

まぁマジボスの正体やら何やらは読めた展開ではありますが、ボタンの心情とかボス達との絆のストーリーには普通にジーンときました。ボタンとは最後に戦い勝利するとクリア、スター団は校長の厚意もあり解散せずにハッピーエンドです。ボタンの手持ち6体はブイズで統一されてめちゃくちゃ可愛かったな。

 

・ザ・ホームウェイ

上記3シナリオをすべてクリアすると進行可能になる衝撃の最終シナリオ。ペパーの親であるポケモン博士(スカーレットだと母親のオーリム博士、バイオレットだと父親のフトゥー博士)からパルデアの大穴の奥底にある研究室に来てほしいと連絡を受け、ペパーとともに向かうことになります。パルデアの大穴は立ち入りを禁止されている危険地帯で強力な野生ポケモンが多く、また機械関係の操作も必要なため助っ人としてネモとボタンにも一緒に来てもらうことに。

主人公含めたこの4人組の最終パーティーで大穴の探索をするのですが、これがまた素晴らしく良くて…!ポケモンしかいない退廃的な雰囲気の雄大なマップやそこに不自然に佇む研究室は本当にポケモンか?と思ってしまうような世界観です。ライドポケモンに乗って大穴に飛び込むシーンのムービーや道中の会話なども、まるで大作RPGをプレイしているようでした。

途中でパラドックスポケモンと呼ばれる原始的または未来的な姿のポケモンと遭遇、このあたりから雲行きが怪しくなるのですが、どうやらこれらのポケモンは博士の研究で使用されていたタイムマシンによって現代に送られてきたと。さらに、博士は実験中の事故で既に亡くなっており、主人公に連絡をしていたのは博士の意思を受け継いだAIだったと告げられます。

最終的に楽園防衛プログラムと成り果てたAIとのラストバトルを経てタイムマシンの機能を停止、数多くの衝撃的事実を受けしんみりとした雰囲気を持ちながらも主人公たちは日常へと戻って行きます。

今まで裏設定や都市伝説レベルで怖い要素はあったにしても、今回はメインシナリオでここまで不穏な雰囲気を全面に出してきたことに非常に驚きました。すごく面白かった!

 

学園ものというイメージだったので発売当初はあまり期待していなかった本作ですが、結果的にシナリオもキャラクターも過去最高クラスに印象に残りました。自由度が高くオープンワールドを気ままに飛び回れるのも楽しかったし、ラストに訪れるパルデアの大穴のマップやそこに登場するパラドックスポケモンはまるでニーアの世界観のような独特な雰囲気でとても好きでした。異国的なBGMも非常に良いもので、珍しく耳に残る楽曲が多かったです。

ただ、動作がカクついたり強制終了が多かったりとシステム面で少し不安定なところが目立ったので、この辺りは修正されたら良いなぁとは思います。

シナリオをクリアしてもジムリーダーと再戦したりアカデミーで大会が開催されたりとやることはまだまだ沢山あるので、引き続きプレイして行きたいですね。

33.英雄伝説 碧の軌跡 改

今回は零の軌跡の続編、シリーズ5作目である碧の軌跡です。2022年11月21日にクリア、プレイ時間は42時間程でした。

今回も前作と同様PS4版にてプレイ。快適でした。

 

・前作との違い

物語は特務支援課がヨアヒム・ギュンターの起こしたグノーシス事件を解決した前作の数ヶ月後スタートです。空FC→SCの数時間後スタートからしたら結構時間が経過してますね。遊撃士協会や警察一課と協力してグノーシス事件に関わっていた残党を逮捕する序章から物語は始まります。

 

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特務支援課メンバー4人のうちティオとランディはそれぞれグノーシス事件の後処理のためクロスベル市を離れており、しばらくパーティーには加入しません。そこで、今作からは警備隊のノエル曹長と不良グループ『テスタメンツ』のヘッド・ワジが特務支援課の準メンバーとして加入してくれます。二人とも前作から物語に関わったりゲストメンバーとして戦闘に参加してくれてはいましたが、やはりメインパーティーとして加わってくれると嬉しいですね…!

真面目で正義感溢れるノエルや飄々とした性格のワジが加わり、更に拠点に戻ればムードメーカーのキーアや課長もいるので会話の幅も広がったように感じます。メインストーリーはもちろん、シリーズお馴染み濃ゆ~いサブクエストでのやりとりもとても面白かったです。

また、今作からは専用車を支給されたので各指定ポイントまで一瞬で移動が可能になりました。これがまためちゃくちゃ楽で、かなりの頻度で利用してましたね。ずっと運転してくれたノエル、本当にありがとうな!

 

そしてもう一つ大きな変化点といえば、やはり結社の介入でしょうか。前作では名前は出てきたもののクロスベルでの活動はまだしておらず物足りなく感じておりましたが、予想通り今作はがっつり出てきてくれました!やったね!

