のんびりゲーム記

クリアしたゲームの感想や備忘録。ネタバレ満載です。

23.ポケットモンスター Let's Go! イーブイ

今回はポケモンシリーズのレッツゴーイーブイについて書いていきます。

2022年5月28日に殿堂入り、クリア後要素含めプレイ時間は28時間程でした。

 

私は当時ゲームボーイピカチュウバージョンをプレイしていたので、今回はイーブイにしてみました。

こちらのゲームはポケモンピカチュウバージョンのリメイクですね。ただリメイクといっても結構変わっている部分も多く、例えば主人公はレッドではなく新しい男の子または女の子になっており、ライバルも新しいキャラクターでした。

難易度は低く、ゲームライトユーザーやポケモン初心者でも気軽に遊ぶことができる作品という印象です。ポケモンGOから入った方が次に触れるタイトルになって欲しいという意識で製作されたようで、ポケモン捕獲の感じも従来のものとは違ってかなりポケモンGO寄りな雰囲気だったり、GOらしさを感じられる点が満載でした。

シナリオは、マサラタウン出身の新人ポケモントレーナーこと主人公がオーキド博士から託された図鑑の完成を目指して各地のジムを巡っていく中で悪の組織・ロケット団の企てを阻止し、やがてポケモンリーグを制覇する…というシンプルかつ洗練されたおなじみのストーリーほぼそのまま。

 

・相棒ポケモン

選んだソフトによって、相棒ポケモン(スタートポケモン)がピカチュウイーブイか変わります。私はイーブイバージョンなので相棒はイーブイとなり、ライバルがピカチュウを選ぶことになります。この相棒ポケモンは進化はしないので、ボールから出したイーブイを頭に乗せて一緒に冒険します。

相棒以外にも手持ちポケモン1体をボールから出して冒険することも出来て、巨大なイワークサイドン、ウィンディ等は上に乗って移動できちゃいます。また、リザードンカイリュー等の空飛ぶポケモンの場合は飛んで移動することが可能。

 

相棒のイーブイちゃん、進化不可だから弱いんじゃ…?と思っていたら普通にめちゃくちゃ強いんですよね。終盤まで殆ど1匹で戦っていたような気すらします。どうやら初期に設定された種族値がかなり高いというカラクリのようです…なるほどね。

また、相棒技という特殊な技を覚えるのも特徴で、イーブイは与えたダメージの半分量を回復するいきいきバブル、ダメージ+相手を確定でまひさせるびりびりエレキ、ダメージ+相手を確定でやけどさせるめらめらバーンはじめ色んなタイプの技(ブイズ進化先の8タイプ+なつき度によってダメージ量が変わるノーマル技)を覚えることが出来ます。8タイプの技はどれも威力は90、命中率は100%です。

……強すぎない?

調べたところピカチュウには別の相棒技が用意されているようで、みずタイプや飛行タイプ技とのこと。なみのり、そらとぶピカチュウを意識した技なんでしょうか(懐かしいな〜)。

 

・リメイクでの変更点

今作では冒険の途中途中で様々なキャラクターが登場し、ちょっとしたイベントが発生します。今まで倒してきたジムリーダーが他の街に遊びに来ていたり、ロケット団に絡まれていたところを四天王が助けてくれたりと楽しい追加要素です。

また、初代ポケモンのレッドとグリーン、ゲームでは初登場のブルー、サン・ムーンに登場するアローラ地方のマツリカやオリジナル版ではまだ未登場だったロケット団のアポロ等も登場。これらのトレーナーとはバトルも可能で、これまたファンには嬉しいサプライズでした。

中でもグリーンは何回も登場し、各地で冒険の手助けをしてくれました。今作での役割は主人公たちの先輩ポジションといったところでしょうか。初代赤・緑バージョンで生意気な子供だった彼からは想像できないほどの頼もしい先輩っぷりでなんだかジーンと来てしまいました。

余談ですが、グリーンは私のポケモンシリーズ最推しキャラクターだったりするので出てくるたびにスクショボタン連打したなぁ(笑)

そういえば、冒険序盤で主人公のポケモン図鑑を見たグリーンが「自分たちの時代は地図に鉛筆で分布を書き込む図鑑だった」と言っていたのはなかなかの衝撃でしたね。そんな設定になったんだ…でも言われてみれば確かに、二十数年前は携帯できるデジタル機器なんて全然無かったもんなぁ。かがくのちからってすげー。

 

また、今回の登場ポケモンは基本的にカントー地方に登場する、つまりは初代ポケモン151匹のみ登場しますが、例外としてアローラの姿があるポケモンに関してはゲットすることも可能です。入手方法は後述のGOパークでゲットするか、各地のポケモンセンターにいるNPCに通常姿のポケモンと交換してもらうかの2択。

また、メガシンカ可能なポケモンに関してはメガストーンを入手することでメガシンカも出来ちゃいます。カントーポケモン限定とはいえ、これらの要素で冒険の幅が広がるのは嬉しいですね。

ちなみに今回の旅パは相棒イーブイピカチュウアローラダグトリオアローラロコンリザードンプテラの6体。ダグトリオとロコンはアローラ要員、リザードンプテラメガシンカ要員として採用しました。ピカチュウイーブイと対になっていることもあり、あえて進化はさせずにずっとボールから出して連れ歩く要員。話しかけると大谷育江さんのボイスで返事してくれたり、たまにアイテムを拾ってきてくれたりととにかく可愛く癒されました…!話しかけるタイミングによってテキストに変化があり、水辺では水遊びしたりとマップによって行動パターンが変わる仕様も細かくて良かったです。

 

・廃止されたもの

リメイクによって消えた機能もありました。

まずは自転車です。ギャロップケンタロス等の大型でスピード自慢のポケモンをボールから出して上に乗ることで早い速度で移動可能なので、それが自転車の代わりを果たすようでした。楽しいんだけど、簡単に乗り降り可能な自転車に慣れすぎてたせいもあって若干不便だったかな…。自転車廃止に伴い、サイクリングロードも消えており、代わりに『ポケモンロード』として相棒ポケモンモンスターボールから出して歩かせたり寛いでいるトレーナーのいこいの広場的なものになっていました。このトレーナーとも普通にバトルは発生します。