といってもリベールの時とは違い、今回は直接のボスというわけでは無く、あくまで結社が力を貸した人物が黒幕なんですけどね。結社の面々は次の計画の為に物語の途中でクロスベルから去ってしまい最後までの介入はしませんでした。

それでも新たな使徒や執行者が登場し出した中盤以降はとてもワクワクしました。同時にパワーインフレが凄いなとも感じましたが(笑)最強と謳われたカシウスさん以上の強者は今何人くらいいるんだろうな…

個人的にはカンパネルラとの戦闘がアツかったです。どうせ今回も召喚した機械兵を戦わせて自分は高みの見物なんだろうな~と思っていたらまさかの直接対決!カンパネルラは最初は可愛いけど底の知れないヤツだな~くらいの認識だったのですが、気づいたらシリーズ中でもトップクラスに好きなキャラクターになってました^^

彼も倒した後は帝国に行くといって消えてしまったので、次回以降のシリーズへの登場も確定している模様。活躍が今から楽しみです。

 

・キャラクターについて

結社以外は前作で登場したキャラクターが殆どでしたね。ただ、新たに顔グラが追加されたりボイスが付いた人物も多数おり、より賑やかになりました。

そして今回色々なキャラの真の姿も明らかになりました。例えば銀の正体がリーシャだということについて。これにはロイド達はかなり驚いていましたが、零の時点でプレイヤーには明かされていたことでした。

しかし、一般人と思われていたクロイス家のマリアベルやイアン先生が実は黒幕だったり、ワジが星杯騎士団の守護騎士だったということは(所々に細かいヒントはありましたが)一切語られておらず、かなりの驚きポイントだったのではないでしょうか。

私は事前にネタバレを見てしまったり発売の順番通りプレイしていないせいで普通に知ってる部分も多かったのですが、イアン先生に関しては普通に良い人と信じ切ってかつネタバレも一切踏んでなかったので普通に衝撃だったな…これネタバレを知らずにプレイした方々はそれぞれの正体に気づいたのだろうか。当時の反応とかも気になるところです。

 

特務支援課で保護していたキーアの正体も概ね予想通り、D∴G教団(を操るクロイス家)によって神を模倣して500年前に生み出された人造人間でした。時空間に干渉することのできる強い力を持っており、その能力をクロスベルの平和や繁栄のために利用しようとしたのがマリアベルやイアン先生というわけですね。

実は特務支援課の面々も零の軌跡のラスボス・ヨアヒムとの決戦の際に殉職しており、悲しんだキーアが時間に干渉して無かったことにしていたとのこと。零のゲーム開始時にロイドが見ていたラスダンに挑む特務支援課4人の夢は、本当にあったけどキーアによって無かったことにされた出来事だったわけね…!約70時間越しの答え合わせでした。

 

マリアベル達の目論見に対してロイド達はあくまで自我を持ったキーアを犠牲にできないこと、そして悲しい出来事を乗り越えて生きてきた人々を否定するのは違うとして反論、ラスボスを撃破しキーアを奪還してハッピーエンド!…かと思いきや、キーアの力が失われたことで、その強大な力によって対抗できていた帝国の侵攻に耐え切れずにクロスベルは帝国の支配下に置かれることになり、ここで物語は終わります。いや後味悪すぎん?

大切な仲間を守るためとはいえ、主人公たちの決断によってこの展開を迎えることになるというのは何とも酷な話だ…まぁエンディングでは主要キャラクターが全員集合してる明るい未来のイラストもあったし(調べたら2年後らしい)、これからの作品できっとクロスベルの今後についての何かがあるのでしょう。

 

・零、碧(クロスベル自治州編)の総括

碧では大陸全土を巻き込んでいるとはいえ、両作とも舞台はあくまで小さな自治州内のみなので空や黎と比較すると若干スケールが小さいという印象は正直ありました。

しかし、キャラクターの完成度はとても高く、陰謀渦巻く都市での人々のドラマは非常に面白く飽きずに進めることが出来ました。身分を隠して活動する者たちの探り合い、裏社会出身の仲間たち、味方かと思っていたら実は敵だった等の衝撃の展開の数々…良い意味でも悪い意味でも、他国から人々が集まりやすい自治州ならではの良い点かもしれません。

 

シリーズお馴染み殲滅天使ことレンのお話に関しても、このクロスベル編で一区切りつきました。彼女の生まれ故郷であるクロスベルで様々な経験を経て、零のエンディングで晴れてブライト家の一員になる決意をした様子。

おしゃまでわがままな執行者として登場した空での姿も小悪魔的だけど優しくて頼れる先輩として登場した黎での姿も知っているので、点と点がやっと繋がってひたすらに感動しましたね…まさにレンの軌跡という感じです。

 

あと気になった点でいえば、今作から好感度システムが採用されており、特に碧ではそういった点がかなり露骨だったように思います。主人公のロイドの天然ジゴロっぷりが炸裂したおかげで、パーティー内外問わず女性キャラとのイベントは特に多かったですね。

RPGにこういう要素はあまり求めてないんだけどな…という気持ち反面、キャラクターの理解を深めるうえでは良いのかもという気持ち反面で見ておりました。好感度イベントでいえば、碧インターミッションで訪れる保養地ミシュラムでのアクティビティは種類も会話パターンも多くで楽しかったです。リゾートに向かった先で事件に巻き込まれるのは伝統なんだなぁ。

ちなみに私はワジ君全振りでしたね(笑)第一印象から決めてました。

 

クロスベル編は個人的にはやはりキャラクターの魅力が爆発していたなと思います。次回からはエレボニア帝国編、パッケージを見てもガラリと雰囲気が変わりそうなので今からドキドキです。

32.英雄伝説 零の軌跡 改

今回は空の軌跡3部作の続編にあたるシリーズ4作目、零の軌跡についてです。

2022年11月11日にクリア、プレイ時間は35時間程でした。夢中になって進めてたら1週間でクリアしちゃった…笑

 

以前の記事で空~碧の5作はPSP版を所持しているからPSPでプレイする!と言っておりましたが、零と碧はPS4版を購入しこちらをプレイすることにしました。

その理由はただ一つ、イベント&フィールド2倍速、戦闘4倍速に切り替えが可能だからです。空の軌跡プレイ時に戦闘のテンポの悪さがかなり気になったのに加え、本作も結構な長丁場になるという噂を耳にしたので購入を決意しました(笑)

実際かなり快適で、サクサク進めることが出来ましたね。普通にプレイするより数時間、アイテム収集やサブクエ消化等のやり込み具合によっては十数時間は時間短縮になるのではないかと。他にもフルボイスやら高画質、高音質化などの様々な恩恵はあるし、本当に買って良かったな~!

 

・冒険の舞台

物語は空の軌跡3rdから数か月後の世界で、今度の舞台はゼムリア大陸の『クロスベル自治州』です。地理的には閃シリーズ(まだ未プレイですが…)のエレボニア帝国と黎シリーズのカルバード共和国に挟まれている小さな自治州であり、中心であるクロスベル市は国際貿易や金融業、舞台芸能等で栄える近代的な都市です。

しかしその反面、政治は帝国派と共和国派に割れて常に揉めており議員の汚職やマフィアとの癒着、そして犯罪に対しても圧力が掛かるためマフィアがやりたい放題している等とにかく腐敗しきっています。空シリーズのリベール王国は清く正しく心優しい女王が治める牧歌的イメージな国だったこともあり、差がすごいこと…

 

そんな中で市民のヒーローであり圧倒的信頼を得ているのがお馴染み『遊撃士協会』。今作も悪を許さず弱きを助ける彼らが主役…と思いきや、遊撃士協会のライバル的組織であるクロスベル警察が今回のメインです。

クロスベル警察に所属する主人公・ロイドと仲間のエリィ、ランディ、ティオはそれぞれの事情を抱え新設部署『特務支援課』に配属となり市民の為、そしてクロスベル自治州の未来の為に奮闘することに。

 

・警察と遊撃士

遊撃士は頼りになるけど警察は立場が弱そうだな…というイメージがある軌跡の世界。クロスベルでも例に漏れず警察は何かと遊撃士と比較されては落胆されており、市民の信頼を失っていました。まぁ実際マフィアや犯罪組織のあれこれを見て見ぬふりしてたり上層部の不正とかもあるし…ね。

プレイヤー的にも空3部作でエステルたち遊撃士たちが大活躍だったこともありその比較はしやすく、あえてその遊撃士のライバル的立ち位置の組織を主役に据えるのは上手い作りだな~と思いました。ただ、遊撃士協会は民間団体であるため国家権力に介入できないという弱点があり、このあたりは警察の強いところだったりするんですね。

ロイドたち特務支援課の面々も遊撃士を意識しながらも関係性は良好であり、クロスベル随一の強さを誇る遊撃士・アリオスや前作主人公のエステルとヨシュアと協力しながら事件に立ち向かうストーリーはワクワクしました。

 

・キャラクター

主人公の特務支援課4人は一気に仲間になり基本的にパーティー固定で、たまにゲストキャラクターが参加する感じです。メインキャラクター達はみんな賢く優秀なタイプなので会話のストレスとかは全然ありませんでしたね。改めて考えると本当にエリート揃いのパーティーだな…

特にロイドは正義感溢れる真面目で心優しい青年であり、エステルとはまた違ったタイプの典型的な主人公でとても良かったです。その素直さとかわいい弟キャラのおかげか作中でも男女ともにモテモテで私の大好物のやつ!!と終始大興奮でした笑

 

敵に関しては今作では結社は登場せず、物語で暗躍して事件を起こしたのは空でも黎でも話題に上がったG∴D教団の残党、ヨアヒム・ギュンターでした。教団の被害者がメインキャラクターの中に何人もいたり、彼自身が最初は良い協力者を装って登場していたこともあり、なかなか衝撃的でしたね。

ヨアヒムの陰謀を阻止し、物語としては一件落着で綺麗に終わりましたが流石の軌跡シリーズ、謎はまだ多く残っています。ロイドの兄・ガイの死の真相や中盤で救出した教団関係者キーアの出自や謎は最後まで明かされず…この辺りは次作に期待です。

 