あと、地味に楽しみにしていたセキチクシティ名物のサファリゾーンも無くなっていました。元々サファリゾーンがあった場所には『GOパーク』という新しい施設が立っており、これはポケモンGOと連携させることによって、GOで捕まえたポケモンをゲット出来たりミニゲームで遊べたりする施設のようでした。GOをやっていない私には入場することさえ出来ない謎の施設です…(笑)

他にもタマムシシティのゲームコーナーでスロットも出来なくなっていたり(代わりにゲームセンターとして筐体が並んでいました、プレイは不可)、釣り竿がもらえずに釣りが出来なくなっていたりと、今までのポケモンに普通にあったものが結構削られており、新鮮さ半分寂しさ半分という感じ。

 

オリジナル版をプレイしたのがだいぶ昔(というか発売当時)だったので、振り返りの意味でもすごく楽しく遊べました。ポケモンGOをプレイしていればもっと楽しめたかな~という感じではありますが、別にやっていなくても不自由も問題もなく遊べました。ポケモンの捕獲がなかなか上手くいかずちょっと大変でしたが、不満はそれくらいかな?

何より相棒のイーブイがとにかく可愛くて、クリア時にイーブイから小さな花束をプレゼントされた時は思わず涙が出ました…笑

ちなみにその説明文がこちら↓

『ただ ひとりの トレーナーへの 気持ちを こめて 一生懸命 作った ささやかな 花束。』

もう文章だけで泣けてきます( ;∀;)小さな子供は勿論、疲れた大人達にもオススメしたい優しい世界のゲームです。

22.十三機兵防衛圏

今回は十三機兵防衛圏について書いていきたいと思います。2022年5月7日にクリア、時間は28時間程でした。

 

この作品は2019年11月28日にPS4で、2022年4月14日にSwitchで発売されています。私はSwitch版をプレイしました。Switch版にはDLC特典としてアートブックや設定資料集がついてくる他、ミニゲームや映像をみることが出来る「鞍部の部屋」も収録されていました。かなりお得です。

また、ゲーム内では英語音声に対応したり、戦闘で使用する兵装の追加等もあるようでした。

 

・ゲームシステム

このゲームにはアドベンチャーパートである追憶編、シュミレーションバトルモードである崩壊編アーカイブパートである究明編の3つのモードがあります。

追憶編はいわゆるストーリーモードであり、13人の主人公の物語を読むことができます。ストーリー解放の条件に指定の戦闘クリアはありますが、話を読んでいる途中に戦闘が挟まることは無いので途切れることなく物語に集中することが出来るのが良いですね。

崩壊編は出陣前後に少し会話が挟まるくらいで基本的に戦闘のみのパートです。巨大ロボットである機兵に乗った13人のキャラクターのうちMAX6人を選んで出撃、街に降り立った怪獣を撃破していきます。この機兵、巨大ロボットなのですがガン〇ムというよりエ〇ァやファ〇ナーに近いイメージですね。脳に影響与えたりするし結構怖い…

1対1で戦うわけではなく、無数居る怪獣をミサイル等で一気に殲滅するイメージの戦闘です。広範囲ミサイルで一網打尽にしたときの爽快感がすごいです。

怪獣はマップ上に赤や青のマークで表示され、ターミナルと呼ばれる施設を目指して侵攻してくるのでそれを阻止し、ターミナルを防衛しきるのが戦闘の目的です。このターミナルは何ぞや?とか怪獣ってどんなの?ということが追憶編で描かれているので、両方バランスよく同時進行でゲームを進めて行くとより楽しめるかと思います。後半の方はストーリーと同時系列だしね。

究明編はアーカイブモードなので、情報を閲覧するだけの機能です。崩壊編で貰えるアンロックポイントを使ってファイルをどんどん解放し、完成を目指す辞典みたいな感じ。登場人物のことやアイテム、用語、起こった出来事などを閲覧できるので、ストーリーでこれなんだっけ?ということがあったら見るようにしていました。

 

・ストーリーと真相

大正〜昭和の時代に暮らす少年少女がタイムトラベルと機兵を駆使し、突如現れた怪獣倒す話…なんですが、実はそれも過去の人々によって作られた設定という。主人公達が今まで生活してきた街並みは仮想現実で、家族も友人も15人以外はすべてAIなんですね。そしてその過去の人々というのが旧人類で生き残った15人であり、人類存続のためこの15人の遺伝子によって作られたのが主人公である少年少女です(メインの13人+NPC2人)。この辺難しすぎて合ってるかわからん…笑

実はタイムトラベルではなく管理されたセクター間を移動しているだけだったり、ずっと未来の出来事だと思われた映像も実際は過去に起こったことだったりと、常に常識が覆り続けるので終盤に明かされる怒涛の真実にはいちいち驚かされました。世界設定的にはNieRシリーズに近いかなぁ。

ほぼ同時系列とはいえメインキャラクターが13人いるので13通りのストーリーがあり、物語がとにかく複雑!徐々に明かされて行く真実や人々の関係性の奥深さや張り巡らされた複線の数がすごく、1個謎が解けると5個謎が増えるのをひたすら繰り返すイメージ。頭の良いゲームだなぁと思いました(頭の悪い感想)。

 

この作品のゲームクリアはただエンディングまで到達し『結末』を見届けることではなく、シナリオすべてを制覇し過去含めた物語の『過程』の中で真相やキャラクター達の想いを理解するところにあると私は思います。とても充実度も質も高いシナリオでした。

この複雑で膨大な情報を見事に操り、矛盾も破綻も無い壮大なシナリオを作り上げた神谷盛治氏には脱帽です…

 

ヴァニラウェア開発の作品

以前クリアした「オーディンスフィア」と同じヴァニラウェアが開発ということで、キャラクターの関係性や群像劇で描かれるストーリー等はとても似ているなぁと感じました。戦闘は全然違うけど。

簡単に言ってしまうとオーディンスフィアの登場人物を増やして、複雑にして、自由度をかなり高くしたという感じ。キャラクター一人一人にストーリーが用意されており、同じ時系列をそれぞれのキャラ視点で進めることでだんだん謎が解明されてゆく…という作りはほぼ同じですが、あちらはキャラの攻略順は固定だったのに対し本作は比較的自由に進めることが可能です。まぁ解放条件があるので、全員満遍なくプレイしていかないとクリアは出来ないけども。

 