RPGとしてシンプルに面白く、キャラクターの性格や各組織の関係性も把握できたし愛着も湧いたのですが、一つの事件を解決した!というだけで大きな盛り上がりは感じられなかったのが正直なところ。まぁ事件を起こしたのもヨアヒム個人だったし…

ただ、これはクーデター事件解決を主軸にしていた空FCと同じであり、次作では仲間たちの秘密が明かされたり敵キャラが沢山登場したりと物語が大きく動くと思うのでとても楽しみですね。

31.英雄伝説 空の軌跡 3rd

今回は空の軌跡3部作のラストである3rdについてです。2022年11月3日にクリア、プレイ時間は28時間程でした。

※私がプレイしたのはPSP版、画像はVita版になります。

 

明らかに続きを匂わせるFCと違い、SCは謎は残しつつも綺麗に終わったのでここからどう続くんだろう?と思っていたら、今作はSCから登場したパーティーキャラクターの守護騎士・ケビン神父が主人公のお話でした。

エステル達のイメージから空の軌跡といえば遊撃士というイメージがあったので、今回は教会方面か!そうきたか〜!と言う感じでしたね。ちなみに今回もクリアデータの引き継ぎがあり、SCのデータを読み込むことが可能です。

 

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・あらすじ

物語はSCのエンディングから半年後、成り上がりの商人が主催する豪華な飛行船での船上パーティーにケビン神父が潜入し商人が違法に所持、使用していた古代遺物を華麗に回収するのお仕事現場からスタートです。

ケビンの所属する七耀教会は古代遺物を収集する目的のもと動いており、ケビンと新人従騎士・リースは前作でエステル達の活躍によって崩壊した空中都市リベル=アークの残骸から発見された『方石』を回収する次の任務のためリベールへと向かいます。無事に方石は回収しますが、街を歩いているといきなり方石が光出し、突然現れた謎の仮面の人物と共に二人は『影の国』という謎の異空間に飛ばされてしまいます。

ケビンとリースはその影の国を探索する中で封印石という石をたくさん見つけることになります。その封印石には過去作の主要キャラクターたちが封印されており、次々と解放して共に謎を解きながら元の世界への帰還を目指すのが今回のストーリーです。

 

封印石から仲間になるキャラですが、最初に解放したティータ以外はユリアやミュラー、ジョゼットといった前作ラスト付近で仲間になったサブキャラクター達が序盤で仲間になったり、今までは仲間としてはあまり大きく物語に関わってこなかったキャラクターや敵として登場していたキャラクターが加入するなどお祭りゲー的な雰囲気が目立ちました。

パーティーキャラは多く、総勢16人もいます。連れ歩くメンバーによって会話が変わったり特殊イベントが発生したり、更には話が進むたびに拠点での台詞がいちいち全員分更新されていたりとかなり芸が細かいなぁと感じました。シナリオ量ハンパないだろうな…。

ちなみにラスダンは4人4パーティーに分かれての操作になるので全員参加です。そういえばFF6もこんな感じだったな〜仲間キャラが多いから出来る技ですよね。

 

・今作の特徴

一応前作の続きではありますが、ストーリー的には今までとはガラリと変わり、RPGとして物語を進めていくというよりはキャラクター達の解像度を上げる作品というのが本作のイメージです。

影の国を探索しているとあちこちに扉があり、その『記憶の扉』に入ることのできる指定されたキャラクター個人のエピソードを延々と見続けることになります。種類は長編エピソードの『月の扉』、短編エピソードの『星の扉』、ミニゲーム主体の『太陽の扉』があり、キャラによってはイベント戦闘、軽い探索が挟まる場合もありますが基本的に読み進めるだけ。エピソード数はかなり多く、中でも月の扉の5エピソードはどれも読み応え抜群で読んでるだけでもかなり疲れます…笑

内容は重い話もあれば日常の一コマのような面白い話など様々なタイプがありますが、そこで明かされる各キャラ達の過去の出来事や現在の心情を知ることで、キャラクターへの愛着がかなり強くなりました。

どれも本当によく練られたエピソードばかりで、本編と同じくらいに引き込まれてしまいました。泣きながら読んだものもある程です。何回も思ったことだけど、やっぱり軌跡シリーズは言葉の選び方や演出が秀逸なんだよなぁ…。

前作や前々作のような壮大なRPG!という感じではなかったですが、一人ひとりを掘り下げ、大切に描かれているという点でキャラクターオタクの私はとても楽しむことが出来ました。

 

今作の主人公であるケビンの過去については記憶の扉ではなく物語の大筋で語られますが、まぁやはり闇の深いこと…飄々とした底の見えないキャラだなぁという印象のキャラクターでしたが、最終章付近でその行動理念を知ってイメージが変わりました。己が背負うことになってしまった罪の意識や悲しい過去を乗り越え、人として更に成長して迎えたエンディングでの彼はとても良い顔をしていました。

幼馴染で今作のヒロインでもあるリースとも最終的に良い相棒関係となり、二人の今後のシリーズ登場も非常に楽しみです…!

 

・空3部作(リベール王国編)の総括

いや〜面白かった。FC、SCでがっつり王道RPGを体験させてから3rdで今度はキャラクター達の内面部分を補完する流れは長編シリーズならではの魅せ方だなと思いました。

メインやサブキャラクターは勿論、モブグラのキャラクター達に至るまでしっかりとした設定があり、生き生きと描かれているRPGだという点も印象的でした。ストーリーの内容が素晴らしいのもあるのですが、私はそれ以上にキャラクター同士の会話が本当に良いなと感じたんです。

ささいな会話から悩んでいる仲間への励ましの言葉、敵対している相手への語り掛けまで本当に心に響く台詞が多くて…先述した台詞パターンの多さも相まって、こういった部分を大切に作られているからこそ物語が更に面白くなるんだなぁと感心しましたね。

気になる点は、今のゲームに慣れてしまうとやはり戦闘や移動でテンポが悪いな~と感じてしまうところでしょうか。3rdではスキップやワープが使えたのでそこまででしたが、FCとSCでは結構気になりました。Vita版ではどの程度改善されているかは不明ですが、今からプレイするならまぁVita版の方が良いかと思います。ボイスやイラストも追加されてるしね。

 

また、リベール王国を舞台としたFCとSCは勿論、影の国を冒険した外伝的立ち位置の3rdですら最終戦には飛行船のアルセイユを使ったり、エンディングは教会の飛行船・メルカバで締めたりとタイトル通り空に由来したお話だったなぁとすべてクリアして改めて感じました。

飛行船で各地を旅したり、空賊が暗躍したり、グロリアスやアルセイユなど様々な飛空船が登場したり、空中戦があったり…SC終章でリベール王国のはじまりが空中都市リベル・アークだったと判明したときもおぉ…となったものです。リベールの飛空船活動がここまで活発なのは、やはりリベール人は無意識に空に憧れ、故郷に向かおうとするところから来るものなのでしょうか?

 

次からは新シリーズ突入ですね。3rdでは大人しくしてた結社がまた大暴れするのでしょうか、楽しみです。

30.英雄伝説 黎の軌跡Ⅱ -CRIMSON SiN-

今回は黎の軌跡Ⅱについて書いていきます。

2022年10月18日にクリア、プレイ時間は約63時間程でした。

 

・前作から変わったこと

主人公は引き続き裏解決屋として活動するヴァンであり、ストーリーも前作のエンディングの約2ヶ月後からのスタートです。基本的な内容は前作とほぼ同じですが、一部システムやメインキャラクターに変更がありました。

まず戦闘はスキップ機能が増えたりクラフトの強化が出来るようになり、ストレス無くかなりスムーズに出来るようになったように感じましたね。更にフィールドバトルの比重が増え、フィールドでも一部アーツが使用可能になりました。ラスボス戦でも強制のフィールドバトルイベントがあったりします。

難易度設定も前作以上に細かく変更可能で、VERY EASYにすればボス戦でも全く苦戦する事なく突破することが可能に。とにかくサクサクとストーリーを追いたい派の私にはありがたい仕様でした。

 

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戦闘系ではメインストーリーにも関わる『お伽の庭城(メルヒェンガルテン)』という新要素も今作より追加。仮想空間エリアを探索し、アイテムを集めたりボスを倒したりしながら攻略します。あくまで仮想空間上での冒険なので、その時別行動をしているキャラクターも編成可能です。

ここで沢山集めることの出来る「シャードトークン」を使用することで、先程書いたように技の性能を上げたり衣装を解放したりできるオマケ要素も魅力の一つですね。

 

キャラクターは前作から登場していたエレインやキンケイド、レン先輩、シズナ等は活躍の場が増えており、一緒に行動する場面も多くなっていました。ほぼメインパーティの仲間入りという感じ。

更に前作ではサブキャラクターとして登場した七耀協会の守護騎士であるセリスとリオン、過去シリーズに登場していたスウィンとナーディアを戦闘で使用することも可能に。この辺りは嬉しい追加でしたね。守護騎士は途中から空気だったけど。

逆に前作でメインパーティーの1人だったベルガルドさんや遊撃士フィー等はそれぞれの事情でヴァン達の側を離れており、たまに話題には上がるものの今作本編では登場せずムービー等に少し出演する程度でした。

 

あとは3D技術が進化したなぁと感じましたね。特にオープニングは疾走感ある映像で、熱い楽曲も相まってめちゃくちゃカッコいいの。たった1年でよくぞここまで…という気持ちになりました。

 

・ストーリーについて

ストーリーは前作で回収しきれなかった最後のゲネシスを探しながら、そこに関わる新たな謎や事件を追っていくのが本筋になります。

前作と違いメインに過去作のキャラクター達が据えられていることもあり、前作以上に今までのシリーズを経てもう一度プレイしたら感じ方も変わるのかなぁと思いましたね。

今作で特徴的なのは、この第八のゲネシスの力によるタイムリープが起きることでしょうか。様々な事件に巻き込まれ何度も命を落としてしまう裏解決屋一行ですが、その度に自動で時が巻き戻り何回も分岐点からやり直すことで最悪の未来を回避していきます。昔プレイしたラジアントヒストリアを思い出しました。