あと、これはオーディンスフィアの時も感じましたがグラフィックが綺麗。特に光の描写がものすごく綺麗。空のグラデーションや眩しい風景の背景を見ているだけで涙が出てくるほどに美しいんですよね。

主要キャラクターは大正~昭和の学生(の設定)はじめ各時代の高校生のため、皆学生服を着用しています。時代通りのいかにも古風なビジュアルな子から近代的な雰囲気の子まで幅広いデザインであり、皆シンプルながらも可愛らしいです。それでいて動きや表情に良い意味での生々しさがあるのもヴァニラウェア作品キャラクターの良い点ですね~。機兵に乗り込む際に行う起動マーカーのスライドモーションは皆カッコいいので必見。

 

可愛らしいキャラ達を退廃的な世界で絶望的な戦いへと向かわせる作りはお得意なのでしょうか。バニラウェア作品の絵本のような可愛い見た目からは想像できないブラックな雰囲気やリアルとファンタジーの狭間のような独特な世界観はとても魅力的ですね。

13人の主人公は仲間同士でくっつき、最終的には全員カップルになるところはオーディンスフィアと同じです。ヴァニラウェアは全員円満カップルエンドが好きなんだな〜と感じますね。奇数ですが心配ご無用、ちゃんとイングヴェイ(NPC)枠もおります。違うところは、今回は男性同士のカップルもあるところでしょうか。ちなみに私のお気に入りキャラは比治山くんです。ピュア真面目カワイイ日本男児。沖野との関係性もたまらんね…

 

非常に満足度の高いプレイ内容でしたが、とにかく複雑なのできっと見逃しも多いはず。全て把握した上でいつかまた遊ぼうと思います。焼きそばパンを片手に。

21.英雄伝説 空の軌跡 FC

今回は軌跡シリーズ第1作目、空の軌跡FCについて書いて行こうと思います。2022年4月2日にクリア、プレイ時間は42時間程でした。

※画像はVita版です。

 

FCは「First Chapter」の略だそうで。まさに最初の物語ですね。

黎の軌跡の記事でも書いたように、空の軌跡から5作はPSPソフトを所持しておりましたので私はPSP版でプレイしました。このPSP版は移植で、最初はWindows向けソフトとして2004年に発売されたそうです。思ってた以上に歴史の長いRPG作品なんだと驚きましたね。

更に2015年にはVitaへも移植されており、こちらでは会話のフルボイス化、立ち絵の変更や楽曲のアレンジもされているようでかなり気合の入った移植となっております。機会があればこちらもやってみたいなぁ。

 

・ストーリー

軌跡シリーズの原点はどんな物語かというと、聡明な女王により統治された平和な国・リベールでクーデターが起こり、なりゆきでそのことを知った主人公たちがそれを阻止するという、アニメや漫画でも映えそうな非常に分かりやすいお話です。

主人公は正義感が強く明るく元気な女の子・エステルと優しく賢く物静かな男の子・ヨシュアの二人組です。エステルの父親・カシウスは優秀な遊撃士であり、そのカシウスが任務帰りにどこかから連れてきたヨシュアをそのまま養子として迎え入れ、二人は実の姉弟(兄妹)同然に育ちました。

二人は物語序盤で遊撃士資格を取得しますが、ほぼ同時にカシウスがいなくなってしまいます。父を探すこと、そして準遊撃士から遊撃士を目指す修行のため世界を巡ることになるのですが、訪れた先々で色んな事件に巻き込まれます。そしてそれらの事件はすべて同じ組織に繋がっており、更には父の知られざる過去も明かされながらついにクーデターの首謀者と対決し、それを打ち倒します。

謎を残しつつも晴れてエンディングを迎え、とりあえずは大団円かと思いきやラストでヨシュアの悲しい出自が明かされて、彼はエステルの前から姿を消してしまいます。エステルはヨシュアを連れ戻す決意をして本当のエンディングなわけですが、予告ムービーみたいなものまで流れて完全に次作に続く流れですね。

エンディング曲であり、作中ヨシュアがハーモニカで何回か奏でる『星の在り処』という楽曲がとても感動的であることもあり、エンディングでめちゃくちゃ泣きました(笑)最近プレイしたゲームで一番グッときたかもしれません…

 

楽曲といえば、今作は素敵な曲がかなり多かった印象でした。

大好きなゲームでも曲が耳に残らない作品ってありませんか?実は私これが結構多くて、体感6~7割くらいがそうなんですよ。例えばテイルズや幻水、近年のポケモン等がそうです。もちろん聴けば思い出すし、好きな曲も沢山あるのだけど…パッと頭に浮かぶ曲というのが無くて。

そんな中、(現時点で)軌跡シリーズの楽曲はすごく耳に残るんです。スッと入って来るというか、まぁ好みということもあるのでしょうけども。

 

クーデターの首謀者を打ち負かしたエステル達ですが、実はバックには裏で手を引いている組織があり、そしてその黒幕こそが黎の軌跡でも登場した組織・身喰らう蛇だったりするんですよね。今作では詳しくは言及されずに終わったので敵として直接立ちはだかるのは次作・空の軌跡SCからのようです。

キャラクターは徐々に増えているとはいえ、現実時間でこんなにも長く謎の組織としての格を保っているだなんて…改めてすごいことです。まだ最初期と最新作しか知らないので、組織が今後どう描かれて行くのか今から楽しみです。

 

・プレイしてみて感じたこと

設定や物語の流れはとにかく典型的であり正直先の展開が読めてしまうのですが、だからといって飽きさせず、それどころかワクワクとした気持ちでゲームを進めることが出来ました。それでいて矛盾点とかも感じられず、伏線も綺麗に回収していてとにかく全てにおいて丁寧に描かれているなぁという印象です。

昔のゲームのような壮大なファンタジー世界を楽しみつつ、現代のゲームのように丁寧に作りこまれた世界観を味わうことが出来、ファルコムの地盤の強さを感じさせる良作だなぁと思いました。

あと、キャラクターの会話や関係性は良くも悪くも平成初期アニメのノリだ…!ということも感じましたね(笑)私はなんだかんだ懐かしい雰囲気を楽しめましたが、人によっては古臭く感じるかも…。

 

仲間にお忍びプリンセスがいたり、記者のお兄さんお姉さんにお世話になったり、最終決戦の街に今までの仲間が集結したりと黎の軌跡と似た設定だなと感じる場面が多々ありました。黎の軌跡はシリーズ後半戦のスタートということなので、初代であるこの空の軌跡FCのオマージュとして描いた部分もあるのかもですね。