…まぁこの反則的な力のせいで若干緊張感が薄れてしまっている気もしなくはないけど(笑)

 

今回の敵としてはヴァンの変身するグレンデルの色違い版(?)であるグレンデル=ゾルガやそれを操るガーデンマスターが新たに登場しました。結論を言うとガーデンマスターは中ボスでグレンデル=ゾルガがラスボスですね。

ガーデンマスターはナーディアの実の兄でスウィンのかつてのパートナーであるエースの姿として登場しましたが、まぁ当然中身は別人。その正体は100年前の革命で謀反を起こした思想家オーギュストの魂であり、正直誰だ?となりました。アラミス編で少し話題には出ていたけどそれにしても地味というか…(笑)

そしてラスボスのグレンデル=ゾルガの正体は前作でアルマータが起こした事件の犠牲となったヴァンの兄貴分であるディンゴでした。クレイユ村で亡くなった彼ですが、その時に第八のゲネシスに取り込まれ意識は存在していたようで…これには普通に驚きました。確かにストーリー中やたらとディンゴの話題が出るし、グレンデル=ゾルガとしても途中から助言をくれたりしていたけどここには繋がらなかったな。途中で気付けた人いる!?

前作と比べたら少し印象の薄いラスボス戦でしたが、マリエルも含めてもう一度ディンゴと裏解決屋一行が束の間の再会を果たせたは嬉しかったし感動しました…!

 

・キャラクターのこととか

ストーリー2章までは出張として各地を巡るヴァンメインのsideA、ヴァン不在の裏解決屋を任されたスウィン、ナーディアメインのsideBに分かれており、その両方をクリアすることで先に進むことが出来ます。この辺の攻略パーティーは章によって決まっており、ほぼ固定なので色んなキャラと満遍なく行動出来ました。

 

また、今作では前、過去作で語られなかった仲間たちの出自や真実が多く明かされました。本編では勿論、断章や最終章で発生するコネクトイベントでもかなり重要な設定や情報が出されていたのには驚きましたね…コネクトは見れる回数が決まっていたため、私は結局セーブを分けて全員分を見ました。カトル君のVtuber(?)ネットアイドルデビューの話は手を叩いて喜んじゃった。カトレアちゃん可愛すぎる。

 

衝撃度で言えば断章で訪れたネメス島で起こったあれこれが群を抜いていましたね。シリーズ通して問題となっているD∴G教団について多く語られる章なのですが、教団による様々な実験やその被害者であるレン先輩やカトル君の過去はかなりのものでした…というか天使になったりVtuberアイドルになったりとカトル君の本編での振り幅すごいな。

 

あとこれは余談なんですけど、最終章のアラミス高等学校の学藝祭は空FCでやったジェニス王立学園での学園祭を思い出しました。すーなーが学校に編入(潜入?)したり、スウィンが大切なものを守る大博打として自信に暗示をかけたりと、エステルやヨシュアがやっていたようなことが散りばめられていたようにも感じました。前作の記事でも書いたけど、やはり空の軌跡オマージュが所々に見られたような気がします。

 

最後に少し全体の感想をば。巻き戻りのチートっぷりやボスの印象の薄さが悪目立ちした感も否めませんが、多くのキャラクターや組織にスポットライトを当てたシナリオ展開はキャラクターオタクの私としては大満足でした。流石のファルコムです。

前作からのキャラ、新キャラ、過去作のキャラを上手く織り交ぜながら新たな関係性を築いていけるのは、やはり裏表どちらにも顔が広くて人徳のあるヴァンが主人公だからこそ可能な技だなぁと感じさせられます。

ただ、私は守護騎士コンビ推しなのでもう少し出番があったら嬉しかったな…!というのはありました。事前公開情報ではさもメインキャラクターのように紹介されていて非常に楽しみにしていたので、中盤以降は少し物足りなかった(T_T)

今作でゲネシスはすべて回収し多くの謎が明かされましたが、アニエスの持つ手記に書かれた内容は解決しておらず、そして新たな謎も増えました。ニナのこととかね…次作にも期待です。

 

2022.10.23 追記

追加エピソード『御伽ヲ歪メシモノ~そして…』クリアしました。

まさかのディンゴさんとハミルトン博士が繋がってた感じ…!?どうやら次作が黎の軌跡シリーズの最後で、宇宙基地計画がメインのお話になる模様。楽しみだな〜。

29.英雄伝説 空の軌跡 SC

今回は空の軌跡 SCについての記事になります。

2022年9月17日にクリア、今回はサブクエストはあまり消化せずプレイ時間は35時間半程でした。

※私がプレイしたのはPSP版、画像はVita版になります。

 

空の軌跡シリーズ2作目です。物語は前作である空の軌跡 FCの続きで、時系列でいうとFCエンディングのおよそ数時間後からスタート。続編は数年後くらいなのかな?と思っていたので時間経過が全くなかったことに驚きました(笑)

私はFCをクリアしてそのままプレイをスタートしたこともあり、余計に続編というよりディスクを入れ替えただけというような感じでしたね。まぁ途中で色んなゲームを挟んだので結局クリアまでには結構時間が掛かりましたが…笑

 

ptw828.hatenablog.com

 

今回から難易度選択や、データ引き継ぎ機能も追加されていました。難易度はゲーム開始時に選ぶことになりますが、後から変えることが出来ないので慎重に選ぶ必要があります。私は安定のEASYにしたためか、今作は戦闘で苦戦することはほぼありませんでした。

データ引継ぎは調整のため色々決まりはあるみたいですが、主にFCでのレベルの引継ぎや若干の台詞の変化等がありましたね。

物語は序章〜終章までの全10章です。一つ一つの章は短いのでそこまで長いな〜という印象はありませんでした。まぁそれでもUMDは2枚組だったけども…PSPで2枚組ってかなり珍しくない?