 

ストーリーはすごく良かったんだけど、戦闘は少しテンポが悪いなぁと思いました。Vita版ではこの辺りは解消されているのだろうか…。難易度は少し高く、雑魚はともかくサブクエストの討伐モンスター等には結構負けましたね(笑)

戦術オーブメントにクオーツをセットして、その組み合わせによって様々なアーツ(魔法みたいなもの)を使えるようになるところは黎の軌跡でやっていたので理解に時間は掛かりませんでした。物語終盤まで回復くらいでしかアーツは使わなかったけど実は結構使えるものが多く、特にデバフ系は耐性のある敵以外には確定でアーツを封じたり混乱を入れられたりと非常に強力でした。もっと早く気づきたかった…。

 

戦闘に負けたらリトライ時に敵が弱体化するように設定することも出来るので、だいぶ気は楽でしたね。また、夜間パトロールの兵士に見つからないように目的地に辿り着くミッションでは、見つかってしまったら次以降は巡回の兵士数がだんだん減っていったりします。これにはかなり助けられました(笑)貰えるBPが減ってしまったりと若干のデメリットはあるものの、この時代のゲームにしては新設設計ですよね。

 

・キャラクター

やっぱりエステルとヨシュアの関係性がこの物語の肝でしょうね。今作では最後でお互いの想いを打ち明けはしたものの、結局すれ違ったまま離れ離れになってしまったふたり。詳細は次回記事に書くと思いますが、どういう結末を迎えるのか……

仲間キャラに関しては、黎の軌跡のときに話題に上がっていた人かな?イラストが出ていた人かな?と思うことは何度もありましたが、確信は無かったですね。まぁ未プレイの記憶力なんてそんなもんです。

ただ、不動のジンには驚きました。まさかこんなにも古参でしかもメインパーティーキャラだったとは…頼もしい良い先輩として大活躍でした!

今作のお気に入りキャラはクローゼです。黎の軌跡のアニエスと並んで軌跡シリーズ推し女子になりました。主人公が冒険の途中で出会う、凛とした可愛らしさがある高貴な女の子が好きなんですよね…

 

多分FCでの仲間達は次作にも登場するかと思うので、楽しみにしつつ早速プレイを開始しようと思います!

20.ポケットモンスター シャイニングパール

今回はポケモンのシャイニングパールについての記事になります。2022年3月19日にクリア、殿堂入りに掛かった時間は22時間程でした。

 

・期待と不安

昔からポケモンシリーズ大好きな私は、当然リメイク前のダイパもリアルタイムでプレイしていました。こちらは2006年9月発売とのこと。…16年も前なの……???

ダイパとマイナーチェンジ版のプラチナはそれなりにやり込んでおり、ストーリーやキャラクター等総合的に見ても過去作の中でも結構好きなシリーズのひとつだったのでリメイクが出るのをすごく楽しみにしていました。他シリーズが続々とリメイクされる中このダイパはなかなかリメイクの話題が出ていなかったので、発表があったときはすごく嬉しかったのを覚えています。

 

しかし、喜びと同時に不安要素も出来ました。それは制作がポケモンシリーズおなじみのゲーフリことゲームフリークではなかったことです。ゲーフリは今まで高クオリティなポケモン作品を生み出し続けていたので、ダイパがリメイクされる際も当然ゲーフリ制作だと思っていたら…まさかの別会社。

実際、公開されたムービーは直近に発売された剣盾と比べるとかなりデフォルメされたグラフィックやキャラクターたちであり、言ってしまえば、この3D時代にドット時代のゲーム画面を彷彿とさせるものでした。まぁこれに関してはあの頃の思い出をそのまま現代の技術で綺麗にしたという感じだし、私としては見下ろし視点のポケモンやデフォルメに対する抵抗は全くないので嫌だとは思いませんでしたが、世間は荒れそうだな…とは思いましたね。

 

・プレイしてみた感想

そして発売後、プレイしてみてまず思ったのは操作性が悪いなということでした。具体的に言うと、自転車が扱いにくいことはじめ移動に対するストレスが多かったです。というか全体的に動作がもっさりしているので、爽快感はあまり感じられなかったかな?

また、こちらは私は被害はありませんでしたが初期バグも多かったようです。結構深刻なものもあり、案の定ネットでは騒がれていましたね。

バトルではトレーナーが強い印象でした。近年のポケモンと同じように経験値が手持ち全員に入るというような緩和はありましたが、きちんのレベル上げをしないとトレーナー戦は普通に負けます。特にチャンピオンのシロナ戦はかなり苦戦しましたね…また、AIが優秀なのか、特性や道具を駆使したまるで対人戦をしていると錯覚するような作戦で苦しめられることも多々ありました。

近年のポケモンはジム戦等で苦戦することは全く無かったのでバトル難易度はオリジナルに近いものを感じ、やりごたえがありましたね!

ちなみに今回の殿堂入りメンバーはゴウカザルドサイドンムウマージマリルリトゲキッスと控えパルキアの6体でした。剣盾の記事で御三家はみずを選ぶことが多いと書きましたが今回はほのおです。というか、ゴウカザルのデザインが好きすぎてオリジナル版でもヒコザルを選んだな…あとトゲキッスはこれで3か4回目の旅パ参加なんですよね。強くて可愛くて、お気に入りのポケモンです。

余談ですが、クリア後にとあるイベントをこなすと強化版の四天王・チャンピオンと戦えるらしいです。本編内でも十分強かったのに更に強化されており、なんと歴代最強クラスだとかなんとか…レベルが高いのはもちろん努力値個体値、技構成なんかもガチ設定とのこと。気が向いたらチャレンジしてみようかな…

 

グラフィックに関してはやはり私はスッと受け入れることは出来ましたが、剣盾のようにポケモンやトレーナーたちの表情を感じられなくて少し物足りないと思う部分も確かにありました。まぁあの虚無顔デフォルメも可愛いのですが(°▽°)

追加要素や追加ストーリーはほぼなく、オリジナル版を綺麗なグラフィックに差し替えて発売したような作品なので、期待値を高く設定しすぎると少しがっかりしてしまうだろうな…という今リメイク。また、通信対戦も栄えている印象は無く、対人戦をしている人は今まで通り剣盾に戻ってバトルしているような現状です。

ただ、見下し視点での冒険やバトル難易度も含めて、昔やったダイパを懐かしんだりストーリーを思い出したりするのには良い作品でした。私も忘れかけていたストーリーを改めて楽しめたので満足しています。

また、これからアルセウスをやろうと思っているかつダイパ未プレイの方にはオススメというか、是非こちらをプレイしてからヒスイ地方に旅立って頂きたいと強く思いますね。

 

 

今回の記事でクリア済みゲームのストックが無くなったので、次回以降は更新に少し間が空くかと思います。

今後は(私がサボらない限り)クリア直後のリアルタイム更新になるかと思いますので、気が向いた時に遊びに来ていただけたら嬉しいです!

19.Pokémon LEGENDS アルセウス

今回はポケモンシリーズよりLEGENDS アルセウスについて書いていきます。2022年2月26日にクリア、合計72時間程遊びました。

 

このゲームの発売約2ヵ月前にダイパリメイクが発売され途中までプレイしていたのですが、アルセウスの内容が気になりすぎてこちらを先にクリアしていまいました(笑)全てのポケモンと出会い真エンディングを見届け、図鑑レベルも全部MAXにしてマンテンボシ団員になるところまでやり込んでます。

 

・今までのポケモンと全然違う!

今作は主人公が異世界からアルセウスの力でヒスイ地方という昔の日本を連想させる場所に飛ばされるところから始まります。Tシャツにスマホを持った現代人が謎の力で過去に行き、そこの生活に順応しながら事件を解決して行くというタイムスリップものあるあるな設定ですが、まさかポケモンのゲームで体験することになるとは…!

このヒスイ地方はダイパの舞台であるシンオウ地方の昔の姿であり、ダイパでの出来事に関連するイベントがあったり登場人物の先祖と思われるキャラクターが多数登場します。アルセウス発売に合わせてリメイクを出してくれたおかげで、色んなイベントや台詞、キャラクター等が新鮮に感じられて良かったですね。

私の推しでもあるコンゴウ団の長・セキ等、一部子孫の存在が分からないオリジナルキャラクターや、逆にダイパのライバル等先祖が未登場(と思われる)キャラクターもおります。今後のシリーズ作品やアップデートで登場するのかどうか、楽しみのひとつですね。

主人公に関しても不明点が非常に多いです。メインストーリーを全部クリアしても主人公は元の世界に戻れていないどころか、どの時代のどこから来たのか等全く分かっていません。ダイパ主人公とデザインはそっくりだけど、同一人物なのだろうか?アップデートで追加された「ヒスイの夜明け」クリア時にポケモンジムやコンテストについて言及する場面がありましたが、主人公は自分のことはほぼ語りませんし…おおまかな設定はあるのでしょうけど、もしかしたら今後も詳細は公開しないのかもしれませんね。プレイヤーの想像におまかせということで。

 

設定以外も今までと違う点は沢山ありました。ゲームを始めてまず最初に驚いたのは、フィールドです。広大なフィールドを駆け回り、ポケモンがあたりを普通に歩いているゲーム画面は近年のFFやテイルズのようでした。剣盾でもワイルドエリアとかだいぶ開けたフィールドでしたが、もっと自然そのものが舞台でRPGらしさがありました。たまに集落などはあるものの、町もメイン拠点の1ヵ所しか無いのでほぼ大自然の中を冒険する感じです。

グラフィックもとても綺麗で、直前までやっていたのが昔のポケモンをリスペクトしたダイパリメイクということもあって余計にその違いを感じることが出来ました。人間はもちろん動き回るポケモンの細かい動作や表情も個性があってみてて楽しかったです。特にころころ転がるタマザラシ、あれは可愛すぎる…!

 

モンスターボールは主人公が拾われたギンガ団が作り出したものとなっており、一般の人にはまだ殆ど普及していないようです。主人公はじめギンガ団はフィールドで拾える素材からクラフトでボールを作成して使用します。普通に店で買えたりもするけど、自給自足の精神ですね。

ちなみにこのギンガ団、村を守りポケモンを調査する自警団兼ポケモン研究所のような役割の組織なのですが、ダイヤモンド・パールでは悪役として登場しています。未来での悪の組織は正義の組織となっており、未来で対立したボスキャラクターの先祖は心強い味方となり、また未来で親しくしていたチャンピオンの先祖は…という感じで、ダイパ既プレイでキャラクターにも思い入れがあった私は面白い設定だな~と思いました。

 

・普通に負けるバトル

バトルの形式自体はほぼいつも通りですが、まだポケモンを捕獲してバトルするという概念が薄い時代の為、トレーナーが少なく対戦可能なのは主要キャラクター数名とごく僅かのモブトレーナーのみでした。

そのため、バトルはほぼ野生のポケモンとすることになります。そしてその野生のポケモンとのバトルは今までのシリーズでは考えられないくらい難易度が高く、苦戦するどころか普通に負けます。群れで襲われたり、レベルが高かったり、オヤブンと呼ばれる通常個体よりも巨大かつ強力なポケモンに襲われて敗北したことも多々ありました。ポケモンをここまで怖いと感じたのは初めてだ…(笑)

まだ人類がポケモンを未知の生物として扱い、恐怖の対象であった時代という設定のため、テーマ的に大成功ではないでしょうか。バトルを回避するためには草むらにしゃがんでやり過ごしたり、きのみを投げて気を引いたりする戦法で切り抜けるのもリアルです。

 

もう一つ難しいバトル要素といえば、キング・クイーン戦ですね。ヒスイ地方の各地にはキング・クイーンと呼ばれる特別なポケモンが5体おり、主人公が出現した際に空いた時空の裂け目から落ちた落雷によって狂暴になり、荒ぶるようになってしまいます。そのポケモンを鎮めるのがギンガ団に所属した主人公に与えられた役割なのですが、そのバトルはもはやアクションゲームでしたね…

途中で通常のポケモンバトルも挟まったりはしますが、基本的には主人公がキング・クイーンの猛攻を避けながらシズメダマというアイテムをひたすらぶつけ続けて大人しくさせます。なかなかダメージゲージが減らないわ攻撃を避けるタイミングも難しいは回復が出来ないわで何回もコンティニュー画面を見ることになりました。正直二度とやりたくない。ニーアオートマタで見たことあるような攻撃パターンのキングもいましたね(笑)