 

・主人公・エステルの変化

前作ではスタートからエンディングまでほぼずっと一緒だったヨシュアですが、FCのエンディングでエステルの前から姿を消してしまったため、今回はエステル一人でのスタートになります。SCはそんなヨシュアエステルが連れ戻しに行く決意をするところから冒険が始まります。

物語開始時はヨシュアがいなくなったことに対してエステルはとてもショックを受けており、周囲の人々も非常に心配していました。そりゃあんな別れ方をすりゃあね…

しかし、故郷へ戻る途中に出会った新キャラ・ケビン神父との会話をきっかけに少しずつ元の明るく前向きな姿を取り戻してゆき、そして立ち直った彼女は遊撃士として更なる高みを目指しながらヨシュアを連れ戻すべく旅立ちます。

エステルは明るく元気で深く物事を考えないタイプであり主人公としては王道な性格ですが、個人的には正直最初はそこまで好きなタイプではありませんでした。なんか、能天気すぎるというか…。しかし、大切なものを失った絶望から這い上がり、周囲を巻き込みながら今できることを全力でしようという一生懸命さを受けてどんどん好きになっていきましたね。彼女の底抜けにポジティブな発言にはいつも勇気づけられます。

 

前作と変わらず前向きなエステルですが、遊撃士として経験を積み、そしてヨシュアを異性として意識しだしたこともあり内面的にも少し大人になったなぁと感じる場面も多く、FCの頃を思い出しながら冒険をするとジーンと来るものがありましたねぇ。

前作ラストで自身の後ろ暗い過去を思い出してしまったヨシュアの「明るい光が濃い影を作るように、(エステルと)一緒にいると自分の本性を思い知らされる」という台詞がずっと頭から離れなかったので、物語中盤でエステルがヨシュアを励まし、連れ戻すシーンは感動して大号泣でした…

作中エステルは色んな人々を力強い言葉と行動力で引っ張って来ましたが、SCでは更に繊細な部分に寄り添ってくれるような優しさも増したような気がします。本当に立派になって…(思い出し泣き)

 

・新たな敵

消えてしまったヨシュア、そして各地で起こっている異常現象や災害どちらも結社「身喰らう蛇」と繋がっていることに気づいたエステル一行は、その目的を突き止めるべく前作で冒険した舞台・リベール地方を再び巡ることになります。作中の時間経過がほぼ無いのでマップや味方キャラクターはあまり変化はありませんでした。

前作からの大きな変化といえば、やはり物語に直接結社が関わってきたことでしょう。結社の幹部『蛇の使徒』を中心に、各ナンバーを所持する実働部隊『執行者』達がエステルたちの前に度々現れては場をかき乱します。…それにしてもこの厨二心をくすぐるコテコテな設定やらネーミングやら、いいですね~(笑)

本作から6年程未来である黎の軌跡でも登場したヴァルターや、そちらでは普通の学生として登場したレン先輩も執行者として出て来ていました。特にレンはかなり衝撃的な活躍の仕方をしていたので、昔の先輩すごすぎ…(今もすごいけど)となりましたね。

 

・仲間たちについて

パーティーキャラクターは主にFCで一緒に戦った仲間たちですが、今作では入れ替わり制ではなく同時に皆で冒険する為、イベント発生等の理由から固定されるキャラクター以外は連れて行くメンバーを選ぶ必要があります。

その中でも先輩遊撃士のアガットまたはシェラザードは物語序盤でどちらか一人を選び、以後は一時期を除いてほぼずっと一緒に冒険することになります。私は攻撃力優先でアガットを選びました。

ちなみに選ばなかった方も別働隊として動いており、中盤にはパーティーに合流してくれます。お留守番組はギルドで待機なのでパーティー入れ替えをするにはいちいちギルドまで戻る必要があるのが少し面倒でしたね。オリビエはいちいち反応が面白いのでずっと連れ歩いてました(笑)

最終パーティーは固定のエステル&ヨシュアとオリビエ、ミュラー少佐にしました。カプア空賊団のジョゼット、王室親衛隊のユリア大尉、エレポニア帝国のミュラー少佐はまさか仲間として一緒に戦えるとは思ってなかったので、ラスダン付近での嬉しいサプライズでした!皆連れて行きたかったけど、オリビエとミュラー少佐の幼なじみによる面白い会話を期待してこのメンバーに。

 