 

あと、研究レベルにもよると思いますが体感色違いポケモンの出現率は過去シリーズより高く感じました。全ポケモンの研究レベルを10にした際に貰った『ひかるおまもり』のおかげで出現率は更に上がったので、今後は高難易度のトレーナー戦や色違い収集等をしようかな~と思っています。まだまだヒスイ地方を冒険するぞ~。

18.オーディンスフィア レイヴスラシル

今回は友人に勧められて始めたゲーム、オーディンスフィアについてです。2022年1月28日にクリアし、プレイ時間は23時間程でした。

 

2007年にPS2で発売し、その後2016年にシステム面を強化したHDリマスターがPS4とVitaで発売したとのこと。私はVitaでプレイしました。

このゲームはTwitter等で見かけてイラストが可愛いなぁという印象はあったものの、どんなゲームかは一切知らずにスタートしました。戦闘や移動はすべて横スクロール式で難しい操作も無く、アクションが苦手な私でもスムーズに遊べたので良かったです!

 

・ストーリー

大まかにいうと、5人の主人公の物語を順番にクリアして終焉の予言に記された災厄に立ち向かうお話です。

この5つの物語はアリスという女の子が読んでいる本の内容という設定で、まさに絵本のような幻想的な世界観と可愛らしいキャラクターがとても魅力的ですが、残酷な描写も結構ありギャップがすごいんです。魔剣使いの成れの果てや死の国に登場する敵キャラクター達なんかは夢に見るレベルに怖い(笑)

 

5つの物語はほぼ同じ時系列で構成されており、それぞれ進めていくと、あの時なぜこのキャラがこの場所にいたのか、この時点でこのキャラはこういうことを考えて行動していたのか、あのとき裏ではこんなことになってたのか…ということがだんだんと分かり、まるでパズルのピースが埋めていくようなわくわく感がありました。

 

・マルチエンディング

物語をすべて終えた後は、5体のボス(災厄)を予言のヒント通りのキャラで倒すとトゥルーエンドを迎えることができます。予言の文章、最初に読んだときは???って感じだったけど後から読むとなるほどそういうことか…と納得できました。

特にメルセデスの真名が判明する瞬間には思わずおぉ…!と声が出ましたね…よく出来てるなぁ~

 

また、予言に書かれているのとは違うけどそれぞれのボスと関わりのあるキャラで倒すと特殊な個別エンドに、どちらにも該当しないキャラで倒すとバッドエンドになりました。

ちなみにボス5体の難易度は先に進むにつれ弱くなって行く印象でした。前半3体のダーコーヴァの獣、冥府のガロン、炎の王オニキスは普通に強いのに後半2体の結晶炉コルドロンと予言の竜レヴァンタンは弱すぎないか??特に、ラスボスのレヴァンタンはどのキャラで挑んでも全く苦戦しなくて拍子抜けだったな…

 

で、それらすべてのエンディングを見ると最後に祝福エンドという真エンディングに到達します。この祝福エンドはコルネリウスと、終焉の日に彼と同じプーカの呪いに掛かってしまったベルベットの後日談ですね。

呪いのせいでプーカの姿のまま年を取らず幾千年の長い時間を生きてきた二人。「世界中に散らばるコインをすべて集めるとどんな願いも叶う」という教えのもとすべてのコインを集め終え、ついに呪いが解かれる日が訪れます。

呪われた姿でも永遠を生きた方が良いのでは…と考えたコルネリウスに限られた時の中を精一杯生きようと悟すベルベット。二人が人間の姿に戻ってハッピーエンドです。

この場面で語られるすべての言葉が胸に響きました、なんと美しいエンディングか…まさに祝福。

 

最後は真っ暗な死の国で、世界樹ユグドラシルから根が伸びた小さな花を微笑みながら見つめるイングウェイのイラストでおわり。

言わずもがなこの花はメルセデスですよね。死の国で見た青い鳥に希望を見出したオズワルドと似た演出ですが、そこから立ち直っていくのオズワルドに対し、イングウェイはやっと安らぎを得られた…という感じでしょうか。

どの展開でも終焉の犠牲になり、生きて結ばれることの無いこの2人ですが、他キャラクター達とはまた違った美しい結末だったかと思います。

 

・キャラクター

ワルキューレ』の主人公、グウェンドリン

まずデザインがめちゃくちゃ良い。戦闘服のレオタード姿もドレス姿もどちらもとても素敵です。クール系の子なのかな?と思ったら、父親である魔王に愛されたいだけの心優しい女の子でした。父を想って戦う姿はとても健気で…

後半ではオズワルドと出会い、だんだん彼に惹かれていく様子も可愛らしかったです。私は月野うさぎに人格を形成されているところがあるので、好きな人のために命を懸けて戦う女の子は最高に美しい、と彼女を見て再認識しましたね…( ˘ω˘ )

 

『呪われ王子の冒険』の主人公、コルネリウス

今度は金髪美形キャラが主人公だ!と思ったら、物語の最初に呪いで兎のような姿であるプーカにされしまいビックリ。その後はずっとこの姿で冒険をします。

性格は真面目で優しく正義感に溢れ、まさに正統派王子様キャラでした。愛するベルベットを助けるために小さなプーカの姿で走り回り、自分とは名乗らずに彼女を守ろうとする姿がとてもかっこよかったです。


『妖精の国の物語』の主人公、メルセデス

おてんば姫の冒険的なお話かと思いきや、母の死や身内の裏切りを乗り越えて、偉大な女王としての成長していく壮大な物語でした。魔王との最終決戦を前に、味方軍の先頭に立ち行った演説には感動しましたね…

また、ベルベットの双子の兄イングウェイが呪いでカエルの姿になりこの物語に登場するのは予想外でした!メルセデスには王子様はいないのかな?と思ったら、まさかの君か。

他のカップルとは違い相思相愛のやりとりが見られるわけではないのですが、離れた場所にいてもお互いが支えとなり、それぞれ自分のすべき道を進む関係性が非常に好きでした。キスでカエルの呪いが解けるというのもロマンチックでイイネ!

 

『死と暗黒の剣』の主人公、オズワルド

グウェンドリンの王子様。実の親に見捨てられ育ての裏切られ妖精たちには忌み嫌われ、更には死の女王の呪いがかけられて…とにかく気の毒で仕方がなかった序盤~中盤。ワルキューレ編のエンディングでグウェンドリンとの幸せな未来を知っていたから耐えられたけど、知らなかったら耐えられただろうか…

終盤で明かされるまさかの出自や真実、そして愛する人の心を得てエンディングを迎える頃には大きく変化した彼を見ることが出来て感無量でした。幸せになってくれ。バーサーク化して戦う姿は不気味なかっこよさがあって良かったのですが、アクション下手の私には使いこなせなかった(笑)


『運命とともに』の主人公、ベルベット

落ち着いていて大人っぽい印象の彼女ですが、強い情熱を持って戦っている女性です。第一印象はセクシーな赤ずきんちゃん。凛とした可愛らしさがあり、上品な立ち振る舞いが素敵でした。私が実際にプレイしてみて一番好きになったキャラクターです。

終盤に向かうにつれてだんだんと幸せになっていったオズワルドとは違い、亡国の王女という立場と使命感も相まって彼女は終始思い悩み、身内に振り回されていたでいたイメージでした。コルネリウスとの逢瀬の時間は数少ない心休まる時間だったのかなと思おうと泣けてきます…祝福エンド後は今まで苦労した分、目一杯幸せになってくれ(2回目)。

 

最後に、本を読んでいる少女・アリスについて。ゲーム終盤にアリスの部屋からプーカ姿のコルネリウスとベルベットがコインを持っていく描写があったことから、本の中の物語とアリスが同じ世界を生きていることが分かりました。

アリスはプレイヤー目線としておとぎ話を読んでいるストーリーテラー的なキャラクターなのかと思っていたので、そう繋がるか…!と思わず声が出てしまいましたね~

恐らくはこのコインこそが最後のコインで、アリスは終焉のずっと先の世界に生きているグウェンドリンとオズワルドの子孫なのでしょうか。

 

絵本の中に飛び込んだかのような美しく幻想的な世界、皆さんも是非プレイして体験してみてくださいね。

17.天外魔境2 卍MARU

今回は天外魔境2について書いて行こうと思います。2021年12月18日にクリア、プレイ時間は58時間でした。

※リンクはPS2のものです。

 

天外魔境2はハドソンからPCエンジン用ソフトとして1992年に発売されたゲームです。天外魔境シリーズはZEROの序盤のみ小さい頃にSFCで遊んだことがあり、本作はVitaでアーカイブを購入してプレイしました。購入自体は5~6年ほど前にしており中盤までは遊んでいたのですが、とある場面で積んでそのままになっていました…詳細は後程。

 

・圧倒的なクオリティ

プレイ前から名作だと噂は聞いておりましたが、実際にクリアしてみてその理由がよく分かりました。ストーリーは分かりやすい勧善懲悪だしそこまで目立った特徴は無いと思うのですが、本当に完成度の高い作品でした…!力強い迫力とドロドロとした不気味さが合わさったゲームの雰囲気は唯一無二だと思っています。

 

驚いたことは色々あるのですが、一番はアニメーションムービーの質と量でしょうか。本当に30年前のゲームか?と思うほどに何もかもが規格外。OPはキャラクター紹介も兼ねた壮大なムービーで一気に世界観に引き込まれ、ストーリー中では「30分に1度大きなイベントが発生する」と謳われているように何度もムービーが挟まります。しかも豪華声優によりボイス付!

アニメーションというだけでも凄いのに、フルボイスとは…何年時代先取りしてんだといいう話です( ゚д゚)テレビゲームの可能性に当時の子供たちはさぞ驚いたことでしょう。後述のとあるムービーでは台詞、演出、クオリティ全てにとても感動して思わず涙が出ました…

 

また、物語を彩る楽曲もどれも素晴らしいものでした。音楽担当はジブリ等でお馴染みの久石譲氏です。力強いOP曲やダンジョンで流れる不気味な曲、緊迫感のある戦闘曲…どれも印象に残る心地よいメロディでしたね。

中でもフィールド曲は勇ましさと爽やかさを兼ね備えた壮大な楽曲となっており、フィールドで放置してしばらく音楽を楽しむ時間もあるほどでした。

 

・印象に残るストーリー

このゲームのストーリーは主人公・卍丸たち『火の一族』と敵である『根の一族』の対立を描く物語です。千年前の火の勇者たちが残した聖剣を1本ずつ取り戻してジパング各地に咲いた『暗黒ラン』を斬り、世界征服を企む根の一族を打ち倒すストーリーはまさに王道RPGといえますが、その道中は驚きのイベントがてんこもり。トラウマになるような出来事やこれ子供に見せて大丈夫!?といったイベントの数々に圧倒されました。

例えば、ネットで有名な浜田村の話。敵に豚に姿を変えらた村人たちが隣の浜田村に助けを求めに来ましたが、元人間と知らない浜田村の人々は突然の食料に喜びそのまま食べてしまいます。卍丸たちが敵を討伐後、その事実を知った浜田村の住人達に話しかけると海に向かってひたすら嘔吐し続けておりました。その地を支配していた敵は倒したはずなのに村の雰囲気はどんよりとしており、BGMも暗いままです。本当に後味悪い話を書かせたらハドソンは天下一だな…(誉め言葉)。

 

他にも弁天様という妖艶な女性キャラが卍丸に対して「あと5年早く生まれていれば帰しはしなかったのに」と言ってきたり、意味深なことを話すNPCが多数いたり雑魚敵の名前がなんだか艶めかしかったり…制作陣が「もっと下世話に、もっと猥雑に」を本作のキーワードとして語っている通り、随所にエロティックな要素が散りばめられておりました。

根の一族である菊五郎バイセクシャルであり人質の男性にも手を出していた、ということもNPCの会話から分かることなのですが、これ子供の頃に見てもなんのこっちゃとスルーしていたんだろうなぁ(笑)子供がやるのと大人になってからやるのとでは違う印象を受けるキャラクターやイベントも多そうです。

 

・キャラクター ~火の一族~

メインパーティーは途中抜けたり再加入したりはありますが4人固定です。全員火の一族であり、とても個性的で良いキャラ達でした。これはレトロRPGあるあるなのですが、皆キャラが立っているだけにパーティー内の会話が少ない部分は少し残念でした。卍丸との会話はあっても、テイルズのスキットのように全員で会話をする場面はほぼ皆無です。