また、各章ごとに仲間たちの誰かしらがフィーチャーされるお話の作りになっており、FCのときは明かされなかった皆の素性や過去に迫ることが出来たのも面白かったです。長らく引っ張られたオリビエの正体も終盤でようやく分かってスッキリ。

結社の執行者と因縁があるキャラも複数おり、その関係性もだんだん明らかになってきました。とはいえ、まだ謎な部分も多く残っているキャラも複数いるので、そのキャラ達については次回作の3rdに期待しようと思います。

28.グリムグリモア OnceMore

今回はグリムグリモアについて書いて行こうと思います。

2022年9月3日にクリア、プレイ時間は11時間程でした。

 

オーディンスフィアや十三機兵防衛圏でおなじみ、ヴァニラウェア開発のソフトです。

実はこの2作よりも昔の作品で、オリジナル版は2007年4月にPS2で発売されています。2022年7月にPS4とSwitchよりリマスター版が発売され、私はSwitch版をプレイしました。

今回リマスター版が発売するまで全く知らなかったゲームでしたが、今までプレイしてきたヴァニラウェア作品がとても良かったので圧倒的信頼のもの情報を殆ど入れずに予約購入しました。最初に出されたPVとパッケージイラストを見たくらいで、ストーリーもキャラクターも戦闘システムも分からず…ここまで予習せずにソフトを買うのもなかなか珍しいです(笑)

 

・あらすじと世界観

主人公の魔法使い見習いのリレ・ブラウが魔法学校に入学するところから物語は始まります。真面目でやる気に溢れる彼女はこれからの学生生活に期待しますが、入学5日目に突如復活した魔王により学校中の人々がすべて殺されてしまいます。

困惑するリレがふと気づくとそこは5日前。彼女は記憶を保持したまま5日前に遡っており、未来を知るリレは5日後に起こる魔王の襲来に備えようとしますが失敗。そしてまた気づけば5日前におり…

以後、リレは繰り返される5日間の中で個性豊かな先生や学生達と交流しながら5日目に起こる悲劇の阻止を目指します。何周もする中で登場人物達の真意や真相が徐々に明らかになってゆく展開にはワクワクし、先が気になり夢中になって進めてしまいました!

周回する度にリレの守りたい人が増えて行き、そしてリレ自身は技術的にも精神的にも強くなって行く姿がとてもカッコよかったです。何周しても犠牲になってしまうホムンクルスの少女・アマレットに「あなたを死なせはしないわ」と宣言した最終5周目のリレの姿には痺れましたね…イケメン女子主人公、最高。

 

魔法学校が舞台ということもあり、システムもキャラクターも背景もすべて非常に幻想的な雰囲気で構築されています。本棚に置かれいる本を選択し読み進めて行くシナリオ選択画面はなんとなくオーディンスフィアに似ているなと思いました。ヴァニラウェアお気に入りの演出なんですかね~おとぎ話のようで私も好きです。

 

・戦闘(プラクティス)

メインシナリオでの戦闘内容は授業内での実技だったり敵との実戦だったりと様々です。リレは魔導書『グリモア』を使い魔法陣を設置し、そこから多種多様の使い魔を召喚し戦わせるシステムになります。

プレイヤーは画面全体を見てひたすら指示を出し続けるだけなのですが、どこに魔法陣を設置するか、敵の傾向を見てどの使い魔を何体ずつどの順番で召喚するか、今いる使い魔の性能や技で効果があるのか等考えることは非常に多く、難易度EASYでも思ったより難しいなという印象です。

敵味方のユニットは平面の広いマップを上下左右自由に移動して色んな行動を起こすので、こちらに集中して戦わせていたらいつの間にか反対側の魔法陣を攻撃されており慌てて戻る…というような動きが多く忙しい戦闘でした。

 

魔法にはエルフやユニコーン等を呼び出す精霊魔法、ゴーストやファントム等を呼び出す交霊術、ドラゴンや悪魔を呼び出す黒魔術、キメラやゴーレムを呼び出す錬金術の4系統があります。マナを集めて魔法陣のレベルを上げながら敵との相性を見つつ、該当する魔法陣を設置し使い魔を召喚して戦うのが基本スタイルとなります。

ちなみに4系統の強弱の相性はマップ上に表示してくれてはいます。私はすぐ頭がこんがらがるので結局ごり押しで進んでましたが。モーニングスターさんやキメラには特にお世話になりました…

また、方向上キーで同種族の使い魔にまとめて指示できたりZRボタンで早送りが出来たりするので、快適にプレイ出来るのも良い点ですね。

メインシナリオ以外にもフリートライという戦闘のみのモードもあり、ここでは指定された条件でクリアを目指します。クリアするとコインが貰え、そのコインを使用することで使い魔や技の性能などを強化することが可能です。私はこちらのモードは半分くらい未プレイなので、機会があればやってみようかなぁ。

 

戦闘は最初は覚えることが多く大変ですが、慣れればとても楽しく遊べます。プレイ時間的に比較的手軽にプレイでき、またストーリーも短いなりによく纏まっていると思うので、童話のような世界観を味わいたい方にはオススメの作品です。