そんな中、先ほど少し触れたとあるムービーとその前後のイベントでは全員が会話をするんです!とても貴重なイベントであると同時に天外魔境2屈指の名シーンだと思っています。

 

それはパーティーの紅一点である絹が覚醒し、鬼の力を解放するシーンです。彼女はその強大な力の暴走を恐れて自身の手を純潔の鎖で繋ぎ、力を封印しておりました。そのため、ここまで彼女は戦闘で通常攻撃のコマンドが選択出来ず、技や道具使用で補助に徹していました。

旅の途中で絹の死んだはずの母親が登場し、絹はそれを追います。が、実はそれは偽物であり、正体は絹の両親を殺した張本人・根の一族の吹雪御前でした。自分を騙したこと、そして自分を追って助けに来た卍丸たち仲間を傷つけたことに怒った絹は自分の本当の名前「鬼怒(きぬ)」を名乗り、吹雪御前を殺害します。

ちなみにこの覚醒シーンのムービー、残虐すぎるという理由で先程の浜田村の悲劇や弁天様のビジュアルと共にリメイク版では規制がされました…笑

鬼の力を解放し大暴れしてしまった鬼怒。すべてに絶望し、もう生きていたくないと言い崩壊する城から卍丸達を脱出させたあとひとりその場に残ります。そんな彼女を見捨てられない他の3人がそれぞれの思いを口にして救出に向かうのですが、そこで流れるムービーでは基本話さない主人公・卍丸が長い台詞を喋ります。

「絹の背負ってる悲しみも苦しみも、全部まとめて今日から俺が背負ってやらぁ…運命なんてクソくらえだ!」

特に印象深い一文です。もうね、この一連のイベントがめちゃくちゃ良いんですよ…!本当に色々なことを乗り越えた物語終盤での出来事ということもあり、今までの冒険を思い出しながら号泣してしまいました…

そして、励まれ立ち直った絹は無事パーティーに復帰します。新たな鬼の力を得て攻撃コマンドも解禁、戦闘でも大活躍してくれます。火の勇者たちの団結力が更に深まった素晴らしいイベントでした( ;∀;)

 

サブキャラクター達も主人公一行に負けないくらい個性的でどのキャラも強く印象に残っています。冒険をサポートをしてくれる伊賀忍者の百々地三太夫や絹の飼い犬シロ、陽気な宣教師ホテイ丸ら味方キャラクター達は戦いの中で卍丸たちに先に進む道を示して犠牲になってしまうのですが、エンディングでは皆蘇ります。というか根の一族によって殺されてしまった絹の両親や千年前の火の勇者たちまで蘇ります(笑)

まさかのドラゴンボール展開にえっ全員!?良いの!?となりましたが、キャラ達が犠牲になって行くシーンはどれも本当に辛くて凹んでいたので、大団円で良かったな…と思いましたね。

 

・キャラクター ~根の一族~

そして、味方以上に良い味を出して物語を盛り上げてくれたのが敵である根の一族の面々です。ボスキャラは骸骨や虫、植物を模した鬼だったり人の姿に化けていたり機械化していたりと多種多様で、全員とにかく不気味なデザインです。これは雑魚敵にも言えますが、ビジュアルから恐怖を抱かせることの出来る根の一族キャラデザは本当に秀逸です。

デザインは本当に怖いのですが、意外と普通に話せたりかっこよかったり、中にはコミカルなイベントまで用意されているキャラもおり、その温度差がまた魅力の一つだと思っています。先ほども話題に出した菊五郎は仲間キャラであるカブキ団十郎とライバルであり、フルボイスムービーで低レベルな言い争いをしたり何故か変装対決をしたりします。この対決はだんだん規模が大きくなり、最終的にはジェット機になったりしてましたね(笑)時代や設定を全部無視したはちゃめちゃっぷりに笑わせてもらいました。

 

もう一人印象的なのはデューク・ペペというキャラで、ビジュアルは小柄で弱そうな中年おじさんです。妻のマダム・バーバラと共に序盤のボスとして登場し(こちらは巨大でかなり怖い)、妻のサポートのような立ち位置で戦っておりましたが卍丸たちがバーバラを討伐、その後ペペはいなくなってしまいます。

あまりの影の薄さに普通に存在を忘れて冒険をしていたら中盤でまさかの再登場。最愛の妻の仇と襲い掛かって来るのですが、同時に「卍丸、愛してるよ」と謎ヤンデレ化してボロボロになりながらも追いかけられ、何度も戦う羽目になります。戦闘曲も狂気という感じで怖かったな…。挙句、力を求めて自らの身体を改造し最終的には機械化したペペと戦って終了します。

純粋さとわけわからなさが同居して最強に不気味でしたが、何故か憎めずむしろ愛着すら湧いていました…そのインパクトの大きさからか、案の定世間的にも人気キャラのようです(笑)

 

・戦闘難易度に心が折れかけた話

敵キャラに対する恐怖は見た目だけではありません。その戦闘力はそれはそれは凄まじいものでした…ボスはもちろん道中の雑魚敵もかなり強く、おまけにエンカウント率も高く雑魚相手に普通に全滅します。頻繁に全滅する前提で作られているからか、所持金が減る等のペナルティが無いのが救いでした。

初回プレイ時に私が積んだ理由もこれです(笑)出雲大社で序盤に倒してきたボス(の霊)と連続で再戦する、いわゆるボスラッシュ場面の難易度に屈してしばらく積んでしまったわけですね…。装備や技配置を見直しレベル上げをしても勝てず、沢山作戦を練っては一つずつ試して試行錯誤を繰り返し、ようやく突破出来ました。

この出雲大社もですが、セーブポイントからボスまでの道のりが長いのもまた苦労ポイントです。ボス戦のために技値を温存しつつ、強力な雑魚敵を蹴散らしながら進みボスに挑み敗北してまたセーブポイントから進み…の繰り返し。戻し作業の時間はなかなか苦痛でしたが、ボスを攻略した時の喜びはすごかったです。時短に特化した今のゲームではなかなか味わえない達成感ですね!

…と言いながら、私はゆとり仕様に慣れきってしまったストーリーを楽しみたい派のゲーマーなので昨今のゲームではイージーモード安定ですが(笑)たまにはこういう歯ごたえのあるゲームも良いのかもしれませんね。